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Q0495.会社形態(株式会社・合同会社・LLP)ごとの特徴を教えてください。
新たにベンチャー企業として創業を考えております。本などを読んで株式会社・合同会社・LLPの3つの中からどれかを選択するのがよいということまでは分かりした。しかし、選択する基準がよく分かりせんので、教えてください。

将来の拡大の方向性や創業者の人数など、さまざまな条件によりどの形態がよいというのは決まってきますが、一番大事なのは「何をやるか」です。これにより組織形態はおのずと決まります。なお、組織形態はあとで変更することも可能です。

Q04952016年2月19日

テーマ:企業の機関・形態

株式会社・合同会社・LLPの3つの特徴を順番に紹介していきます。

【もっとも一般的な株式会社】

以前は、有限会社=中小企業向け、株式会社=大企業向けというイメージがありましたが、会社法施行後は有限会社が株式会社に吸収されるような形になりましたので、中小企業にも大企業にも向いた形態になったと言えるでしょう。
 ちなみに有限会社は、現在は「特例有限会社」と呼ばれ、株式会社の特例という扱われ方をされています。

数ある会社形態の中、現在もっとも数が多い組織形態で、これから創業するのであれば、もっとも一般的な選択と言えます。特徴ならびに留意点は、次のとおりです。

  • 設立時には、定款の認証を受ける必要がある。
  • 役員は1名で設立が可能
  • 将来の株式上場が可能
  • 法人格がある
  • 権限や利益の配分は、出資額に原則比例する
  • 決算公告義務がある

上記の「権限や利益の配分は、出資額に原則比例する」についてですが、これは出資した割合に応じて株主総会での発言権が与えられたり、配当金を受け取ったりできるという意味で、株式会社の大きな特徴になります。

【ベンチャー向きと言われる合同会社】

合同会社はアメリカのLLCと呼ばれる会社形態を参考にし、会社法施行とともに創設された新たな組織形態です。
 合同会社は、一般的にベンチャー企業に向いた組織形態だと言われています。
 第1に、株式会社よりも組織を簡略化することができるため、意思決定を迅速に行うことが可能であるということがあげられます。
 第2に、自由に権限や利益の配分比率を決められるため、お金を持っている人とお金は持っていないが技術や人脈をもっている人が対等な立場で経営を行うことができるということが可能になる点があげられます。

設立費用が株式会社と比較すると安いのも魅力的です。特徴ならびに留意点は、次のとおりです。

  • 設立時に、定款の認証が不要
  • 役員は1名で設立が可能
  • 株式上場はできない
  • 法人格がある
  • 権限や利益の配分は、出資額に関係なく自由に決められる
  • 決算公告義務はない

【「組合」であるLLP】

LLPは「有限責任事業協同組合」とも言います。名称を見て分かるように、LLPはほかの2つの形態とは異なり組合です。組合の中には、法人格をもっている組合も存在しますが、LLPは法人格をもちません。ただし、契約の主体になることはできます。
 LLPの最大の特徴はなんといっても「パススルー課税」にあります。LLP自体には課税されずに、利益を配分した組合員に課税される仕組みです。
 また、組合員には個人だけでなく、法人もなることができます。個人と法人、あるいは法人と法人とがパートナーシップを組んで事業を行う際に、LLPの形態は真価を発揮します。前者の例ですと、大学教授と大手企業が組むケース、後者の例ですと異業種のいくつかの会社が組んで一つの事業を行うケースなどが考えられます。特徴ならびに留意点は、次のとおりです。

  • 定款は不要、代わりに有限責任事業組合契約書が必要(認証不要)
  • 組合員2名以上が必要
  • 株式上場はできない
  • 法人格はない
  • パススルー課税が認められている
  • 権限や利益の配分は、出資額に関係なく自由に決められる
  • 決算公告義務はない

【会社形態選択のポイント】

(1)創業メンバーの数と状況

創業者が1名ならばLLPはつくれません。2名以上の場合は、出資するお金と、持ち寄る経営上必要な能力(技術・ノウハウ・人脈など)の関係を考慮する必要があります。

(2)将来の拡大志向

創業時から将来の株式上場を目指しているのならば、株式会社を選択すべきでしょう。株式上場を考えずに、規模の拡大をあまり狙っていない場合は、機動力に優れる合同会社・LLPの方がよいケースもあります。

(3)パススルー課税のメリット

パススルー課税のメリットを享受したいのであれば、LLP以外の選択肢はありません。

(4)知名度の問題

現状では、合同会社やLLPは、株式会社に比べ圧倒的に知名度が低いです。この知名度の低さを、第三者からの信用が得にくいと考えるのか、珍しさを活用して話のネタにすると考えるのかは経営者次第です。
 しかし、これは時間が解決する問題です。この点だけを見て、形態を決める必要はないでしょう。

やはり一番重要なのは、「何をしたいか」です。その次にそれを実現する器として会社の形態を考えればよいのです。
 「何をしたいか」が十分に決まっていなければ、どの形態がもっとも適しているかなどわかりようがありません。まずは創業にむけて事業計画書をしっかりとつくることを考えていきましょう。
 また、会社の形態は(さまざまなコストはかかりますが)後で変更することも可能です。合同会社にしたから絶対に株式上場ができなくなるというわけではなく、途中で株式上場を目指すようになったのであれば、そのときに株式会社に移行するという選択肢もあるのです。
 形態が決まらずに創業が遅れるということでは本末転倒です。あまり時間をかけずに決断することも大事なことでしょう。

回答者中小企業診断士 遠藤 康浩

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