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Q0322.自社の市場に大企業が進出してきました。対抗策について教えてください。
郊外都市で工務店を営んでいます(従業者数5人、創業30年)。10年前から、リフォーム事業を行い、順調に推移しています。しかし、ニッチな分野にも大手資本が参入してきて、受注が減少しています。対抗策を教えてください。

「ニッチャー」としてのスタンスを掘り下げ、大企業が体制上できない分野・苦手としている分野に特化して、よりお客さまが求める細かいサービスをしていくことです。

Q03222016年3月14日

テーマ:市場分析

まずは、競争地位別戦略について説明します(表1)。

表1 競争地位別戦略
  戦略課題 基本戦略課題 戦略ドメイン 戦略ドメイン
リーダー シェア
利潤
名声
全方位型
オーソドックス
経営理念
顧客理念中心
周辺需要拡大
同質化
非価格対応
最適市場シェア
チャレンジャー シェア 対リーダー差別化
非オーソドックス
顧客機能と独自能力の絞り込み リーダーができないこと
フォロワー 利潤 模倣 通俗的理念 リーダー・チャレンジャー政策の観察と迅速な模倣
ニッチャー 利潤
名声
製品・市場の特定化(集中化) 顧客機能
独自能力
対象市場の絞り込み
特定市場内でのミニ・リーダー戦略

出典:「戦略的マーケティングの論理」(嶋口充輝著 誠文堂新光社)を一部修正

表1に示すように、大企業はシェアの高い分野で「リーダー」としての戦略をとっていました。それに対して、貴社のような地域に根ざした企業は「ニッチャー」として、市場の「隙間」ともいうべき特殊な市場の中で、自社の圧倒的な地位を築こうとしてきました。

ニッチャー企業の市場目標は、市場シェアを獲得することではありません。ほかの競争地位類型の企業とは直接的に競合しないという、棲み分けの思想をもって、集中化戦略を策定してきました。

しかし、昨今の顧客の需要の多様化・市場細分化によって、「リーダー」である大企業が全方位型の需要拡大が難しくなってきました。売上高を維持するために、大企業もなりふり構わず「ニッチ」な市場に下りてきたというわけです。

特定市場内でのミニ・リーダーとして君臨していた中小企業の牙城が切り崩されてきています。手をこまねいているだけでは、コスト優位性や資本の集中投下で、あっという間に駆逐されてしまいます。対抗策としては、大企業の「ニッチ戦略」をよく見極めることです。

大方は、「ニッチャー企業」の「フォロワー」でしかないと思います。簡単に言えば、模倣です。表面的な商品などは真似ができるでしょう。しかし、効率を重視する大企業ではできないことが多々あります。

リフォーム業界であれば、大手住宅産業のノウハウで、住宅設備機器の販売・設置などでは価格面で優位性があると思われます。また、販促面でキレイなパンフレットや、建築士やデザイナーなどの人材面でも優位でしょう。でも、全国一律画一的な商品・サービスである場合が多いのです。

大企業は、「売る」ことは得意です。でも、保守・継続的サービスは一般的に苦手です。それは異動・転勤が多く、事業自体のスクラップアンドビルドも激しいからです。

貴社の取り組みとしては、「ニッチャー」としてのスタンスを掘り下げることです。大企業が苦手としている分野に特化して、「売る」ではなく、継続的なサービスをしていくことです。お客さまのちょっと痒いところに手が届くサービスを、心がけてみてはいかがでしょうか。

具体的な方策としては、

  1. 地域に根ざした工務店として、家屋の無料点検などを行い常に近所とのコンタクトを保つ
  2. たとえば台風の後などにおける周辺住民へのお見舞いを兼ねた声掛けと簡単な作業であれば即時修理などへの対応
  3. 最近増加傾向にあるリフォーム需要を考え、わかりやすいメニュー表を作成し、価格も全体がわかるよう明示する

など、いろいろと工夫すると良いですね。

回答者中小企業診断士 浅野 正

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