本文とサイドメニューへジャンプするためのナビゲーションスキップです。

トップページ  >  経営をよくする  >  ビジネスQ&A

特集一覧 中小企業に役立つ記事や施策をトピックスごとにまとめています。

Q0913.多品種少量生産における効率的な生産方法を教えてください。
精密プレス部品を製造していますが、受注の多品種少量化が進み、利益が出づらくなってきています。そこで、多品種少量生産に対応できる効率的な生産方法があったら教えてください。

一口に多品種少量生産といっても、商品によってさまざまな受注パターンが予想されます。精密プレス部品の生産では、プレス機に金型を取り付ける段取りに時間がかかり、すべて受注生産を行っていては、採算が取り難くなっています。ここでは、受注の特徴を受注頻度と受注数量から分析し、それぞれの特徴に合った最適な生産体制を目指す方法を説明します。

Q09132016年2月19日

テーマ:製造・設備

まず、近年の製造業を取り巻く環境をみてみましょう。消費者ニーズの多様化が進んだことで、それに応えるため多様な製品が市場に投入されており、製品の多品種少量化が進んでいます。また、生産体制を効率化させる中で、企業は在庫の削減を進めており、その分、下請け企業に対する発注頻度を高めるとともに、発注一回当たりのロットサイズを縮小しています。
 このように、製品の多品種少量化と受注の多頻度小ロット化が進むことによって、精密プレス部品の生産では、プレス機に金型を取り付ける段取りに時間がかかることから、すべて受注生産を行っていては、コストが掛かり採算を取り難くなっています。一方で、在庫を持つにしても、多品種化が進んでいることから、すべての製品について十分な在庫を持つことが、必ずしも効率的とは言えない状況です。
 このような状況に対して、どのように対応していけば良いでしょうか。その方法について、受注を分析することから説明していきます。

【受注の特徴を分析する】

多品種少量生産では、扱う品種が多種多様であることから、製品によってさまざまな受注パターンが予想されます。ここでは、受注の特徴を受注頻度とロットサイズから分析してみます。

(1)受注頻度による分類

まず、受注頻度に応じて製品を多頻度受注の製品と、少頻度受注の製品に分類していきます。実際には「これまでの実績から平均して月に3回以上受注がある製品は多頻度受注」というように、数値で分類条件を設定します。

(2)ロットサイズによる分類

次に、受注1回あたりのロットサイズに応じて製品を分類します。ロットサイズの大小を判別するために、1回当たりの平均受注金額(=平均ロットサイズ×単価)について基準を設定し、基準を上回れば大ロット、下回れば小ロットというように判別します。

(3)4つの分類

受注頻度とロットサイズにより製品を分類したことで、この2つを組み合わせると、製品ごとの受注パターンを「多頻度大ロット」「多頻度小ロット」「少頻度大ロット」「少頻度小ロット」の4つに分類することができます。

【分類したパターンごとの特徴と適した生産方法】

先ほど行った4つの分類には、一般的にそれぞれ次のような特徴があります。

(1)多頻度大ロットの受注

大ロットであることから、受注生産を行っても段取りコストが回収でき、一回ごとの生産は黒字となります。しかし、多頻度受注により段取り替えの回数が多いことから、生産は非効率です。
 このような製品の受注パターンに対しては、プレス機に余裕があるのであれば、専用ラインを設置することが有効です。またそうではない場合には、在庫を持つことにより対応します。

(2)多頻度小ロットの受注

受注生産で対応した場合、受注のたびに段取りを行う一方で、小ロット生産により1回の段取りコストを回収できない恐れがあり、受注頻度が高いことから赤字がどんどん膨らんでいく可能性があります。また、受注量に対し段取り回数が多く、機械の稼働率を低下させ、生産を非効率化させます。このような製品の受注パターンに対しては、在庫を持つことにより対応します。

(3)少頻度大ロットの受注

前記(1)と同様に、大ロットであることから受注生産による対応でも段取りコストが回収でき、しかも段取り替えの回数も少なくて済むことから生産の効率が高く、収益性も高いエリアです。このような製品の受注パターンに対しては、受注生産により対応します。

(4)少頻度小ロットの受注

受注生産を行った場合、前記(3)と同様に受注のたびに段取りを行う一方で、小ロット生産のため、1回の段取りコストを回収できない恐れがあります。しかし、受注頻度が低いことから、生産や収益に与える影響は低いものと考えられます。このような製品の受注パターンに対しては、受注生産により対応します。

【それぞれの生産方法を効率化する】

それぞれ分類したパターンごとに生産方法を決定したら、次にその各々の生産方法自体の効率化を目指します。

(1)最適な在庫量の検討

在庫を持つことにはいくつかのメリットがある一方で、以下のようなデメリットもあります。

  • 陳腐化や品質劣化によって、製品の価値が低下する
  • 保管スペースを多く必要とする、管理費用が発生する
  • 資金繰りを圧迫する

必要以上に在庫を持つと、上記のようなデメリットが大きくなることから、すべての製品の在庫を持つのではなく、上述した4つの分類にしたがい、在庫を持つことが生産を効率化する上で、役に立つものに限って在庫を持ちます。また、製品ごとの在庫の量についても、無駄な経費の発生を抑制するため、慎重に検討する必要があります。

(2)段取りの効率化

受注生産を行う製品については、工場内のレイアウトの変更や作業方法の改善により、段取時間の短縮を図って生産の効率を高めます。これにより小ロット品の受注生産の採算割れを、少しでも回避できるようにします。

回答者中小企業診断士・一級FP技能士・第三種電気主任技術者 谷口 英人

関連情報

同テーマの記事を見る 3つのコンテンツから検索ができます!

無料相談のお問い合わせ

電話で無料相談
頑張る中小企業「経営相談ホットライン」
TEL:0570-009111

メールでの相談無料
メール相談

このページの先頭へ

このページの先頭へ