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Q1085.人事評価制度を変えたいと考えており、職能資格制度に興味があります。どのように導入をすればよいでしょうか?
精密金型及び部品加工を主業務とする企業です。これまで人材開発は本人のやる気に任せてきました。年々業容が拡大し従業員も100名を超えたことを機に、賃金制度の構築と合わせ資格制度を導入することを検討しています。これには、職能資格制度が良いと聞きましたが、どのように取り組むべきでしょうか?

職能資格制度は、「企業は人なり」の経営理念のもと、従業員の能力に見合った処遇を与えるための制度です。企業の基準で社員の能力を判断して処遇を決めるため、長い時間をかけて人材を育てる環境に適しています。取り組みのポイントはメリット・デメリットを理解した上で、「職能要件書整備」→「職能資格等級構築」→「評価と運用」の手順で着実に進めることです。

Q10852016年3月23日

テーマ:教育・能力アップ

【職能資格制度とは】

 職能資格制度とは、従事する仕事(=職務)の性質や種類により、仕事(=職務)を遂行するのに必要な能力(=職能)を判定し、その結果にもとづき、あらかじめ規定された賃金表(賃金テーブル)によって支給する給与制度です。つまり、能力(=職能)が高いと判定される従業員が高い給料をもらうことができる仕組みです。中小企業から大企業まで広く導入されています。

【メリットとデメリット】

 職能資格制度のメリット・デメリットは以下のとおりです。さまざまなメリットがある一方で、評価が難しく運用を間違えると年功序列的に逆戻りしてしまうリスクがあります。能力評価に加え業績評価を目標管理制度で行うなど、他の制度と並行して用いることが、職能資格制度成功の秘訣です。

表1 職能資格制度のメリット・デメリット

表1 職能資格制度のメリット・デメリット

【職能資格制度と能力】

 従業員の公正な評価と育成には、共通のモノサシが必要です。このためにまず、期待されている業務レベルとそれを遂行するために必要な能力は何であるかを整理します。一般的に「職能要件書」と呼ばれる等級ごとの定義を行い、従業員の能力をもとに等級の位置付けを行います。社員1人ひとりに期待される業務の役割やレベル、保有している能力は異なるので、それに即して現在の位置を格付けします(表1参照)。

 このようにして期待されている業務レベルとそれを遂行するレベルで軸を取ることで、社員1人ひとりへ期待されている役割と現在保有している能力が整理できます。この業務レベルを職能資格とし、具体的な業務行動を定義したものが「職能資格等級」です(表2参照)。職能等級は社員の保有する能力により、6~9程度の等級に区分し、上位等級ほど賃金が高くなるように設計します。

図1 業務に必要な能力の資格等級への格付け

図1 業務に必要な能力の資格等級への格付け

表2 職能資格制度のモデル例

表2 職能資格制度のモデル例

【職能資格制度における評価】

 職能資格制度を運用するためには、社員の能力を判定する「人事評価」を行うことが必要になります。能力を職能資格及び給与に反映させる方法として、次の3つの要素を評価の柱とすることが一般的です。

(1)情意評価

 規律性や責任性、協調性、積極性などを評価の軸にし、仕事に対する意欲や態度をみます。そのものズバリ「意欲評価」や「態度評価」と言われることもあります。管理・専門職などの高位の職能については情意評価を行わず、能力および成績のみを評価対象としたり、成績評価の比重を高めることで成果主義を念頭においた評価・処遇を行うことができます。

(2)能力評価

 この部分で本人の保有能力をみます。知識や技術、技能といった「基本能力」、問題対応力や対人対応能力といった「習熟能力」、その他、実行力・情報収集力・分析力など、会社、職種、職位などによって必要な事項を評価項目とします。この「能力評価」には、評価者の評価能力が高いことが要求されます。

(3)成績評価

 従業員の業務成績=結果を評価する項目で、「業績評価」と表現されることもあります。この部分については目標管理制度とリンクして行うと効果的です。

【職能資格制度の運用】

 毎年春の昇給・昇格時には、当該従業員が職能資格要件を満たしたかどうかを試験・リポート・面接などで確認し、職能の昇格を実施して昇給させます。また、対応職位に達した時には、職位を昇格させます。さらに、目標管理制度と併用することで、能力のみに流れることなく、業務の実績を勘案した昇給昇格を行うことができます。

 職能資格制度における昇格の基準には、卒業方式と入学方式があり、卒業方式は現在の等級に求められる能力を満たしたときに上位等級に昇格させるものです。一方、入学方式は上位等級に求められる能力を満たしたときにその等級に昇格させるものです。

回答者中小企業診断士 林 隆男

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