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Q0383.倒産した会社への売上代金を差し押さえることができますか?
私は事務機器の販売をやっています。ある取引先に商品を販売したところ、代金を回収する前に、その取引先のA社が倒産してしまいました。私の売った商品は、さらに別のB社に転売されており、その代金がまだA社に支払われていないことまで分かりました。なんとか、B社がA社に支払う代金を差し押さえることはできないでしょうか?

製品を販売した取引先が倒産し、その売掛金が回収できていなかった場合、その製品が第三者に転売されていて、倒産した取引先の転売先に対する代金債権が残っている場合には、その代金債権を差し押さえ、転売先からの回収を図ることができます。

Q03832016年3月 8日

テーマ:契約・取引

通常、取引を行う相手方の与信状態については事前に調査されており、場合によっては担保を取るなどすることが、取引安全のためには求められます。しかし、必ずしも取引先の与信状態を常に調べることはできませんし、担保を取ることが難しいことも多いと思います。

担保を取っておらず、相殺できるような債権のない取引先が万一倒産してしまい、自社に売掛金が残っていた場合の対応について、ご説明します。

通常、取引先が倒産し、結果として破産してしまうと、自社は破産した取引先の債務総額に占める自己の債権額の割合に応じて、残っている取引先の総財産から弁済を受けることになります。この割合は非常に低いことが多く、事実上債権の回収は困難になってしまいます。

しかし、もし製品を販売した取引先が倒産した場合であっても、まだ製品を取引先が保有していた場合は、少し違った債権の回収が期待できます。それは、取引先に販売した製品について、先取特権(さきどりとっけん)という権利が発生するからです。この先取特権に基づいて、裁判所の許可を得るなどすれば、倒産した取引先の管理下にある製品を競売にかけ、その代金からほかの債権者に優先して、自社の債権を回収することができます。

ご質問のケースのように、取引先が製品を転売していた場合には、取引先が製品を転売した時点で、上述の先取特権は消滅しています。しかし、もし転売先がまだその製品の代金を支払っていなければ、転売先の買掛金(つまり製品を販売した取引先のもつ代金債権)について、先取特権を行使することができます(このことを、法律用語で「物上代位」と言います。)。

このような方法が取れれば、ほかの債権者に優先して代金を回収することができます。ただし、この方法を取るためには、たとえば転売先が倒産した取引先に代金を支払ってしまうと物上代位ができなくなってしまうため、転売先の協力が不可欠となります。もし、この方法を取るのであれば、迅速な対応と転売先に対する誠意ある説明が大切になりますので、自社が債権回収に慣れていない場合には、早期に弁護士に相談するとよいでしょう。

図1 先取特権で製品の代金が回収できるケース

図1 先取特権で製品の代金が回収できるケース

しかし、この物上代位の仕組みにおいては、「債権譲渡」が大きな壁となります。取引先がこの製品にかかる代金債権を譲渡されてしまうと、転売先に対する代金債権が倒産した取引先からなくなってしまい、その結果、物上代位を利用できなくなってしまうのです。最近の判例でも、債権譲渡が行われていると、優先して債権回収することができないと判断しています。

したがって、万一、取引先が倒産したような場合には、このような債権回収の仕組みがあることを念頭に置きつつ、いち早く現状を調査し、実態を把握するとともに、その時点で打てる手立てについて、弁護士に相談することをお勧めします。

回答者中小企業診断士 竹村 考太

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