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Q0406.POSを活用して生鮮食品の廃棄ロスを減らす方法を教えてください。
スーパーのテナントとして惣菜店を出店しています。店舗のバックルームで加工して、パックで販売しています。最近売れ残りなどで廃棄ロスが多く利益が低下しています。POSなどをうまく活用して、廃棄ロスを減少させる手法はありますか。

とくに生鮮食品などの店舗はロスが大きく業績に影響しますので、ロスに対する意識を高め、ロス削減の対策を行う必要があります。具体的には、ウェザーマーケティングなどの手法の活用や、POSシステムの販売データから値下げの実行や追加加工など、科学的な仕組みを取り入れることで、ロスが削減し利益率は向上するでしょう。

Q04062016年3月17日

テーマ:システム

商品を少なくつくると販売機会ロスの可能性が高く、多くつくると売れ残るなどの実質ロスが高くなります。販売機会ロスと実質ロスは、トレードオフの関係と言えます。これらの内容を考慮しながら、粗利益率を高める取り組みを説明します。

(1)販売機会ロス

販売機会ロスとは、商品が顧客の来店時にあったなら売れたはずなのに、なかったために生じる損失のことです。これを徹底して最小化していかなければ、単に収益上の損失にとどまらず、一度得た顧客のロイヤルティを失うことになりかねません。

(2)実質ロス

実質ロスには、値下げロスと廃棄のロスがあります。

【売上予測】

販売機会ロス、実質ロスを合わせて改善するためには、売上予測の精度向上が大切です。POSシステムの単品データや、イベント(運動会、試験など)、気温などの外部データを合わせて、ある程度の販売数量を予測する必要があります。また、お昼のピーク時の販売量や在庫数で、どれぐらいの数を追加で加工するのかを検討しますが、できるだけデータに基づいて判断する必要があります。

また、店舗スタッフの作業は限られていますが、販売状況に合わせてできるだけこまめに加工、陳列することが望ましいです。

【ウェザーマーケティングの活用】

自然環境要因の中の天候(気温や雨、晴れなど)を、販売数量の拡大(縮小)や在庫面の効率化に活用することで、販売機会ロスや実質ロスを削減することが可能です。天候などの要因も考慮に入れて、販売戦略を検討してください。

※ウェザーマーケティング
 ウェザーマーケティングとは、マーケティング環境の構成要因である自然環境要因の中の天候を基軸としたマーケティングのことです。

【ロスの実態把握】

現場における対応として、現状においてロスがどのようなプロセスで起きているのかを、POSシステムの単品データを基礎として調査する必要があります。表1のように、曜日、時間帯ごとの数値データで把握しましょう。単品データから販売の実態を分析し、精度の高い売上予測と効果的な値下げを行っていく必要があります。

表1 例:3月1日(水) A商品カテゴリーの販売実績推移
  売上 割合 累計
10時 7 3.5% 3.5%
11時 20 10% 13.5%
12時 24 12% 25.5%
13時 17 8.5% 34%
14時 14 7% 41%
15時 13 6.5% 47.5%
16時 16 8% 55.5%
17時 36 18% 73.5%
18時 30 15% 88.5%
19時 15 7.5% 96%
20時 8 4% 100%
合計 200 100%  

※チェックポイント

  1. 何時に品切れになったのか
  2. 何個在庫として残ったのか
  3. 値下げのタイミングと売れ残り数
  4. 値下げの割合と売れ残り数
  5. 何回値下げを行ったのか など

【実質ロスの削減策】

値下げロスは粗利益を低下させますが、廃棄ロスは粗利益をゼロにしてしまいます。できるだけ廃棄ロスをなくすような仕組みづくりが大切です。

販売の仕組みの一つに値下げがあります。生鮮食品ですから、閉店近くになると20%引きや100円引きなど値下げシールを貼り、できるだけ売り切れるように売価変更を行います。そのような売価変更は、売場の店員の経験や勘で行っている場合が多いのですが、科学的データなども加味して行うことにより、ロス削減の精度が向上します。売価変更のポイントには、次のようなものがありますので、参考にしてください。

(1)値下げ商品の特定

すべての商品を一律に値下げする必要はありません。定価のままでも販売可能性が高い商品を値下げして、利益率を下げることのないように留意しましょう。売価を変更しないと売れ残る商品を、過去の単品データの推移と経験から判断する必要があります。

(2)値下げのタイミング

値下げのタイミングを間違えると、売れ残り商品が増加してしまいます。一般的に、生鮮食品のピークはお昼前と夕方(ここで値下げ)の2回になりますが、値下げのタイミングを失敗する1つのケースとしては、夕方のピークが終った後に値下げを行う場合になります。ピークが過ぎてから値下げをした場合には、次のような状況が考えられます。

  1. 店内にいる客数が少ないため、販売数量がさばけない可能性が高いと言えます。
  2. 最後まで商品が残っていると、値引きの幅が大きくなります(例:ピーク前だと20%の値引きですんだものを、ピーク後では50%の値引きが必要となってしまいます)。
(3)値下げ幅の設定

「何%値下げするのか」、「何円値下げするのか」などの値下げ幅の設定も、とても重要になります。過去のPOS単品データからシミュレーションを行い、科学的なデータも資料として作成しておき、販売員の経験と合わせて判断した方が効果的です。

【販売機会ロスのリスク】

実質ロスよりも、販売機会ロスの方がリスクは高いと言えます。販売機会ロスは、単に収益上の損失にとどまらず、一度得た顧客のロイヤルティを失う可能性があります。販売機会ロスのリスクも十分理解しておきましょう。

上記の内容を踏まえて、ロスを削減できる店舗の仕組みを構築してください。きめ細かい店舗政策が利益の向上につながります。

回答者中小企業診断士 沢田 一茂

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