ビジネスQ&A

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経営者のよくあるお悩み一問一答

Q
経営ビジョン・相談2016.11.09
Q1115. ビジネスモデルを見直すには、どうすればよいですか。

 消費財メーカーとして長年、品質重視のものづくりを行ってきましたが、低価格品に押され、利益率が落ちています。知り合いからは、ビジネスモデルが古いと言われましたが、どのように見直したらよいのでしょうか。

A.

 消費者の体験価値を起点とした発想により、ビジネスモデルを見直し、必要なサービスとパッケージ化した提供を行うことを検討しましょう。体験価値に応じた課金の仕組みを設定し、コストについては既存資産活用の徹底化やパートナリングによる初期コスト低減化も視野に入れます。

 従来の製造業の場合、自社で商品を作り、それを流通業者等に販売することで、ビジネスが完結していました。つまり、価値の実現=製品の販売だったわけです。
 しかし、消費の成熟化の進展の下では、さらに掘り下げが必要になります。販売の先を考えてみましょう。製品の購入後、お客様はそれを活用して何かを実現しようとするはずです。この瞬間にお客様が体験する喜びや高揚感こそが、その製品の価値と言えます。これをお客様の体験価値と呼びます。
 ビジネスモデルの見直しを行う際には、この体験価値を起点にすることがポイントになります。

【体験価値の深掘り】

 顧客が自社の商品を何のために使っているか、顧客が自社の商品を買ってまで成し遂げたいこと、解決したいことは何なのか、をとことん理解します。お客様に共感する目線で、寄り添った情報収集を行うことが必要です。
 次に、お客様の目的達成を通じて体験価値を実現するために、必要なことをリストアップし、体験価値実現のためのボトルネックを見出します。そして、ボトルネック解消のための場や方法を検討します。
 たとえば、そのボトルネックとして、お客様側で必要とされる能力や知識があるのなら、それを補完するための教育サービスや情報サービスとパッケージ化して提供することです。そうすることで、従来のモノの販売にとどまらない、ソリューション的なビジネスへと変えていくことができます。

【利益を生む構造のデザイン】

 体験価値が生まれる場を収益起点とします。決してコストを起点としないでください。そのうえで以下のような検討を行い、利益確保の道筋をつけます。
 まず、体験価値の高低に基づいた課金システムを検討します。ある程度の体験価値を獲得できるまでは、低い料金(あるいは無料)にして潜在的な利用者の敷居を下げ、それを越えて高い体験価値を得られるパッケージには高い料金を設定します。
 次に、主要な利益の源泉をどこに置くかを検討します。モノとサービスのパッケージの場合、コピー機のように、本体よりも保守やインク補充といった運用を利益の源泉とする方法もありますし、各種音楽プレーヤーのように、音楽配信サービスを低料金あるいは定額に抑え、モノのほうを利益の源泉とする方法もあります(ただし後者は、ブランドやデザイン等において十分な差別化ができていることが前提となります)。
 最後に、コスト部分についても検討します。新しいビジネスモデルを回そうとすると、そのための資産が必要となり、よほど余裕がなければすべてを新規にそろえるのは難しいでしょう。そこで、既存のビジネスで構築したインフラ等を新たなビジネスモデルに活用できないかを徹底的に考えます。
 なお、ビジネスモデルの完成度を高めるにあたり、一社単独では難しい場合が多くなりますが、積極的なパートナリングを行うことで、理想的な価値実現を目指せるとともに、資産やコストのシェアリングを通じた初期負担の軽減化も期待できます。

図1 ビジネスモデルに関する考え方の比較

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