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Q1070.飲食店の業界動向について教えてください。
都内の商店街で先代から続く中華料理店を経営しています。地元の常連客に愛され、今年で創業40年を迎えることができました。来年中学を卒業する長男は、調理師学校への進学を考えており、店を継ぐことに意欲的な様子です。親としては嬉しい反面、常連客の高齢化や大手チェーン店の進出などで店の経営は苦しく、このままの状態で店を継がせるべきか悩んでいます。外食業界の現状および将来性はどうなのでしょうか。

外食業界は人口減少の影響を受け、将来的には縮小していくと見込まれています。 現在、中小規模の飲食店においては、大手チェーン店との競争、人件費や食材費の高騰、人手不足といった問題への対応に加え、成長著しい中食需要への対策が求められており、厳しい事業環境にあるといえます。

Q10702015年12月16日

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【外食業界の現状】

1.外食業界の市場規模

(一社)日本フードサービス協会の公表によりますと、平成26年度の外食業界の市場規模は24.4兆円であり、そのうち飲食店の市場規模は13.1兆円となっています。
 外食業界は、国内の所得拡大に呼応する形で成長を続けてきましたが、平成9年をピークとして減少に転じ、デフレ環境下での消費の節約志向と低価格競争により市場規模は減少基調で推移してきました。
 現在、景況感の回復によって外食業界も若干回復傾向にありますが、大きな流れとしては少子高齢化の進展により、市場規模の縮小が今後も続くと見込まれています。

図1 外食産業市場規模の推移

図1 外食産業市場規模の推移

出典:(公財)食の安全・安心財団(付属機関 外食産業総合調査研究センター)

2.事業所数および従業者数

飲食店は参入障壁が低く、新規参入と退出が盛んな業態であり、売上の8割強が個人店舗により占められています。
 総務省の「経済センサス活動調査」・「事業所・企業統計調査」によりますと、飲食店の(民営)事業所数は平成13年の79万4千軒から平成24年には61万軒にマイナス23%と大幅に減少していますが、従業者数は、429万人から420万人とマイナス2%の減少に留まっています。
 このことから、零細小規模の飲食店が離・廃業により減少している一方で、一店舗あたりの従業者数が多い大手チェーンによる大型店が増加していることが推察されます。

3.外食の一世帯あたり支出額

総務省統計局の調査結果によりますと、外食支出は平成12年を100としたときに平成23年では二人以上世帯で85.6、単身世帯では68.8と大きく減少しています。
 単身世帯で外食支出が大きく減少している要因として、高齢者世帯の増加が考えられます。

【外食業界における問題点】

1.拡大する中食市場

(公財)食の安全・安心財団の公表によりますと、平成25年の中食の市場規模は6.9兆円となっています。現在の市場規模は飲食店の半分ですが、過去20年間で38%増と大きく成長しています。
 今後も高齢者の利用拡大などを背景として、食に対する利便性や簡便性重視の傾向が続くと見込まれており、中食の利用増による外食離れが懸念されています。

表1 中食商品市場規模の推移[食の安全・安心財団]

表1 中食商品市場規模の推移[食の安全・安心財団]

出典:(公財)食の安全・安心財団 「2014年改訂版外食産業データ集」

2.食材価格の高騰

消費税率の引き上げに加え、原油価格の上昇、新興国での実需増加、天候不順等によって食材の仕入価格が高騰しています。
 総務省「消費者物価指数(全国)」によりますと、生鮮食品をのぞく食料では平成22年を100とした時に、平成27年9月時点で105.9と指数が大きく上昇しており、食材費の高騰が飲食店における収益悪化の一因となっています。

3.人手不足、人件費の上昇

外食業界の要員構造はアルバイト・パート比率が高く、非正規雇用に強く依存した構造となっています。
 景況感の回復に伴い有効求人倍率は高水準で推移しており、外食業界においても慢性的な人手不足が続いています。
 人手不足を反映した賃金ベースの高まりで人件費が上昇しており、収益悪化の一因となっています。

【課題対応の方向性】

外食業界における課題対応の方向性としては、(1)大手チェーン店など競合店との差別化、(2)成長市場である中食需要の獲得、(3)収益性改善の3つのポイントから取り組む必要があります。
 競合店との差別化においては、メニューの魅力・接客力・店舗イメージ・プロモーションの各テーマにおいて、地元密着や機動性といった中小規模店ならではの強みを活かした差別化を図ることが有効となります。
 中食需要の獲得については、消費者の利便性や簡便性のニーズに応えるテイクアウトやデリバリーといった販売手法を積極的に取り入れることが有効となります。
 収益性改善については、仕入方法の見直しによる原価低減と共に、アルバイト・パートの戦力化による労働生産性向上を軸に進めて行くことが有効となります。
 これらの課題対応を着実に実行することができれば、市場縮小の環境下にある外食業界にあっても事業成長の可能性は大いに有るといえます。
 後継者問題に悩む飲食店経営者が多い中で、その心配がないということは貴店の強みといえます。夢を持って飲食店の事業に取り組もうとしているご子息の期待に応えられるよう、現在の課題対応にご尽力ください。

回答者中小企業診断士 菊地 和志

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