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Q0543.ムダのない段取り改善の方法について教えてください。
当社では、取引先からの発注ロットの減少および多品種化に伴って、製造ラインでの金型の交換作業が増加して生産効率が低下しています。ムダのない段取り改善とは、どのようなものか教えてください。

段取り改善は、製造業にとって製造コストを低減させるための重要な手法です。段取り改善を成功させるためには、基本ステップを段階的にクリアしていく必要があります。工場の実態を把握して、順序立てた改善を行うことを提案します。

Q05432016年3月 9日

テーマ:製造・設備

近年、多くの工場では、市場ニーズの多様化により、多品種少量化・短納期化に対応した生産体制をとらざるを得ない状況になっています。小ロット生産によって、段取り替えの占める時間が多くなったことにより、生産稼働時間が低下したり、切り替え時に不良品が出て、歩留りが低下するなどの現象が発生します。段取り改善の急所を押さえなければ、知らないうちにコストアップが浸透して、儲からない工場になってしまうのです。

段取り時間とは、「ある製品の加工が終わってから次の製品加工に切り替えてスムーズに生産ができるまでの時間」です。段取り改善とは、製品切り替え回数と機械停止時間を極力減少し、段取り時間を少なくして、機械の稼働時間をアップしようとするものです。段取り改善には、基本的なステップがありますので、以下に示すステップに沿ってアクションを起こしてみてください。

【第1ステップ:段取り時間の現状把握】

まずは現状の段取り時間の現状把握を行いましょう。工場内で作業している人の就業時間内の段取り作業時間の占める時間・作業内容を割り出し、現状を把握します。次に、機械あるいは工程ごとに実際にかかっている段取り時間の調査を行い、機械あるいは工程別の問題点を把握します。この際、ビデオ撮影を行うのもよいと思います。

【第2ステップ:段取り作業の区分わけ】

第1ステップで明らかになった段取り作業内容を分析して、

  1. 外段取り作業(機械を停止しないで機械の外で行う段取り作業)
  2. 内段取り作業(機械を停止して行う段取り作業)
  3. ムダな作業(器具を探したりする作業)

の3つに分けます。

【第3ステップ:お金のかからない改善】

3つに分けた作業それぞれについてのムダ取りを行います。

(1)外段取り作業

現在行っている加工が終了する前までに、金型・治具・材料などを機械の近くに準備しておく。

(2)内段取り作業

1人の作業者で行っている内段取り作業を、複数名の共同作業に変更する。

(3)ムダな作業

金型・治具などを探す作業を排除するため、整理・整頓を徹底する。

図1 段取り替えカイゼンのポイント

図1 段取り替えカイゼンのポイント

【第4ステップ:少しお金と時間がかかる改善】

(1)内段取りの外段取り化

金型の昇温作業など機械に取り付ける前にできることを、あらかじめ行っておく。

(2)内段取りの短縮化

使用する治具などを標準化して、調整作業の時間を短縮する。

(3)外段取りの短縮化

品番ごとに治工具を小箱に入れてセットで管理する。

【第5ステップ:お金と時間がかかる改善】

飛躍的に段取り時間の短縮を図るならば、金型構造・取り付け構造などの改造にお金をかけることが必要です。ただし、この改善を行う場合には経済的メリットを十分考慮してください。
 以上が段取り改善の基本ステップです。段取り改善によってラインの生産性が向上することはもちろんですが、結果的に後工程に好影響を及ぼし、中間在庫の削減などにも効果が表れてきます。ぜひトライしてみてください。

回答者中小企業診断士 高橋 順一

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