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Q0514.株式を保有している会社の新株発行を差し止める方法を教えてください。
私はA社の株主ですが、A社が新株を発行すると聞きました。できれば差し止めをしたいのですが、どのような手続きをとればよろしいのでしょうか。また、手続きが間に合わなかった場合は、発行後に無効を訴えることはできるのでしょうか。

会社法では、会社が行う新株発行について、法令もしくは定款に違反する場合や著しく不公正な方法で株式を発行することによって、既存株主が不利益を受けるおそれがある場合、株式発行の事前、事後いずれの場合にも裁判所へ訴えることで、対抗できることを定めています。

Q05142016年2月19日

テーマ:役員・株主

会社法では、会社が行う新株発行について、法令もしくは定款に違反する場合、または、著しく不公正な方法で株式を発行することによって、既存株主が不利益を受けるおそれがある場合、その対抗手段を定めています。

これは、株主総会の決議において新株の発行を決定する場合は別として、新株の発行は取締役会設置会社においては取締役会決議、取締役会非設置会社においては取締役決議によって決議されるため、新株の発行において、取締役会や取締役の権限乱用によって株主に不測の損害を与えてしまうおそれがあるからです。そこで会社法は、株主の利益を保護するために、不公正な新株発行に対する対抗手段としては、表1のような方法を定めています。

表1 不正な新株発行に対する対抗手段

【新株発行前の対抗手段】

新株発行前の時点で、株主が行使できる対抗手段としては、差止請求があります。この差止請求は、

  1. 株式の発行などが法令・定款に違反する場合
  2. 株式の発行などが著しく不公正な方法によって行われる場合

に認められます。この請求は、訴訟を提起せずに行うこともできますが、通常は新株発行差止請求を裁判所に提起することによって行われます。この場合は、発行差止の仮処分を申請することもできます。なお最近の判決では「著しく不公正な方法」か否かは、新株発行の主要な目的が資金調達にあるか否かによって判断すべきとされています。

【新株発行後の対抗手段】

新株発行後の時点で、株主が行使できる対抗手段としては、無効の訴えと不存在確認の訴えがあります。

(1)無効の訴え

無効の訴えは、公開会社に対しては新株発行後6カ月以内、非公開会社(全ての株式が譲渡制限株式である会社)に対しては1年以内ならば行うことができます。この無効の訴えに対して、新株発行無効の判決が確定した場合は、その新株発行はその判決時以降、無効なものとして扱われます。

この場合、新株を発行した会社は、新株発行によって調達した資金を、新株取得のために資金を払い込んだ株主に、返却しなければならなくなります。このときの返却金額は、原則として新株の払い込み価額によって計算すればよいと定められています。ただし、判決が確定したときの会社の財産状況に照らし合わせて、明らかに適当でない場合は、裁判所に申し立てることで、その額を変更することが可能です。

(2)不存在確認の訴え

法定の募集株式の発行等の手続も払込金額の払い込みも全くないまま、募集株式の発行による変更の登記のみが存在するケースのように、募集株式の発行等の実体が存在しない場合に、そのことを公的に確認するためのものです。

以上のように、新株発行の事前手段としては、新株発行の差止請求があり、事後手段としては新株発行無効の訴えおよび新株発行不存在確認の訴えがあります。いずれの方法も、裁判における争点は、新株の発行によって、既存株主がどのような不利益を被るおそれがあるのかということになってきますので、この点を十分に整理しておくことが重要だと言えます。

回答者中小企業診断士 大石 幸紀

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