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Q0313.自社ブランドを構築する際の留意点について教えてください。

現在は大手企業の下請けとして煎餅を製造販売しています。今後は自社ブランドを構築して、高付加価値商品での商品戦略に転換していきたいと思っています。ブランドを構築・維持するための留意点などあれば教えてください。

ブランドを確立するには、自社の経営資源を分析して検討する必要があります。ブランドを構築・維持するためには、製品、価格、流通、プロモーションの4要素の整合性をとり、ブランドロイヤルティを高める必要があります。また、企業の成長戦略のために、多角的にブランドを活用していく必要があります。


Q03132016年2月19日

テーマ:デザイン・ブランド

価格競争が難しい中小企業にとっては、製品の付加価値を高めるブランド戦略が重要な戦略となります。自社製品のブランド力を高めることにより、販売促進のコストの削減や高い利益率が達成できます。ブランドを構築して、戦略的に活用するにはどのような点に留意する必要があるのかを説明します。

【ブランドとは】

ブランドとは、競争相手の製品などと識別化または差別化するための、企業が独自に使用する名称やマークのことです。ブランドを構築することによって、「高い利益率の確保」、「販売促進の効率化」「成長戦略の可能性拡大」など、さまざまなメリットが考えられます。

【ブランドの必要性】

企業の競争優位としては、技術力や営業力、生産力などさまざまな要素がありますが、近年では「ブランド」により競争力を高めることが重要となっています。多くの商品が市場に溢れている現在では、消費者が商品を購買するときに失敗したくないという心理が大きく働き、ブランドが確立している商品を選択するため、企業としても競争優位を高めるためにブランドを確立する必要性があるでしょう。

【ブランドの役割】

ブランドにもたせている役割には次のようなものがありますが、知名度の向上などにとどまらず、「ブランド価値の向上」に取り組んでいく必要があります。

  1. 他社の商品と分かりやすく選別させる。
  2. 企業または商品の知名度を上げる。
  3. 企業または商品のイメージをあげる。
  4. 顧客に自社の企業理念・目標などを伝える。

【ブランドの確立】

ブランドを確立する際には、自社の経営資源などを分析する必要があります。どの商品をブランド化するのがよいのか、質の高い製品を開発するのに技術は十分なのか、外部企業の協力は必要なのかなど、多面的に検討していく必要があります。また、顧客のニーズや競合製品なども併せて調査してブランド化を行ってください。

【マーケティングミックスの整合性】

ブランドを維持するためには、マーケティングミックスの整合性に留意する必要があります。マーケティングミックスとは、製品(Product)、価格(Price)、流通チャネル(Place)、プロモーション(Promotion)という4つの要素の組み合わせのことです。これらの4つの要素に整合性がとれていないと、顧客に対するブランド価値が低下する場合があります。

たとえば、ブランドが浸透している自社製品(煎餅)を売上目標達成のために、低価格販売などの価格設定を行う。また、通信販売や直営店、百貨店などの流通チャネルを活用していたのを、販売量を増加させるためにスーパーやディスカウントストアなどの流通チャネルに流してしまうなどのマーケティングの変更は、せっかく構築したブランドロイヤルティの崩壊につながりかねません。

経営者は、ブランドを維持・高めるために継続的に「マーケティングミックスの整合性」をチェックする必要があります。

※ ブランドロイヤルティ
 ある特定ブランドに対する消費者の忠誠心であり、ある特定ブランドに強い愛顧をもち、そのブランドに執着している状態のことをいいます。

【ブランドの活用】

自社のブランドが市場で確立されれば、企業の成長のために確立されたブランドを戦略的に活用することが可能となります。マーケティングの研究者である、コトラーのブランド戦略を説明いたします(表1)。

表1 ブランド戦略
  製品カテゴリー
既存製品 新製品
ブランド名 既存のブランド名 (1)ライン拡張 (3)ブランド拡張
新たなブランド名 (2)マルチブランド (4)新ブランド

出典:「マーケティング原理 第9版」Fコトラー ダイヤモンド社

(1)ライン拡張

ライン拡張とは、すでに成功したブランド名を使い、製品ラインを広げることです。たとえば7種類の新たな風味の煎餅や、無添加の素材を使用した煎餅、ビックサイズの煎餅など新商品を導入する(製品ラインを広げる)などにあたります。ただし、自社の製品同士の共食い(売上を取り合う)現象が起きるリスクがあることも理解してください。

(2)マルチブランド

マルチブランドとは、同一カテゴリーで、新たにブランドを導入することです。たとえば、一般の煎餅市場で、「太郎」、「二郎」など複数のブランドを導入するなどにあたります。ライン拡張同様に、自社の製品同士の共食い現象が起きるリスクがあります。

(3)ブランド拡張

ブランド拡張とは、すでに成功したブランド名を使って新製品や改良製品を新しいカテゴリーに投入することです。たとえば、自社のブランド力をもとに、クッキーやチョコレートなど新たなカテゴリーにブランドを増やすことなどにあたります。ただし、新たなカテゴリーでブランドの信頼性が低下した場合には、既存のブランドに悪影響を及ぼす可能性がありますので、注意が必要です。

(4)新ブランド

新ブランドは、新たなブランド名を新たな製品カテゴリーに導入することです。たとえば一般販売用の既存製品カテゴリーには「むらさき」というブランドを付けているが、贈答用の製品カテゴリーには「さくら」というブランドを付けている場合などにあたります。マルチブランドにも言えますが、この戦略は自社の経営資源が分散してしまうことも留意してください。

コスト競争が難しい中小企業の場合には、商品やサービスに付加価値を付けて競争する必要があります。そのような事業特性では、ブランドの活用がとても重要になります。

回答者中小企業診断士 沢田 一茂

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