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Q0599.マニュアルで表せない技術の伝承方法を教えてください。

当社は金型メーカーで、金型の製造で細かい部分は人手で仕上げています。数年後には定年退職となるベテランが多いのですが、マニュアルなどでは表せないノウハウ、技術が当社の強みでもあります。これを若手に伝える効果的な方法を教えてください。

標準書ではわかりにくい細かい作業を伝える方法として、ビデオによる映像をデジタル化して記憶させる方法が効果的です。一般的にデータ収集、保存、分析、標準化、展開、改善の流れで行い、ビデオ映像を自社の技能伝承だけでなく、関連する国内外企業への展開にも活用できます。


Q05992016年2月19日

テーマ:教育・能力アップ

【ビデオによる技能のデータ化の必要性】

これまでモノづくりの技術を競争力の源泉としてきた我が国の製造業にとって、熟練技能者の定年退職による技術力の低下は大きな課題といえます。とくに中小企業において、「技」として個人に帰属する技能を、データ化して分析し、次の若手に伝えられるようにすることは決してやさしいことではありません。

これまでは自社内において、若手がベテランと同じ作業を一緒に繰り返し行う“訓練”を通じて技能は伝えられてきました。しかし、作業の効率化や人件費の削減によるコストダウンのために、訓練にかかる時間的、経済的余裕がなくなってきているのが現状です。このような課題を解決するために、最近、効果的技能伝承の一つの方法として取り入れられているのが、ビデオによる技能のデータ化です。これは、これまで作業標準のように紙で書かれた技能を、よりわかりやすく、かつ体系的に整理するのに効果的です。

【技能のデータ化の方法】

ビデオによる技能のデータ化は、一般的に次のような流れに沿って行われます。

(1)データ収集→(2)保存→(3)分析→(4)標準化→(5)展開→(6)改善

【(1)~(6)の具体的内容】

以下に、それぞれの作業内容などについてご説明します。

(1)データ収集と(2)保存では、ベテランの作業を何回もビデオで録画し、デジタルデータとして保存します。ここでの注意点は、作業を異なった角度から録画することです。とくに手先の細かい動きは、アップにして複数の角度から録ることで、誰が見てもわかるようにします。

(3)分析では、録画されたベテランの動きを動作分析で細かく分解し、タイプ別に分析します。動作分析は、サーブリック分析により、時間計測とともに行います。この分析をベースに、さらに動作の改善につなげる効果もあります。

(4)次にサーブリック分析を行った各動作を標準化します。とくにベテランの動作だけでなく、若手の動作も併せて見られるようにデジタル化することで、その違いを若手が認識し、自主的改善につなげることができます。自分がイメージした動きと、実際の動きが違うことがわかれば、自分の直すべきポイントを自ら発見できます。

(5)標準化された技能を、自社の教育だけでなく、関連する国内外の企業へビデオマニュアルとして展開することができます。

(6)これが、さらなる全社レベルの品質・生産性の改善につながることになります。また、映像の活用は、技能の伝承、記録という観点だけではなく、習得する側の観点に立った効果、すなわち個人学習による若手のモチベーションアップにもつながります。

【コミュニケーションツールとしての活用】

ビデオによる技能伝承システムは、パッケージとしても販売されていますが、まずはお金をかけないでビデオカメラで録画して、ベテラン技能者と若手がそれを見ながら話し合うコミュニケーションツールとして活用することから始めてみましょう。

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