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Q0510.会社法上の役員賞与の取り扱いについて教えてください。
旧商法と会社法では、役員賞与の取り扱いが変わったと聞きました。具体的にどのような変更があったのでしょうか?また、会計処理の方法も変更になったと聞いています。併せて教えてください。

会社法では、役員賞与は報酬と同様、「職務執行の対価として株式会社から受ける財産上の利益」と明確に定義されました。旧商法では、配当などとともに利益処分案にかかる承認決議をへて支給されるのが一般的でした。会社法に沿った会計処理は費用処理、ただし、税務上は損金不算入です。

Q05102016年2月19日

テーマ:役員・株主

【役員賞与は会社法上の「報酬等」の一部】

旧商法の第269条では、取締役の報酬について、次のような規定がおかれていました。
 「取締役の報酬取締役が受くべき報酬に付ての左に掲ぐる事項は定款に之を定めざりしときは株主総会の決議を以て之を定む(以下略)」
 文語調で読みにくいですが、賞与について明確に規定されていないことは、お分かりいただけると思います。

旧商法においては、理論的には取締役の賞与を第269条の取締役の報酬と考えて支給することも可能でしたが、実務的にはほとんどの場合、利益処分案に係る承認決議(旧商法第283条第1項)によって支給されていました。
 具体的には、配当などとともに利益処分項目として役員賞与を利益処分案に記し、定時株主総会において決算報告書の承認に関する議案を上程し、貸借対照表や損益計算書とともに利益処分案についても承認を得るという手続きにより、役員賞与が支給されていたのです。

一方、取締役の賞与に関する会社法の規定は次のとおりです(第361条第1項)。
 「取締役の報酬等取締役の報酬、賞与そのほかの職務執行の対価として株式会社から受ける財産上の利益(以下、この章において「報酬等」という。)についての次に掲げる事項は、定款に当該事項を定めていないときは、株主総会の決議によって定める。(以下略)」

会社法においては、賞与は「職務執行の対価」と整理され、その支給手続きは報酬とまったく同一のものとなりました。具体的には、利益処分案の一項目としてではなく(そもそも会社法では利益処分案の株主総会決議の規定が削除されました)、報酬や賞与の支給に関する株主総会決議が必要となります。

なお、会社法における「報酬等」の意義は、取締役に限らず、会計参与・監査役についても同一です(会社法第379条、第387条)。

【役員賞与の会計処理】

上述の役員賞与の会社法における規定を受け、企業会計基準委員会は、「役員賞与に関する会計基準」を制定しました。
 ここには、「役員賞与は、発生した会計期間の費用として処理する」と規定されています。
 従来は、利益処分案の承認をへての支給でしたので、「取締役や監査役に対する役員賞与は、利益処分により、未処分利益の減少とする会計処理を行うことが一般的(同基準の「検討の経緯7」より)でした。
 従来の未処分利益の減少とする会計処理では、損益計算書上費用処理されないわけですから、役員賞与に関する会計基準に沿った会計処理では、役員賞与の支払があった場合、従来の会計処理より当期純利益が少なく計上されることとなります。

【法人税法上の取り扱い】

会社法施行前後において、役員賞与が法人税法上損金不算入(法人税法上の損金としない)であることに変わりありません(法人税法第34条)。
 つまり、会計処理の変更により、役員賞与の額だけ損益計算書の当期純利益の額は少なくなることとなりましたが、法人税法上の課税所得は変わらないということです。

回答者税理士・中小企業診断士 野村 幸広

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