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Q0325.売上減少の根本的な原因を見つける方法を教えてください。
印刷業をしています。売上減少の現状を打開するため、新規事業部を立ち上げて、社長(長男)を先頭に当社の抱える問題点の検討から始めています。ところが、問題点が多すぎるのか、どこから手を付けてよいか分からないようで、逆に脱力感が漂い始め、社員の士気が下がってきました。根本的な問題点を発見し、具体的な解決方法を得るためには、どのようにすればよいのでしょうか。

問題点を論理的に把握・整理するために、「現状問題構造ツリー」を活用し、中核問題を探しあてたら、可能な範囲で経営革新を試みましょう。問題解決に新分野進出が不可欠なのであれば、内外環境を分析したうえで、前向きに取り組みましょう。

Q03252016年3月 9日

テーマ:市場分析

いまが一番苦しいときですね。

貴社ではすでに、新規事業部を立ち上げておられるので、おそらく現在の印刷事業自体に構造的な問題があるとお考えなのだと思いますが、はじめに結論ありきで検討をなさっていることも、問題が混乱する一つの要因かもしれません。

【根本問題を探り出す】

問題点を論理的に把握・整理するためには、「現状問題構造ツリー」を活用しましょう。まず、何人かのメンバーで貴社が抱える問題を思いつくままにどんどん列挙していきます。なるべく短い文章で、客観的事実を記述するようにしましょう。文章が長いとその中に原因と結果が混在する可能性があるからです。

次に、これらの問題を、一つずつ、原因とその結果になるものに整理していきます。たとえば、「チラシ広告受注が落ちている」という現象面の問題は、「A社への売上が減少している」という別の問題が原因で、「A業界は最近ネット広告を多用している」という問題がさらにその原因などというように、「根本問題」を探していくのです。

そして、多くの現象面の問題を一度に解決する根本的な「根本問題」を「中核問題」と呼ぶことにすると、これを頂上に諸問題の「ツリー」ができあがります。この「中核問題」こそが、解決すべき事柄だということになります。

この方法は、TOC(Theory of Constraints:制約条件理論)と呼ばれる経営理論の一部です。このようにして「中核問題」の所在が明確になったとしたら、まずは、社内の経営革新によってその問題を解決する方法がないかを検討し、実行可能な施策を実施しましょう。

この際に、ヒントとなるのは、従業員から会社の将来像にまで踏み込んだ提案や、少なくとも日常業務の改善に関わる提案がなされる企業は、経営革新に成功している率が高いという事実です。社内コミュニケーションを活発にして、組織の風通しをよくしましょう。

一般的に、経営革新を成功させた企業は、そのアイデアを顧客の要望、市場の動向、競合他社の動向、内外の研究成果などから得られているようです。必ずしも社長の独創的なアイデアが成功の秘訣というわけでもないのです。

仮に、どうしても新規事業の立ち上げが不可欠だという結論が出たら、次の課題は、その新しい事業をどのようにして探すかということです。

【問題解決の方向性を探る】

課題解決の方向性を探すときには、何かの切り口に沿って、「モレなくダブらず」(これをMECE『ミッシー』"Mutually Exclusive collectively Exhaustive")と言います)列挙してみることが基本です。

たとえば、新分野進出は、既存事業の貴社の強みを活かせる分野か、成長しているか成長が見込める分野かのいずれかが一般的ですので、これを手がかりに考えます。これも強みが活かせる・活かせないという切り口と、市場が成長している・していないという切り口ですので、課題の整理に役立つのです。

自社の内部環境を競争優位部分(強み)と劣位部分(弱み)に分けて、市場の外部環境を成長への追い風(機会)と向かい風(脅威)に分けてみましょう。

ちなみに、この強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)を切り口に内外環境を分析してみる手法をSWOT分析と呼びます。

表1 SWOT分析による戦略策定

表1 SWOT分析による戦略策定

理想的には、貴社の強みが活かせてかつ成長している分野に進出すべきですが、往々にして「強み」には思い入れがありがちです。必要以上に貴社のこれまでの成功体験に引きずられて判断が偏ることのないようにしましょう。

新しい事業展開をするときの重要なポイントは、過去から引き継ぐべき技術やノウハウと、引き継ぐことを断念するものとを明確に区別することです。上記の切り口で分析した結果をもとに、引き継ぐ-引き継がないという別の角度で方向性を整理し、必要な場合は勇気をもって過去の実績と決別しましょう。

新分野進出や事業転換にあたっては、当然失敗するリスクを十分に検討しておくべきですが、失敗をおそれないことも大切です。成長のためには「変わらない」ことにより、衰退するリスクも考えましょう。新しいことに前向きに取り組むことは、企業の成長にとって必要な行動なのです。

なお、国の中小企業支援策としては、従来からあった支援3法(注1)平成17年から統合されて「中小企業新事業活動促進法」となりました。いずれも中小企業の経営革新、新分野進出・多角化や事業転換を支援しています。必要に応じて相談してください。

(注1)「中小企業経営革新支援法」、「中小企業の創造的事業活動の促進に関する臨時措置法」、「新事業創出促進法」の3法

回答者中小企業診断士 岩佐 大

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