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Q1002.マイクロ水力発電機を開発するうえでの技術的要点について教えてください。
従業員12名の金属加工業を営んでいます。最近、県主催の自然エネルギー関連協議会に参加し、同協議会でマイクロ水力発電機を開発することになりました。しかし、今回開発予定の流水型マイクロ水力発電についての原理や技術について、いまひとつ理解できていません。そこで開発を行う上での基本的な原理、技術上の留意点などについて教えてください。

流水型マイクロ水力発電は、従来の位置エネルギーが基本となる落差式ではなく、既存水路を利用し流速による運動エネルギーを基本とした発電方法です。流速と発電量を計測し、どれだけのエネルギーを取り出せるかが重要になります。実用化に向けては、設置のしやすさや低コスト、メンテナンスの容易さが求められています。

Q10022016年2月19日

テーマ:製品・技術開発

【農業用水の発電ポテンシャル】

国土に張り巡らされた農業用水路は、総延長で40万km、基幹的な水路延長だけでも約4.5万kmにのぼります。これらの発電ポテンシャルの多くは未使用であり、農家40万世帯分の年間使用電力量に相当する約170万MWhの年間発電量が地域資源として眠っているといわれています。
 これまで農業用水発電に利用する際には、落差利用型の小水力発電で一般に3m以上の落差が必要とされ、また落差を設けるための側水路の建設費、さらに農業用電力利用に限定されることなどが妨げとなり、開発が思うように進みませんでした。
 しかし、最近になって国による水利権の規制緩和や固定価格買取制度(FIT)がスタートし、小水力発電に取り組みやすくなっています。そのため既存水路をそのまま利用し、流速に着目した小水力発電装置の開発および実証実験が各地で活発に行われています。

【水のエネルギーについて】

流水は位置エネルギー、運動エネルギー、圧力エネルギーを持っています。
 流水を作用させる点を基準点とすると、高さh0(m)にある質量m(kg)、重力加速度g(m/s2)の水は、mgh0(J)の位置エネルギーを有しています。
 質量m(kg)、密度ρ(kg/m3)の水が自由落下するとき、ある一点における流水の高さh1(m)、速度(流速)をv1(m/s)、圧力(水圧)をp(Pa)とすると、この流水のエネルギーは、以下の三形態によって表すことができます。
 位置エネルギー:mgh1[J]
 運動エネルギー:1/2mv12[J]
 圧力エネルギー:mp/ρ[J]
 つまり、mgh0 =mgh1+1/2mv12+mp/ρとなります。

そのため一般的に落差式の理論水力Pは流量Q(m3/s)のとき、
 P=mgH=(ρ×Q)×9.8×H[W]≒9.8QH[kW]
と表すことができます。
 *断面積A(m2)の水圧管路を、流速v(m/s)で水が流れたとき、その流量がQ(m3/s)、有効落差H(m)、密度ρ≒1,000(kg/m3)として計算

【流水型水力発電の原理】

流水型水力発電は、位置エネルギーから生み出された流水の運動エネルギーを水車によって機械的な回転力に変換し、その回転力を伝達して増速機や発電機を回転させ電気エネルギーを作り出します。

流水型水力Pは、位置エネルギーがすべて運動エネルギーに変換したとして計算できます。

P=1/2mv2=1/2(ρ×Q)v2=1/2(ρ×A×v)×v2=1/2ρAv3[W]
 P:出力[W]、ρ:水密度[kg/m3]、A:水車の回転断面積[m2]、v:流速[m/s]

水車のパワーは理論上、「水車の回転断面積に比例し、流速の3乗に比例」しますので、流速が2倍強くなるとパワーは8倍になります。
 そのため、水車から取り出せるエネルギーは流速に大きく影響を受けますので、設置場所の選定には注意が必要です。

ここで、深さ1.0(m)、水路幅1.5(m)、流速1.2(m/s)の用水路の水力P[W]はどれくらいなのかを計算してみます。

上述の計算式から導き出せます。
 P=1/2ρAv3=1/2×1,000×(1.0×1.5)×(1.2×1.2×1.2)=1,296[W]
(断面積1.5m2の水路に1秒間に流れる流量の水力)
 これが用水路における流水の発電ポテンシャルになります。

【実用化に向けた課題】

農業用水路をそのまま利用する流水型マイクロ水力発電の設置可能性を検証するためには、計画時に流量・流速・水深等の水路調査を行い、求めている発電量が得られるかが重要になります。そして実用化には、さらなる「発電効率の改善」、「発電コストの低減」、「維持管理の簡素化」などに関する技術的課題を解決する必要があります。

1.発電効率の改善

用水路の幅、深さを最大限生かし設置個所で効率よく発電できることが必要です。

  • 水車ブレードの改良及び比較選定
  • ケーシング(集水板など)の取付け検討
  • 最適な発電機やコントローラの比較選定 など

2.発電コストの低減

発電コストを低減させるためには、以下の点に注意する必要があります。

  • 既存農業用水路を改修する必要がないこと
  • 容易に設置ができること(軽量化・取付方法)
  • 水車の構造・材料を検討して初期導入費用を抑えること など

3.維持管理の簡素化

設置後のメンテナンス作業が容易・簡素化できることが必要です。

  • ごみ等により不具合が発生しにくい簡易構造であること
  • 故障時に簡易な修理が可能な構造であること
  • 撤去の容易さを配慮した構造であること など

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