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Q1003.次世代の発電システムである燃料電池について教えてください。
精密機器の製造販売を行っています。取引先からは、これからは燃料電池が大きく飛躍して次世代の発電システムになるので開発に参加協力してほしいといわれています。燃料電池についてよくわからないので、その特長や課題、留意点について教えてください。

燃料電池は、水素と酸素のもつ化学エネルギーを電気エネルギーに変換し、電気を取り出すものです。特長として(1)高効率、(2)クリーン、(3)豊富な資源、(4)静粛性などが挙げられます。
 今後の普及には、コストや耐久性等の技術的課題に加え、インフラ設備の動向による影響が大きいと思われます。

Q10032016年2月19日

テーマ:製品・技術開発

【燃料電池の概要】

世界的なエネルギー需要増大に伴い、地球温暖化の進展や将来的なエネルギー資源の不足が叫ばれています。そのような中、水や炭化水素などの構成原子として豊富に存在する水素をエネルギー源とする次世代のエネルギーである燃料電池への期待が高まっています。
 燃料電池の原理は、簡単に言えば「水の電気分解」を逆にしたもので、水素と酸素を反応させて電気を取り出すものです。燃料電池という言葉から、使い切りの1次電池(乾電池)や充電して何度でも使える2次電池(リチウムイオン電池、鉛蓄電池など)のような電気を貯めておく装置を連想しがちです。しかし、燃料電池は水素や水素を含んだメタノールなどの燃料を供給することにより、繰り返し利用することができる「発電装置」です。

従来の発電方法(火力発電所)は、燃料を燃やした熱で水を沸騰させ、その蒸気でタービンを回して発電します。つまり、燃料の持つ化学エネルギーを熱エネルギーに変換、さらに運動エネルギーに変換してからようやく電気エネルギーを得ています。そのため、それぞれのエネルギー変換の過程で損失が生じてしまいます。
 一方、燃料電池は、燃料の持つ化学エネルギーから直接電気エネルギーを得るため、損失が非常に少なくてすみます。

図1 従来の発電方法(火力発電)
図2 燃料電池の仕組み(基本的な構造と反応:固体高分子形)

【燃料電池の特長】

1.高効率な発電

発電と同時に発生する排熱も利用すれば、総合エネルギー効率は約80%以上にまで高まります。これは従来の発電方法の2倍近い効率になります。

2.クリーンエネルギー

水素を燃やさずに酸素との化学反応により電気を直接取り出すため、生成されるのは水だけで、二酸化炭素(CO2)や窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)、粒子状物質(PM)などの地球温暖化ガスや、大気汚染物質をほとんど排出しません。

3.豊富な資源

燃料電池で必要になる水素は、LPガス、天然ガス、石油、メタノール、バイオマスガスなどさまざまな原料から得られ、また製鉄所やソーダ工場などから豊富に出てくる副生水素も利用可能なため、資源を安定的に確保することができます。

4.静粛性

主要な構成機器に回転部がないためエンジンやタービンなどと比べ、きわめて低騒音で低振動な発電装置です。そのため、病院や学校など静かさが求められる施設にも容易に設置できます。

【燃料電池の種類】

現在研究されている燃料電池は、大別すると4種類あります。使用する燃料や運転温度、発電の出力規模など、それぞれの特長を活かして利用されていますが、燃料電池自動車向けには、主に固体高分子形の燃料電池が使われています。
 固体高分子形は、電解質に高分子イオン交換膜を使用しています。作動温度は80℃~100℃と低く、小型化しても出力効率が良いのが特長です。家庭用の定置形電源システムや自動車用などへの利用が期待されています。

図2 表1 燃料電池の種類

【今後の課題と展望】

燃料電池の普及にはコスト低減や耐久性向上、エネルギー効率の向上などの技術面での課題に加え、燃料保管・購入・運搬などに係る規制緩和、水素供給インフラの整備などの動向による影響が大きいと思われます。
 京都議定書が発効し、地球温暖化ガス排出削減が義務付けられました。環境面での対策の優先度が高まるとともに、将来のエネルギー安定供給の面からも高効率の発電システムの導入が望まれるなかで、燃料電池の導入は大変有効な手段となります。今後早期普及に向けた取り組みとして、技術的な課題解決への対応と合わせ、国による需要を喚起するための政策がより一層求められています。

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