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Q1064.退職者から未払いの残業代を請求された場合、どのように対処すればいいのですか?
建築設計の会社を経営しております。最近退職した社員から、未払いの残業代があると、自分が記録した出退勤の時間のメモと自ら計算した残業代の計算書をもって請求されました。退職者からこのような形で請求されて、とても不本意なことで大変驚いております。どのように対処すればよいですか?

まずは、不本意であっても、放置せず誠実な対応をとる必要があります。そして、請求されたものが残業として正当なものなのか、金額が適正であるかを検討します。時効の問題もありますが、検討の結果、支払いの必要がある場合、金額に対する理解・納得を得て、支払い方法などを決めていきます。支払いがない場合でも、その後の争いに発展しないよう、話し合うなどで十分な説明等が必要です。

Q10642015年12月14日

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【誠実な対応】

退職者からの未払い残業は、内容証明郵便などで請求されます。その請求を放置してしまうとこじれて、労働組合に駆け込まれる、いきなり労働審判や裁判ということにもなりかねませんので、まずは、誠実な対応をする必要があります。
 労働時間の適正な管理は、企業側にありますので、本人に連絡を取り、対応する旨を伝えるとともに、送られた資料等を精査し、再計算する時間の猶予をもらうことの同意を得、回答の日時をお知らせしましょう。

図1 解決までの流れ

図1 解決までの流れ

【請求内容の確認・再計算】

そもそも、未払い残業を請求されるというのは、意図して残業代を払わない場合は別として、労使双方の解釈の違いや、認識不足から起こります。その点も留意しながら、以下のとおり再計算をします。

1.相手方が提示した残業時間と残業代の再計算

残業代の計算方法は、残業時間(時間外労働時間)×時間単価×割増率 です。

残業時間

残業時間は、タイムカードや出勤簿、残業申出書等から、適正な時間を算出します。このとき留意する点があります。ひとつが残業時間の端数の切り捨て方法です。会社によって、1時間未満、30分未満等の時間を切り捨てているケースがありますが、原則として1分単位で正確に計算することになっています(昭和63.3.14基発第150号)。また、会社から強制されている時間外の教育訓練なども残業時間になります。
 以上のほか、タイムカードで記録された時間内であっても、私用外出の時間や、休日出勤の指示がないにもかかわらず出勤していて、業務をしていないことなどが判明する場合があれば、その証拠や根拠を揃えます。

時間単価

残業代の計算の基礎となる時間単価には、通勤手当、住宅手当、家族手当は含みません。含んで計算されて請求されていないかの確認をします。

割増率

残業の割増率は、時間外労働25%(*a)、休日労働35%、深夜労働25%、時間外+深夜労働50%と法定されています。法定労働時間内の残業、法定外休日労働であれば、通常の時間単価だけの支払いで足ります。ただし、就業規則などで異なる規定になっていれば、割増賃金を支払う必要があります。

(*a)中小企業における月60時間超残業に対する50%割増賃金率の適用が、平成31年4月施行とされています。

2.回答書の作成

以上から、計算された額が請求された額と比較して相違があれば、その根拠と理由をしっかりと明記し、回答書を作成します。このとき、退職者が理解できるよう、また誤解や不信感をもたれないよう、計算の明細書、計算方法、法律や会社の規定などをしっかり添付することが大切です。

【話合い・和解と合意書の取り交わし】

回答書ができましたら、本人との和解に入ります。回答書を郵送したうえで、電話やメールで説明することもできますが、やはり対面で説明するのが望ましいです。反論等も想定できますので、その場で対応することが相手に対し誠意を示すことができますし、会社にとっても時間の無駄を回避することができます。また、その場で対応できないことは、改めて回答することになりますが、その場合でも「誠実な対応」が必要です。
 本人の理解が得られたら、支払いの日時・方法等を取り決め、合意書を作成して取り交します。今後争わないという確約にもなるものです。

【専門家への相談】

残業代の計算には、さまざまな法律上の制約や決まりがあります。また、相手方が相当感情的になっていたり、法律上問題ない回答にもかかわらず理解を得られないような場合は、労働基準監督署や社会保険労務士などの専門家への相談も有効な手段です。

回答者社会保険労務士 吉岡 早苗

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