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Q0698.資本政策について教えてください。
5年後に株式上場(IPO)を目指している従業員28名のIT企業を経営しています。先輩経営者から「株式上場には、資本政策が重要だよ」とアドバイスされましたが、まだ良く分かりません。資本政策について分かりやすく教えてください。

資本政策は、貴社の成長に必要な資金調達を具体的にすすめるための財務戦略です。その実現の可否が事業計画実現や株式上場自体を左右するなど、株式上場準備の中でも最重要事項になります。資本政策は、一度実行してしまうと元通りにはなりません。資本政策には「こうすべき」という正解はありませんが、監査法人や証券会社、専門家のアドバイスを参考に、貴社自身が主体的に策定することが望まれます。

Q06982016年3月 9日

テーマ:経営ビジョン・相談

【資本政策の着眼点】

資本政策を立案するうえで欠かせないのが、事業計画の策定です。資本政策は事業計画との整合性が必要になりますから、まず、上場を想定した事業計画や資金計画を策定し、資金調達が必要になる時期やその額を明確にしておきます。
 以下に、資本政策で勘案すべき代表的なポイントをあげます。

1.株主構成

株式上場時には、既存株主による株式の売出や公募増資によって、既存株主の持ち株比率(≒議決権比率)が低下します。そのため、経営権の安定化を図るために、株式上場時の安定株主の議決権比率を確保できる株主構成を実現する資本政策の策定が必要となります。また、上場準備段階でVC(ベンチャーキャピタル)など経営チーム以外の株主からの投資に依存し過ぎると、経営チームの持ち株比率(≒議決権比率)が低下し、経営の重要な意思決定が迅速に行えなくなるなどの弊害が出る可能性があります。

2.創業者利潤

株式市場に上場されると、インサイダー取引に関する規制があるため、創業者が自分で保有する株式を自由に株式市場で売却することが困難になります。そのため、株式上場時が創業者利潤を獲得するための最大のチャンスになります。

3.資金調達

事業計画に基づいて開発資金や設備投資資金、運転資金など「いつ」、「いくら」、「どのような方法で」調達するのかを明確にし、上記1.の株主構成に留意しながら、増資や借入など具体的な調達方法を立案します。

4.インセンティブプラン(刺激策)

役員や従業員のモチベーションの向上策として、ストック・オプションの付与を検討します。ストック・オプションは、役員や従業員の資産形成に寄与しますが、一方で「ストック・オプションの付与数の差がモチベーションを低下させる」、「株式上場後に大金を手にした有能な従業員が会社を辞めてしまう」などの弊害の可能性もあることに留意が必要です。

5.発行株式総数、流動性など

株式を上場する証券取引所によって、形式基準(利益の額、株主数、純資産額、時価総額、流通株式数、発行済株式数、その他)が異なります。そのため、株式上場時点の時価総額や発行株式総数を想定しながら、増資やインセンティブプランを立案する必要があります。

【資本政策で用いられる代表的な手法】

資本政策の策定では、資金調達などのタイミングを勘案しながら、1.資本構成の是正を図る、2.発行株式数の増減を図る、3.必要な資金調達を図る、4.インセンティブプランを導入する、などの目的で以下のような手法を検討します。

表1 資本政策で用いられる代表的な手法

表1 資本政策で用いられる代表的な手法

資本政策は一度実行してしまうと元には戻せないことは先述しました。しかし、事業計画・上場準備計画の修正にしたがって見直しが必要になります。また、上場に向けた増資の場面では「1株をいくらで発行すれば良いのか」などの専門的なアドバイスが求められる局面があります。しかし、後悔のない資本政策を実現していくためには、専門家のアドバイスを参考にしながら、自社主導で立案することが必要であることに留意してください。

回答者中小企業診断士 石井 浩一

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