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Q0517.分散している株式の買い戻しを考えていますが、注意点はありますか。
事業承継に備え、後継者のための自己株式の集中と納税資金対策として、その株式の買い戻しを考えています。自己株式の取得方法が多様化されたそうですが、どのような点に注意し対処すればよろしいでしょうか。

自己株式取得について、会社法では、あらかじめ譲渡人を指定しない方法が新しく設けられています。また、自己株式の取得の決議が定時株主総会に限定されず、臨時株主総会でも可能になりましたので、いつでも何度でも自己株式の取得が可能になりました。

Q05172016年2月19日

テーマ:事業承継・再生・廃業

事業承継においては、いくつかのポイントがありますが、株式が分散されている場合、後継者の安定的な経営権を確保するための自己株式の取得を考える必要があります。また、自己株式は、後継者が相続により取得した(非上場)自己株式に限って会社に取得してもらう場合(金庫株と言います。)には、相続税の納税資金対策として活用することができます。
 会社法では、この自己株式の取得に関する規制が大幅に緩和され、自己株式の取得方法が多様化されました。

【臨時株主総会による議決】

それまでは、自己株式を取得するには年1回の定時株主総会での決議が必要でしたが、臨時株主総会でも可能になりました。これで、会社はいつでも何度でも自己株式の取得ができます。取得には、以下の方法があります。

1.譲渡人を指定しない方法

会社法では、あらかじめ譲渡人を指定しないで自己株式を取得する方法が、新しく設けられています。
 <手続き>
 株主総会の普通決議により、取締役(取締役会設置会社にあっては取締役会)に授権します。
 <授権決議事項>

  1. 取得する株式の数(種類株式発行会社では、株式の種類および種類ごとの数)
  2. 株式を取得するのと引き換えに交付する金銭などの内容と総額
  3. 株式を取得することができる期間(1年限度)

決議後は、取締役または取締役会の決議により、1株あたりの取得価額、株式の譲渡しの申込みの期日などを定めたうえで、株主に通知します。これにより申し込みのあった株主から自己株式を取得することができます。
<留意点>
市場取引をされていない株式を売ることは、難しいうえに売る機会があっても通常、株式譲渡制限会社になっている場合が多く、その場合には会社の承認なしに売ることはできません。会社が取得するときは、株主全員にそのチャンスを平等に与えることが原則です。したがって、通知は全員にすることになりますが、想定以上に買い取らなければならないことにもなりかねませんので、注意が必要です。

ちなみに、株主への通知は公告をもって代えることができます。

2.あらかじめ指定した特定の譲渡人からの取得

これは、従来からある方法で「相対取引」と言います。あらかじめ会社に株式を譲渡する「譲渡人」を特定しておき、その譲渡人から直接株式を取得する方法です。
 <手続き>
 株主総会の特別決議により、取締役(取締役会設置会社にあっては取締役会)に授権します。
<授権決議事項>

  1. 取得する株式の数(種類株式発行会社では、株式の種類および種類ごとの数)
  2. 株式を取得するのと引き換えに交付する金銭などの内容と総額
  3. 株式を取得することができる期間
  4. 譲渡人となる株主

決議後は、譲渡人を指定しない方法と同様ですが、通知は特定の株主に行います。
 <留意点>
譲渡人をあらかじめ特定して自己株式を取得する場合には、譲渡人以外の株主は自己を譲渡人に加えることを請求できます。

【売渡請求権】

譲渡制限株式も、相続などの一般承継では譲渡承認の対象にならず、ときに会社にとって好ましくない者が、自己株式を取得するという不都合なことがありました。会社法では、そのように会社の譲渡制限株式を取得した者に対し、当該株式を売り渡すよう請求をすることができるようになりました。
<手続き>

  1. 定款に「一般承継により株式を取得した者に対し、会社がその株式の売り渡しを請求することができる。」旨を定めます。
  2. 相続の発生後、株主総会の特別決議に基づき、売り渡し請求をします。相続人などは拒否できません。

<留意点>

  1. 相続などをしった日から1年を経過すると、売り渡し請求はできません。
  2. 売買価格は協議によりますが、折り合いがつかない場合があります。この場合は、売り渡し請求日から20日以内に、裁判所に売買価格決定の申し立てをすることができます。

自己株式は、このように多様化されていますが、会社は株主に金銭などを交付することになるため、不当な額の会社財産の流出を防止し、資本維持の観点から財源規制が課されます。すなわち、株主に交付する金銭などの総額が、剰余金分配可能額を超えるような買い取りはできません(財源規制)。

回答者社会保険労務士・行政書士 吉岡 早苗

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