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Q0496.取締役を1人にした場合の影響と手続きについて教えてください。
新会社法施行前に設立している会社ですが、取締役を1人にしようかと思っております。1人にした場合、経営上どのような影響があるのでしょうか。また、取締役1人の株式会社にする手続を行う場合、どのようなことが必要になるのでしょうか。

簡素な機関設計では、その早い意思決定と低コストがメリットですが、会社の実情に合わない場合には、デメリットもあります。また、対外的な信用や社内の人的組織にも影響を及ぼす場合がありますので、十分留意する必要があります。

Q04962016年2月19日

テーマ:役員・株主

会社法施行前の株式会社では、取締役3人以上、監査役1人以上が必要でした。
 会社法では、それまでの株式会社と有限会社を「株式会社」に統合し、会社経営の機動性・柔軟性を向上させるため、原則として自由な機関設計を認めました。その結果、株式譲渡制限会社である非公開会社では、取締役1人のみで監査役も不要といった最低限の機関設計も選択できるようになりました。

ただし、取締役を1人にしてしまうことは、とても簡素な機関設計ですが、経営上のさまざまな影響があることにも留意しなければなりません。

【取締役を1人にするメリットと留意点】

(1)取締役が1人では、取締役会がありません。すべて1人で決めますので、会社として早い意思決定と柔軟な資源配分が可能になります。しかし、1人取締役であればすべての責任もご自身が負うことになります。また、経営全般のほか企画や営業、人材確保なども1人でこなすことになれば、業務効率は悪くなる可能性があるでしょう。

(2)取締役会を設置しない会社では、たとえば株式の分割など、会社に関する一切の事項の決定権限は株主総会が有することになります。また、業務監査権限をもつ監査役が設置されていない場合には、株主に一定の業務監査の権限が付与されます。そのため、外部の株主がいる場合には、会社運営が行いにくくなることも考えられます。

一方で、株主総会における一定の書類添付が不要であったり、招集手続きが簡素化されていたりするなど、事務処理は軽減されています。

(3)取締役が1人ですべての株式をもっている場合は、会社運営が行いにくいことはありませんが、万が一、取締役に何かあれば、後の経営にも影響しますし、後継者の育成が十分でないための承継問題も残されます。このような場合を想定した事前策としては、補欠取締役(取締役に欠員が生じた場合に、あらかじめ株主総会で選任した補欠取締役を充当することができる、というもの)を選任しておく方法があります。

(4)取締役を1人にするということは、ほかの取締役に退任してもらわなければなりません。次期の任期満了をもって退任してもらうのがよい方法でしょうが、任期を待たずに退任させる場合、本人の了解が得られないときには、解任の手続きが必要になります。

また、役員報酬にかかるコストは軽減できますが、役員の解任となると、定款に定められている場合はその額、または株主総会の議決によって定められた額の役員退職金が必要になるでしょう。場合によっては、解任によって生じた損害の賠償請求を受けるおそれもありますので、その方法やタイミングなどを十分に考えなければなりません。

そのほか、単に取締役から外れるだけであっても、その人の会社に対する士気が下がることのないよう配慮が必要でしょう。

(5)対外的な会社への信用は、取締役会がないよりはある場合の方が高くなります。また、従業員への影響としては、取締役1人の会社ではその社長の個性によって、モチベーションを十分に上げることができない、十分な人材育成が図れないということも考えられます。

株式会社の機関設計については、会社の実情や会社の将来を考慮して、決定することが必要です。取締役1人の株式会社は、株式がその取締役の同族で固められており、経営に口を挟む外部の株主がいない非公開会社であり、会社が将来的にも取締役会の設置や公開会社になることを想定していない会社にはよろしいでしょう。

【取締役1人への変更手続き】

取締役会設置会社から取締役1人の株式会社に変更するには、次の手続きが必要です。

(1)株式譲渡制限規定の設定・承認機関の変更の登記

非公開会社(株式の全部につき譲渡制限のない会社)でない場合は、定款において、株式譲渡制限の規定を設ける必要があります。また、現に譲渡制限会社でも、株式を譲渡により取得する場合「取締役会の承認」を必要としている場合には、取締役会がなくなることから「株主総会の承認」への変更が必要です。

(2)取締役会・監査役会を置かない会社への変更登記

どの株式会社も、定款の「取締役会、監査役会設置会社である旨」を削除します。すなわち、取締役会、監査役会設置の廃止をすることです。この規定の削除には、株主総会において定款変更決議が必要になります。

(3)取締役員数削減に関する定款の変更登記

取締役は1人であることなどの定款の役員の員数に関する規定を変更します。

(4)取締役変更の登記

取締役の辞任・解任の登記をします。解任については、株主総会(臨時総会でもかまいません。)の普通決議が必要です。

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