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Q0711.新商品で使用するキャラクターの著作権などについて教えてください。
当社は地方の中小食料品メーカーです。20代から30代の主婦に向けた新商品を開発したので、三大都市圏で販売したいと考えています。当社は地元では有名ですが、三大都市圏ではほとんど無名です。食品売場で主婦に興味を抱かせるため、可愛いイラストのキャラクターを新商品のパッケージに採用しようと考えています。キャラクターの著作権や契約などに関するポイントを教えてください。

イラストのキャラクターは著作物なので、著作権を無視した利用はできません。そのため、著作権者と貴社でキャラクターの利用条件を細かく定めて、双方に誤解が生じないようにしたうえで、契約してください。

Q07112016年3月14日

テーマ:著作権

【キャラクターの著作権】

イラストのキャラクター(以下、キャラクター)は、著作権法第2条第1項第1号(以下、同法)で定められている「著作物」に当たります。そのため、キャラクターの創作者が同法第2条第1項第2号の「著作者」となり、「著作権(財産権)」と「著作者人格権」などの著作権を所有します(法人が権利を持つ「法人著作」の場合もあります)。

1.著作権(財産権)

著作権(財産権)は、著作者の財産的な利益を守るための権利です。他人に譲渡が可能なので、著作者と著作権者が違う場合もあります。契約は契約時点で著作権(財産権)を所有する著作権者と交わす必要があります。

2.著作者人格権

著作者人格権は、著作者の人格的な利益を守ることのできる権利です。他人に譲渡が不可能で、著作者が死ぬまで保持します。そのため、キャラクターの色やサイズを変更するなどの手直しは、創作した著作者から許可を得なければ、原則的に修正できません。

【キャラクターに関して契約前に重要なこと】

著作権(財産権)や著作者人格権を無視して、キャラクターを利用できないため、貴社と著作権者で細かく利用条件を取り決める必要があります。そのためには、先ず貴社でキャラクターをどのように利用するかを明らかにする必要があります。貴社でキャラクターの利用の仕方を綿密に決めていないと、相手の条件に合わせて契約することになります。貴社で明らかにした条件を反映させる契約交渉をすることが大切です。

【キャラクターの契約について】

キャラクターを利用する際の契約は、二つに大別できます。一つ目はキャラクターの利用についての条件を定めて著作権者から了解を得る契約(利用許諾契約)、二つ目は著作権者から著作権(財産権)の譲渡を受ける契約(著作権譲渡契約)です。

利用許諾契約は、すでに創作され存在しているキャラクターを利用する場合に交わされることが多く、著作権譲渡契約は、企業向けのオリジナルキャラクターの創作を依頼する場合に交わされることが多いように思われます。もちろん上記にあてはまらない契約もあります。利用許諾契約と著作権譲渡契約のポイントをいくつか記載します。

1.利用許諾契約

(1)利用許諾の範囲を特定する

商品パッケージ、POP、ホームページほか、貴社がキャラクターを利用する範囲に関して、著作権者から許諾を受ける必要があります。金額が変わらなければ、利用範囲を拡げて契約するのが得策でしょう。

(2)第三者の利用も契約書で明確にする

外部のデザイナーなどの第三者が、チラシのデザイン作成などでキャラクターを利用する場合も、第三者の利用に関する許諾を得る必要があります。

(3)独占的に利用する場合は契約書の規定が必要

キャラクターを独占的に利用する場合は、その旨を契約書で規定する必要があります。規定しない場合は原則、非独占契約になります。

(4)利用料の支払いについて細かく決める

支払金額、支払基準・方法、支払時期などを細かく著作権者と合意することが大事です。支払基準の内容を理解せず契約してしまうと、後々のトラブルのもとになります。

(5)契約期間とキャラクター使用物の後処理を決める

契約期間及び自動契約更新、期間終了など、期間の条件も細かく規定し誤解が生じないようにします。また、契約終了後のキャラクターを使用した商品や、販促物の在庫処理に関する規定を決めておく必要があります。

(6)著作者人格権について規定する

著作者の氏名表示やキャラクターのデザイン修正など、著作人格権に関する事項も著作者または著作者から委任を受けている著作権者と取り決める必要があります。

2.著作権譲渡契約

(1)著作権(財産権)を譲渡する旨を契約書に明記

貴社の依頼でキャラクターを創作し、創作者へ報酬を支払っただけでは、著作権は貴社へ譲渡されません。著作権(財産権)を譲渡する旨を、著作権者と契約する必要があります。

(2)譲渡する著作権(財産権)の範囲を明確に規定

著作権(財産権)は複製権、公衆送信権などの支分権があります。著作権は、一部または全部を譲渡できるため、貴社に譲渡する権利の範囲を規定する必要があります。

(3)二次的著作物に関する権利の譲渡は明記が必要

二次的著作物に関する権利は、契約書で特に明記しないと譲渡側に留保されたままになります。すべての著作権の譲渡を受ける場合は、契約書に「すべての著作権(著作権法第27条及び28条に規定する権利も含む)を譲渡する」と明記します。平面のイラストのキャラクターから、立体物を創作する場合の立体物が、二次的著作物に該当すると思われます。

(4)譲渡金額を決めてから正式発注する

キャラクターの創作を依頼する場合は、創作者が創作を始める前に創作作業の対価と譲渡金額について合意しておきましょう。キャラクター完成後の金額決定は、トラブルのもとです。

(5)著作者人格権について規定する

著作権をすべて譲渡しても、著作者人格権は著作者に残ります。キャラクターの色やサイズを貴社で自由に修正できるようにするには、著作者から「著作者人格権の不行使」に関して合意を得る必要があります。

上記のポイントは、代表的なものです。契約はさらに細かく規定する必要があります。口頭でも当事者の合意があれば契約は成立しますが、契約者間で齟齬が生じやすくトラブルのもとです。契約は後々のことを考え、書面で契約することをお勧めします。場合によっては、著作権に詳しい弁護士などの専門家に相談することも大切です。

回答者中小企業診断士 原田 英明

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