ビジネスQ&A

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経営者のよくあるお悩み一問一答

Q
事業拡大・多角化2017.01.25
Q1133. 一次産業をベースに、儲けの出る新しいビジネスモデルが知りたいです。

 最近会社を辞めて、親の営む農業・畜産を引き継ぐこととなりました。跡を継いでわかったのは、現在の事業ではあまりにも利益が少ないことです。新しいビジネスモデルを考えたいのですが、そのヒントを教えてください。

A.

 農業の担い手の減少、耕作放棄地の増加など、農業には大きな問題が存在します。おっしゃるとおり、農業を収益の面で魅力あるものにしないと、このままでは将来的に食料供給の危機を迎えることとなります。マーケットインの思考で「儲かる仕組み」を作る必要があります。

 それでは一次産業、特に農業の「儲かる仕組み」を考えてみたいと思います。今回は「既存の生産方法・販売方法の改善」、「六次産業化による収益構造の改革」、「IoT導入による生産性の向上」の3つのテーマで考えます。

【既存の生産方法・販売方法の改善】

 一般的な農家の販売ルートである農協を通じた卸売市場ではなく、一般事業者を取引先とする販売方法をとる農家が存在します。取引先は、ファミリーレストラン、ファストフード、コンビニエンスストア、野菜加工業者などの外食・中食関係、またはスーパーマーケット、生協などの小売業です。卸売市場を通すと売値が変動するため、収益は安定しませんが、契約栽培・販売は事前に価格を取り決めるため、相場に左右されません。納入数量も決まっているため、計画的に栽培できて販売価格も事前にわかり、コスト計算が確実にできます。
 また、中古の農業機械を手に入れたり、譲り受けて再利用したりして、必要なもの以外はコストをかけない経営をしていることもポイントです。従来のどんぶり勘定の農業から脱し、企業経営の基本を持ち込んでいることが儲けの源泉となっています。

【六次産業化による収益構造の改革】

 一次産業の生産者は生産だけでなく、加工、販売まで取り組むことが求められるようになってきました。これが六次産業化の流れで、一次産業(生産)、二次産業(加工)、三次産業(販売・サービス)を組み合わせて多角的に取り組むものです。
 たとえば、自社の生産物を加工し、販売する直売店を展開する農家の中には、年間売上が1億円を超える店舗も多数出てきています。成功している直売店の多くは、加工施設を併設した直売店を展開していますが、ポイントは、自社の生産物を加工して販売している点です。これは、自社生産物のブランド化・ファンづくりにつながります。

【IoT導入による生産性の向上】

 いま、もっとも注目されているのが、IoTによる生産性向上への取組みです。IoTとは「Internet of Things」の略で、「多種多様なモノがインターネットに接続される」ことです。たとえば田植機でも、遠隔地にいる専門業者と通信することで、機械の保守はもちろん、肥料や収穫について専門的なアドバイスをもらえるようになり、生産の効率化が可能となります。将来的には無人で田植機を動かしたり、作物の状況をセンサーで管理したりして重労働を減らし、農業人口の間口を広げることも期待されています。
 また、従来は勘と経験による部分が大きかった種まきから収穫までのプロセスについても、データ分析で生産量を予測し、効率的な生産ができるようになります。このようにIoTは、発想や考え方しだいで農業のさまざまな面から生産性向上のアプローチができ、可能性が広がる分野です。農林水産省も、「スマート農業」をテーマに研究会を運営しています。

図1 スマート農業の将来像

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