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Q0625.法人税の欠損金の繰戻し還付について教えてください。
我が社は前期黒字を計上し、多額の納税を行いましたが、当期は一転大赤字を計上しました。前期に納税した法人税などを取り戻せる制度があると聞きましたが、どのようなものでしょうか。

あなたの会社が中小企業者等(普通法人については期末の資本金が1億円以下)に該当すれば、一定の要件のもと、前期に納税した法人税の全部または一部の還付を請求することができます。

Q06252016年3月10日

テーマ:税務

1.平成21年度税制改正での復活

法人税の欠損金の繰戻し還付制度とは、前期は黒字だった法人が、経営悪化などで当期赤字に陥った場合、前期に納税した法人税の還付を受けることができる制度です。
 この制度は、平成4年4月1日以降に終了する事業年度について適用が停止されていましたが、全世界的な金融不安や景気後退を受け、中小企業の円滑な資金繰りに資するため、平成21年度税制改正において復活しました。

2.制度の概要

中小企業者等の平成21年2月1日から平成28年3月31日までに終了する各事業年度において欠損金額が生じた場合には、この制度の適用が認められます。
 具体的には、青色申告書である確定申告書を提出する事業年度に欠損金額が生じた場合において、その欠損金額をその前事業年度に繰り戻して法人税額の還付を請求できるという制度です。

3.還付金額の計算

次の算式により、計算した金額の還付を請求することができます。
  (算式)
  前期法人税額×(当期欠損金額(注)/前期所得金額)
  (注)前期所得金額を限度とします。

図1 還付金額の計算イメージ

図1 還付金額の計算イメージ

4.適用要件

次の3つの要件をすべて満たす必要があります。

  1. 前期および当期について連続して青色申告書である確定申告書を提出していること。
  2. 当期の青色申告書である確定申告書を、その提出期限までに提出していること。
  3. 上記II.の確定申告書と同時に欠損金の繰戻しによる還付請求書を提出すること。

5.欠損金の繰戻し還付が請求できる中小企業の範囲

中小企業対策として時限的に復活した制度ですので、適用可能な法人は中小企業者等に限られます。
 普通法人については、期末の資本金の額もしくは出資金の額が1億円以下であるもの、または、資本もしくは出資を有しないもの(保険業法に規定する相互会社および外国相互会社をのぞきます。)が、中小企業者等に該当します。ただし、資本金5億円以上の親会社の100%子会社については適用がありません。

その他、次のものが中小企業者等に該当します。

  1. 法人税法に規定する公益法人等または協同組合等
  2. 法人税法以外の法律によって公益法人等とみなされる次の法人
    1. 認可地縁団体
    2. 管理組合法人
    3. 団地管理組合法人
    4. 法人である政党等
    5. 防災街区整備事業組合
    6. 特定非営利活動法人およびマンション建替組合
  3. 人格のない社団等

6.使いきれない欠損金は繰越控除が可能

「3.還付金額の計算」の算式の(注)において、当期欠損金額は、前期所得金額を限度とすると説明しました。では、前期所得金額を超える部分の当期欠損金額はどうなるのでしょうか。
 この超える部分の当期欠損金額については、翌期以降において「欠損金の繰越し控除制度」の適用を受けることができます。

たとえば、当期の欠損金額が700万円の法人の前期の所得金額が、500万円であったとします。この場合、繰戻し還付請求のために使う当期欠損金額は前期所得金額を限度とする500万円となります。そうすると、算式の分数(当期欠損金額(注)/前期所得金額)は1となりますので、前期法人税額の全額を還付請求することができます。
 使いきれなかった欠損金額200万円は、翌期以降9年間(平成29年4月1日以後に開始する事業年度に生じた欠損金額については10年間)にわたり繰越して所得金額から控除することとなります(これが「欠損金の繰越し控除制度」です)。

7.地方税には欠損金の繰戻し還付制度なし

地方税には欠損金の繰戻し還付制度はありません。法人税において欠損金の繰戻し還付を行った場合には次のようになります。

(1)法人事業税

従来通り欠損金額が繰越控除の対象となります。

(2)法人住民税

法人税において欠損金の繰戻しによる還付の適用を受け、法人税額の還付を受けた場合は、当該還付法人税額を限度として計算した金額を、その後9年間における法人住民税の法人税割の課税標準となる法人税額から控除することになります。

回答者税理士・中小企業診断士 野村 幸広

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