ビジネスQ&A

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経営者のよくあるお悩み一問一答

Q
事業承継・再生・廃業2016.11.16
Q1118. 事業承継について、どのような対策をすればよいでしょうか。

 金属加工業を営んでいます。そろそろ事業承継について検討しなければならない時期にきていますが、どこから手をつけてよいのかわかりません。円滑な事業承継(税務対策以外)の方法について教えてください。

A.

 これまで培ってきた経営資源を円滑に引き継ぐことは、重要な経営課題です。経営資源の承継を進めるためには、まず未来のあるべき姿を描き、現状の経営状況を整理して課題を抽出します。そして、中長期の経営計画に事業承継の時期や具体的な対策を盛り込んでいきます。

 企業がこれまで培ってきたさまざまな財産(ヒト、モノ、カネ、情報、知的財産など)を円滑に次の世代へ引き継ぐことは、中小企業にとって重要な経営課題の一つです。事業承継を先送りにせず、十分な時間をとって準備を行うことが大切になります。
 円滑な事業承継を行うためのポイントとしては、以下の3つが挙げられます。その中でも特に、「企業が蓄積してきた無形資産をどう引き継ぐか(経営資源の承継)」について考えていきます。

図1 円滑な事業承継を行うためのポイント

1.次期後継者を誰にするか(ヒトの承継)

 後継者を決める際には、まず経営者としての資質のある人を選ぶことが重要です。経営者にとって多くの場合、後継者候補は親族であり、特に子どもが中心になります。
 その際、子どもに経営者としての資質と自覚があれば、関係者(従業員や取引先など)の理解を得やすいでしょう。しかし、親族に後継者として適切な人がいない場合は、事業をよく知っている従業員や取引先の中から後継者の人材を探すのも一つの方法です。後継者候補がまったくいない場合は、M&Aという手法で企業を売却することも考えられます。

2.自社株式・事業用資産を誰に引き継ぐか(資産の承継)

 承継後の経営を安定させるためには、後継者や協力的な株主に、相当数の自社株式や事業用資産を集中させることが重要です。方法としては、主に以下の3つが考えられます。

3.企業が蓄積してきた無形資産をどのように引き継ぐか(経営資源の承継)

 まずは、あなたの想いやあなたの望む「企業のあるべき姿」、たとえば、あなたの理念や将来のビジョン、方向性等思いつくことを具体的に書き出します。
 次に、あなたに関する情報や企業の現状を収集し、整理してください。たとえば、あなたの資産、企業の経営状況やノウハウ等の無形資産※1、等の経営資源(引き継ぐもの)を明確にします。こうして現状を把握することで、あなたの思い描く「あるべき姿」とのギャップを確認でき、そのギャップを埋めるための課題が見えてきます。
 続いて、課題を解決するための具体的な対策を検討します。そして、これらをもとに中長期の経営計画を立案し、その中に事業承継の時期や具体的な対策を盛り込んでいきます。
 後継者が決まっている場合は、一緒に事業承継計画を作成すると、取り組む過程において伝えやすく、事業そのものの承継(経営資源の承継)をスムーズに進めることができます。とはいえ、自身で事業承継計画を作成することは難しいと思いますので、中小企業庁が公表している「事業承継ガイドライン20問20答」( )を利用すると、整理しやすく取り組みやすいでしょう。

※1 無形資産は、土地、建物、機械設備などの有形資産に対し、特許や商標権、著作権等の知的財産、従業員の持つ技術や能力等の人的資産、企業文化や経営管理プロセス等のインフラストラクチャ資産等も含みます。

図2 事業承継計画立案の進め方

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