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Q1080.化学業界全体の動向について教えてください。
自社では、加工法をプレス・切削からレーザ加工に転換しましたが、加えて材料を金属・アルミから高機能化学材料に広めることを検討しています。提携先や展開戦略を決める上で、今後の化学業界全体の動向を教えてください。

化学業界は、景気回復に伴い売り上げは増加に転じています。日本の化学業界は液晶ディスプレイ用材料、半導体用材料などの高機能材料において世界市場で高いシェアを占めているものの、個々の企業規模は欧米企業に比して小規模であり、企業買収や業界再編の動きには目を離すことができません。

Q10802016年1月25日

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化学業界は、石化製品、プラスチック、化粧品、洗剤、写真用フィルム、タイヤなどのゴム製品など、広範な分野にわたって素材や最終製品を供給するとともに、電池材料や医薬用部材及び航空機部材なども開発し、産業の高度化に貢献する産業です。化学業界の動向について、経済産業省「工業統計調査」の数値などを用いて、全体感がわかるようにご説明していきます。

【市場規模】

中国などアジア市場の需要拡大により出荷額を伸ばしてきた化学業界は、平成成20年に入り世界的な原油価格の高騰で石油化学事業を中心に収益が減少し、さらに平成20年後半以降は金融危機などの影響で需要が大きく減退しました。その後、平成22年には回復したものの、化学品の世界的な需要減少や石油化学分野の業績悪化の影響などを受け、平成24年までは横ばいを記録しましたが、平成25年に入り、世界景気の回復にともない、再び増加に転じています。

図1 化学工業の製品出荷額の推移

図1 化学工業の製品出荷額の推移

出典:経済産業省「工業統計調査(従業員10名以上の事業所)」より筆者が作成

【市場動向】

1.高機能材料における高いシェア

自動車、電子機器などの需要家からの高い要求に対応して、素材を幅広く提供して来たことから、高品質な製品を生産する技術力が蓄積しており、液晶ディスプレイ用材料、半導体用材料など高機能材料において世界市場で高いシェアを占めています。リチウムイオン電池用材料についてもこれまでの技術力を基礎として高機能材料を提供しており、中長期的にも世界市場での成長が期待されます。

2.事業再編による規模拡大

日本の化学業界の出荷額は、米国、中国に続き世界第三位の規模にありますが、個々の企業業績を比較すると、欧米企業が上位を占めており、日本企業の規模は大きくありません。近年は欧米企業との競争だけでなく、保有する資源を活用して成長を続ける中東や大消費地を国内に持つ中国との競争が激化しています。
 今後、海外の巨大な化学企業との競争に打ち勝っていくためには、海外展開や石油精製産業などとの異業種間の連携、同業種間で事業再編などを通じての集約化・規模の拡大を進めていくことが予想されます。
 石油化学汎用品においては、生産設備が相対的に小規模であり、原材料調達コストが高いことなどにより、安価な天然ガスを利用できる中東地域に生産拠点を持つ企業や大規模に事業展開をする欧米・中国などの化学会社との事業提携が今後カギとなりそうです。

化学業界の売り上げは増加に転じたものの、いまだ先行きが不透明な状況が続き、さらなる経営の再構築が進むものとみられます。

回答者中小企業診断士 林 隆男

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