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Q0905.資本性(借入金)ローンについて教えてください。
当社は、従業員80名の建設会社です。業績改善に向けて頑張っていますが、金融円滑化法が終了となり、資金調達に不安があります。先日、資本性ローンという制度があることを聞きましたが、メリットやデメリット、留意すべき点などがありましたら、くわしく教えてください。

資本性ローンは、既存の債権を劣後債に転換するのではなく、はじめから劣後している「新規の融資」になります。償還日まで借入金の元本返済がないため、資金繰りの改善には寄与します。金利が業績で変動する点や繰り上げ返済が難しい点など、一般の借入金と異なる部分があるので、留意が必要です。

Q09052016年2月19日

テーマ:資金調達

平成25年4月に日本政策金融公庫は、資本性ローンの取扱い実績が727社となり、過去最高になったと発表しました。その内訳をみると、創業・新事業型が249社で136億円(平均5,460万円)、再生型が405社で270億円(平均6,660万円)、震災関連が73社で61億円(平均8,350万円)となっています。

【DDSと資本性ローンとの違い】

DDSは「Debt Debt Swap」の略称で、金融機関などの債権者が有する既存の債権(貸出金)を、返済順位の低い債券(劣後ローン)に切り替える手法のことをいいます。劣後された債権は、他の債権の返済が終わるまで元本返済が猶予されることになるため、DDSを実行した企業の資金繰りは改善します。
 資本性ローンは、既存の債権を劣後債に転換するのではなく、はじめから劣後している「新規の融資」になります。同じように資金繰りが改善しますが、新規融資による真水の資金が確保できる点で、DDSと違いがあります。

【資本性ローンの種類】

東日本大震災の影響や急激な円高に対応するための施策として、日本政策金融公庫以外にも、各省庁に資本性借入金の制度があります。

表1 関係省庁等における資本制借入金制度

挑戦支援資本強化特例制度(日本政策金融公庫)の資本性ローンの概要は、以下のようになります。
(1)対象者は、「創業・新事業展開・事業再生に取組む中小企業・小規模事業者であって、地域経済の活性化のために、一定の雇用効果(新たな雇用または雇用の維持)が認められる事業、地域社会にとって不可欠な事業、技術力が高い事業などに取組む事業者」
(2)融資額は「国民生活事業2,000万円、中小企業事業3億円」
(3)無担保、無保証
(4)融資期間は、「国民生活事業:7年以上10年以内(条件を満たせば7年以上15年以内)、中小企業事業:5年、7年、10年の期限一括償還」
 融資限度額に関しては、前述しましたが、実績ベースの平均で約6,400万円となっています。また、資本性ローンは運転資金、設備資金として使用することが可能です。

【資本性ローン活用の留意点】

資本性ローン活用には、以下の5点に留意が必要です。
 1点目は、いつまでも資本性ローンを自己資本としてみなすわけではないことに留意してください。資本性ローンは借入金ですが、自己資本とみなすことができると前述しました。しかし、融資期間を通して全額が自己資本としてみなされるわけではありません。融資の残存期間に応じて、自己資本としてみなされる割合が違ってきます。

表2 融資の残存期間に応じて、自己資本としてみなされる割合

2点目として、業績によって資本性ローンの利率が変化することに留意してください。,br>  具体的には、事業が赤字の場合は、下記に例示したように利率がかなり低くなりますが、業績が回復すると利率が高くなるなど、毎年の決算内容に応じて変動します。挑戦支援資本強化特例制度(日本政策金融公庫)の資本性ローンでは、融資後の決算の内容によって次のような利率が適用されます(平成25年4月現在)。

  • 国民生活事業   :8.55%、4.75%、0.90%
  • 中小企業事業(7年):5.65%、4.05%、0.40%

3点目として、業績が回復してきた場合に適用される高い利率を回避するため、繰り上げ返済しようとしても基本的に認められない点に留意してください。そのため、活用の可否に関しては、改善計画などの事業計画を策定し、自社の業績がどのタイミングで回復するのかを予測し、高利率でも大丈夫なのか検討することが重要になります。

4点目として、自己資本としてみなすのは、あくまでも金融検査上である点に留意してください。
 取引している他の金融機関がすべて資本性ローンを自己資本とみなして新たな融資の審査をしてくれるわけではありません。判断は、それぞれの金融機関にまかされています。

5点目として、資本性ローンはあくまでも借入金で、返済が必要な資金であることに留意してください。当面の資金繰りは改善しますが、本質的に財務体質が改善するわけではありません。

いずれにしても資金調達の手段が多様化していますので、自社に合った調達方法をご検討ください。資本性ローンが活用できることより、活用することでいかに業績が改善できるかが重要です。

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