本文とサイドメニューへジャンプするためのナビゲーションスキップです。

トップページ  >  経営をよくする  >  ビジネスQ&A

特集一覧 中小企業に役立つ記事や施策をトピックスごとにまとめています。

Q0499.持分会社の社員の責任について教えてください。
持分会社の社員は、株式会社の株主とは異なり、単に出資責任を負うだけではないと聞きました。また、業務執行社員となった場合には、株式会社における取締役と似たような義務と責任を負うと聞きました。具体的には、持分会社の社員はどのような責任を負うことになりますか?

持分会社の社員は、持分会社の債務の弁済について有限または無限の責任を負います。業務執行社員は、株式会社の取締役に類似した競業の禁止、利益相反取引の制限やさまざまな損害賠償責任を負います。

Q04992016年3月17日

テーマ:企業の機関・形態

【持分会社の社員の責任】

持分会社においては、出資者のことを社員と言います。
 持分会社においては、持分会社の財産をもって債務を完済することができない場合または持分会社の財産への強制執行が功を奏さなかった場合には、社員が連帯して持分会社の債務を弁済する責任を負うのが原則です(第580条第1項)。
 ただし、有限責任社員は、その出資の価額を限度として、持分会社の債務を弁済する責任を負うこととされています(第580条第2項)。
 前者のように債務の弁済責任に限度のない社員を有限責任社員に対して、無限責任社員と言います。
 つまり、債務の弁済責任という観点からは、持分会社の有限責任社員は株式会社の株主(有限責任)に近く、無限責任社員は個人事業主に近いということができます。

さて、持分会社には、合名会社、合資会社、合同会社の3種類があります。そして、持分会社の定款には、社員が無限責任社員または有限責任社員のいずれであるかの別を記載しなければならないことになっています。

持分会社のうち、合名会社では社員の全部を無限責任社員としなければなりません。合資会社では、無限責任社員と有限責任社員の混在が認められています。合同会社では、社員の全部を有限責任社員としなければなりません(第576条)。
 なお、合同会社は全員が有限責任社員であることから、次のような債権者保護措置がとられています。

  • 設立登記の時までに出資をする金銭の全額の払込(財産出資の場合は全部の給付)をしなければならないこと(第578条)
  • 債権者が貸借対照表を営業時間内にいつでも閲覧できること(第625条)
  • 資本金の額の減少についての規制(第626条)や、資本金の額の減少について債権者が異議を述べることができること(627条)
  • 配当についての財源規制(第628条)

【業務執行社員の責任】

持分会社の社員は、定款に別段の定めがある場合を除き、持分会社の業務を執行します(第590条第1項)。
 ただし、定款で業務を執行する社員(以下「業務執行社員」と言います)を定めた場合は、業務執行権は業務執行社員のみが有することとなり(第591条)、ほかの社員は持分会社の業務および財産状況に関する調査権を有することとなります(第592条)。
 また、業務執行社員が2人以上いる場合、それぞれが持分会社を代表することとなりますが、業務執行社員の中から特定の者を代表と定めることもできます(第599条)。
 このような持分会社における業務執行社員の責任は、株式会社における取締役の責任に類似しています。
 業務執行社員は、会社に対して善管注意義務・忠実義務を負うほか、次のような義務や責任を負います。

  • 競業の禁止(第594条)
  • 利益相反取引の制限(第595条)
  • 任務を怠った場合の会社に対する損害賠償責任(第596条)
  • 有限責任社員である業務執行社員に悪意または重過失があった場合の第三者に対する損害賠償責任(597条)

また、定款で業務執行社員を定めた場合には、業務執行権を業務執行社員が有することとなることから、持分会社には、株式会社の株主代表訴訟に類似した次のような制度が設けられています。
 その制度とは、社員が持分会社に対して社員(当然業務執行社員を含みます)の責任を追及する訴えの提起を請求した場合において、持分会社がその請求の日から60日以内に訴えを提起しないときは、その請求をした社員がその訴えについて会社を代表することができるというものです。

なお、この制度の不正利用を防止するため、その訴えが当該社員もしくは第三者の不正な利益を図り、または会社に損害を加えることを目的とするものである場合はこの限りではない、という制限が設けられています(第602条)。

回答者税理士・中小企業診断士 野村 幸広

関連情報

同テーマの記事を見る 3つのコンテンツから検索ができます!

無料相談のお問い合わせ

電話で無料相談
頑張る中小企業「経営相談ホットライン」
TEL:0570-009111

メールでの相談無料
メール相談

このページの先頭へ

このページの先頭へ