本文とサイドメニューへジャンプするためのナビゲーションスキップです。

トップページ  >  経営をよくする  >  ビジネスQ&A

特集一覧 中小企業に役立つ記事や施策をトピックスごとにまとめています。

Q1065.雇用後に労働条件でトラブルにならないためにするべきことはなんですか?
以前に会社の秩序を守らない従業員に対し懲戒処分をしたため、労働トラブルになったことがあります。懲戒処分をするにあたり、実務的に必要な対応とその留意点について教えてください。

懲戒処分は、従業員にとって大きな不利益となります。したがって、会社が懲戒処分を行うには、その処分が権利の濫用とならないよう、法的な規制があります。また、懲戒処分として有効と認められるには、一定の要件を満たしていることが必要とされています。

Q10652015年12月14日

テーマ:

会社は、その秩序維持・事業の円滑な運営維持のため、従業員に戒告、けん責、減給、出勤停止、懲戒解雇などの懲戒処分を課すことができます。しかし、懲戒処分は制裁罰であるため、従業員にとっては重大な不利益を被ることになります。そこで、労働契約法では、「使用者が労働者を懲戒することができる場合において、当該懲戒が、当該懲戒に係る労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、当該懲戒は、無効とする。」と規定されています。

【懲戒処分が有効とされるには】

懲戒処分が有効とされるには、以下の基準を満たしていなければなりません。

1.就業規則等に明記されていること

前提として、懲戒事由と懲戒の種類および程度が就業規則に明記されていなければなりません(労働基準法第89条1項9号)。特に、労働者数10人未満で就業規則の作成義務のない事業所では、別途懲戒規定を定めるか、少なくとも労働契約等で具体的に示されることが必要です。

2.客観的に合理的な理由があること

就業規則等で明記されている懲戒事由に該当していても、その処分に客観的で合理性があることが必要です。形式的に反する行為が事実あったとしても、実質的に秩序を乱す恐れのないような些細なミスなどの行為であれば、懲戒事由に該当しないと判断される可能性があります。

3.社会通念上相当であると認められること

懲戒事由に客観的に合理的な理由があっても、その処分が重すぎる場合は、懲戒権を濫用したものとみなされます。秩序違反や規律違反の種類や程度、従業員の行為の内容や行為がなされた状況、悪質さの度合いなどを考慮して法的判断が下されるということです。当然ながら、過去の例や他の従業員と比しても平等な扱いであることが求められます。 以上のほか、弁明の機会、懲戒委員会の議を経る等の規定がある場合に、その手続がなされずに処分されると権利濫用として無効とされます。規定がない場合でも、弁明の機会が与えられなかった懲戒処分が無効となるケースもありますので、その機会を与えることが必要でしょう。

表1 懲戒処分が有効とされる要件
1.罪刑法定主義の原則 懲戒事由、懲戒内容が就業規則等に明記されていること
2.平等待遇の原則 特別な理由がない限り、すべての労働者を平等に扱うこと
3.二重処罰の禁止 過去に懲戒対象となった行為について重ねて懲戒することはできない
4.不遡及の原則 懲戒規定の制定以前の行為には適用できない
5.相当性の原則 違反行為と処分の種類・程度には客観的妥当性があること
6.適性手続きの原則 弁明の機会など、就業規則や労働協約などで定められた手続きが必要

【懲戒処分の実務的対応】

1.問題がある従業員への初期対応

単に無断欠勤をした、指示に従わず反発をしたというだけの場合は、直ちに懲戒処分を課すのではなく、初期対応として注意喚起や改善指導などを行うべきでしょう(記録を取っておきます)。それでも改善されなければ、懲戒処分の検討ということになるかと思います。

2.事実の確認・把握

懲戒処分の前に、問題行為の事実の確認と把握が必要です。たとえば、無断欠勤が一定の期間に何回あったのか、注意を何度受けたのかなどです。特に重い処分を課すときには、再三同じ処分を受けた事実があるとか、重大な法律違反ではないかなどを把握する必要があります。

3.懲戒処分の判断

事実の確認・把握から、その事実が与える職場への影響や会社への不利益の程度、また過去の事例や労働判例から処分内容を判断します。懲戒解雇とする場合には、あくまでもその処分を行う場合をのぞいては、事前に労働基準監督署に相談するのもひとつでしょう。また、労働基準監督署で「解雇予告除外認定」が受けられる場合は、即時解雇としての懲戒解雇が可能です。

回答者社会保険労務士 吉岡 早苗

関連情報

同テーマの記事を見る 3つのコンテンツから検索ができます!

無料相談のお問い合わせ

電話で無料相談
頑張る中小企業「経営相談ホットライン」
TEL:0570-009111

メールでの相談無料
メール相談

このページの先頭へ

このページの先頭へ