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Q0627.役員報酬変更時の税務上の留意点を教えてください。
会社の業績が急速に悪化しています。そこで、役員報酬の返上または減額を検討していますが、税務上の留意点を教えてください。

安易に役員報酬の額を変更すると、役員報酬が法人税法上損金算入できなくなるおそれがあり、注意が必要です。業績悪化改定事由に該当する減額は、損金算入が認められています。

Q06272016年3月15日

テーマ:役員・株主

安易に役員報酬の額を変更すると、役員報酬が、法人税法上、損金算入できなくなる恐れがありますので、注意が必要です。
 というのも、法人税法上、次のいずれかに該当するもののみを損金の額に算入することとしているからです。

  1. 定期同額給与
  2. 事前確定届出給与
  3. 一定の利益連動給与

以上のうち、III.については、中小企業の圧倒的多数を占める株式非公開会社では、損金算入の余地がありません。よって説明は割愛します。

以下、I.定期同額給与と、II.事前確定届出給与について説明し、最後に税務上の留意点に言及します。

1.定期同額給与

定期同額給与とは、次に掲げる給与です。

a.その支給時期が1か月以下の一定の期間ごとである給与(以下「定期給与」といいます。)で、その事業年度の各支給時期における支給額が同額であるもの

b.定期給与の額につき、次の給与改定がされた場合において、その事業年度開始から給与改定までの各支給時期における支給額が同額で、かつ、給与改定後その事業年度終了までの各支給時期における支給額が同額であるもの
 i.その事業年度開始から3ヶ月の間にされた改定
 ii.役員の職制上の地位の変更、その役員の職務の内容の重大な変更など(以下「臨時改定事由」といいます。)によりされた改定
 iii.法人の経営状況が著しく悪化したこと、そのほか、これに類する理由(以下「業績悪化改定事由」といいます。)によりされた改定

図1 定期同額給与の例(上記iの例)

図1 定期同額給与の例(上記iの例)

2.事前確定届出給与

事前確定届出給与とは、その役員の職務につき所定の時期に確定額を支給する旨の定め(以下「事前確定届出給与に関する定め」といいます。)に基づいて支給する給与で、一定の届出期限までに税務署にその事前確定届出給与に関する定めの内容に関する届出をしているものをいいます。

その事前確定届出給与に関する定めの内容を変更するためには、臨時改定事由の場合にはその事由が生じた日から1ヶ月以内、業績悪化改定事由(給与の額を減額する場合に限ります。)の場合には、その事由によりその定めの内容の変更に関する株主総会などの決議をした日から1ヶ月以内に、変更の届出を行わなければなりません。

3.業績悪化改定事由

景気の悪化によって役員報酬を減額する場合、上記I.II.の業績悪化改定事由に該当するもののみが損金算入要件を満たすことになります。

この業績悪化改定事由について、国税庁のQ&Aでは、「財務諸表の数値が相当程度悪化したことや倒産の危機に瀕したことだけではなく、経営状況の悪化にともない、第三者である利害関係者(株主、債権者、取引先など)との関係上、役員給与の額を減額せざるを得ない事情が生じていれば、これも含まれる」として、次のような例を示しています。

a.株主との関係上、業績や財務状況の悪化についての役員としての経営上の責任から役員給与の額を減額せざるを得ない場合

b.取引銀行との間で行われる借入金返済のリスケジュールの協議において、役員給与の額を減額せざるを得ない場合

c.業績や財務状況または資金繰りが悪化したため、取引先などの利害関係者からの信用を維持・確保する必要性から、経営状況の改善を図るための計画が策定され、これに役員給与の額の減額が盛り込まれた場合

4.留意点

業績悪化改定事由に該当して役員報酬を減額する場合には、支払った役員報酬の全額が損金となる一方、業績悪化改定事由に該当しないで役員報酬を減額した場合には、役員報酬の損金不算入額が生じ、極端な場合には、会計上は赤字なのに税務上は課税所得が発生することが考えられます。

また、役員報酬の損金不算入・算入にかかわらず、当期は税務上欠損となるような場合、次のようなことが考えられます。

すなわち、業績悪化改定事由に該当し、役員報酬を損金算入できれば翌期以降に欠損金の繰り越し控除の対象となる繰越欠損金の額が大きくなり、その後の事業年度で所得が発生した場合の納税額を圧縮することができます。

損金不算入の場合は、損金不算入となる分だけ繰越欠損金の額が小さくなり、その後の事業年度で所得が発生した場合の納税額が大きくなります。

役員報酬の減額に当たっては、このような税務上の取り扱いに留意する必要があります。

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