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Q0272.不動在庫(停滞在庫)について、その対処方法、回避策について教えてください。
あるメーカーの経営管理担当者です。商品の生産数量は、需要動向も勘案しながら決定しているのですが、売れ残りもあり、倉庫や営業拠点などの現場では不動在庫も多く発生しているようです。それらの在庫についてどのように対処したらよいか、またその回避策について教えてください。

まず現状を把握し、通常在庫と不動在庫を区分します。不動化の懸念がある在庫は1ヵ所に集約して、管理します。換金の見込みがない在庫は、いずれは廃棄処分することになりますが、期間を区切って段階的に減らしていくルールをつくり、ルールに従って処分します。不動在庫の回避策としては、生産数量・仕入数量を柔軟に修正できる仕組みをつくること、棚卸の頻度を高めて、現場レベルでの商品管理を徹底すること、などがあげられます。

Q02722016年3月 4日

テーマ:仕入・在庫

【対応策】

1.現状把握(棚卸の実施)

対策としては、まず現在の在庫状況を詳細に把握することから始める必要があります。そのためには、「棚卸」の実施が基本になります。

棚卸作業では、帳簿上の在庫と現場の在庫を対照させて、商品情報と数量とが合っているか確認しますが、不動在庫を把握する観点では、過去の出荷実績とも対照します。

たとえば、直近の最終出荷から半年間経過している商品など、ある一定期間出荷がなく、動きが止まりつつある商品は、シールを貼るなど何らかの印を付けて分かるようにしておきます。

さらに、次の回の棚卸でも依然として出荷がない商品は、別の色のシールを貼るなどして、区別しておきます。まだ販売を中止したわけではなく、今後も受注が入る可能性はあるにしても、これらの在庫が不動在庫となる可能性が高いことは、認識しておく必要があります。

2.在庫の集約

企業によっては、複数の倉庫に在庫を保管しているケース、あるいは貴社のように、倉庫以外の営業拠点や販社などにも在庫をもっているケースがあるでしょう。

あまり動かなくなった商品の在庫が、複数の拠点に分散していると、企業全体として在庫の保管効率が低下することになり、また在庫管理の面では、そのような在庫の実態が見えにくくなり、各拠点の在庫が気づかぬうちにそのまま不動化してしまう恐れがあります。

したがって、棚卸の実施によって不動化の懸念が判明した在庫は、各拠点から引き上げて、なるべく1ヵ所に集めて管理するようにします。代わりに、もっと売れ筋の商品を各拠点に配置したほうが、営業政策上も望ましいはずです。

集約した在庫は、そのまま売れ残ることがもっとも望ましくない結果であり、まずは何とかして換金できないか、その可能性について検討します。価格を引き下げる、異なる販売チャネルで流通させる、など何らかの対策を検討して、少しでも換金の見込みがあり、かつほかの商品の販売にあまり影響が出ないようであれば、その対策を実施します。

3.在庫処分ルールの作成

種々の対策の結果、やはり換金できない在庫は、いずれ廃棄処分することになります。しかし、在庫はなかなか廃棄しにくいものであり、いつまでも残ってしまうことになりがちです。

そのため、期間を区切って段階的に在庫を減らしてゆき、最終的にはゼロにする、といった在庫処分のルールをつくります。

たとえば、1年間出荷がなければ在庫は5個まで減らして、それ以上の数量は廃棄します。次の1年間に出荷がなければ、さらに3個を廃棄して残りは2個とします。さらにもう1年出荷がなければ、その2個も廃棄します。つまり最大3年間は、出荷がなくても最低限の在庫はもつが、その期間をすぎれば、すべて廃棄するというルールです。このルールに従って、定期的な在庫処分を進めていきます。

当然ながら、企業によっても商品によっても、この設定期間や残存在庫数の基準は異なるでしょう。また廃棄するにしても、経理上は、廃棄による損失が発生して利益を押し下げてしまうことになるので、廃棄の規模とその年度の業績によっては、決めたルールに従うのではなく、経営トップが直接判断することが、必要な場合もあるでしょう。

いずれにせよ、通常在庫と不動在庫を区分する基準と、段階的な廃棄の基準を設け、そして「思い切って」在庫処分を行うことが重要です。

【不動在庫の回避】

1.生産数量・仕入数量の柔軟な見直し

不動在庫が発生する理由として、外部要因では、商品ライフサイクルの短縮化、他社商品との競争などがあるでしょう。内部要因では、需要動向の見誤り、過大な販売計画と過大な生産、短期間でのモデルチェンジなどもあるでしょう。また、在庫責任をもたない営業部門が、売れ残り時の損失をあまり気にせず、営業政策上、在庫を多く抱えてしまうといったケースもよくあります。

回避策としては、商品単位で、可能な限り最新の需要動向・販売実績の情報を入手できる仕組みをつくります。そして、現在の在庫水準が余剰傾向にあるか、不足傾向にあるかを把握します。仮に余剰傾向にあれば、生産部門や購買部門が、迅速かつ柔軟に、生産数量や仕入数量を抑制し、将来売れ残ってしまう可能性のある在庫の増加を防ぎます。

ただし、商品アイテム数が多い場合は、すべての商品でこのような対応を採ることは難しいため、自社の主力商品や新商品、需要変動の大きな商品など、対象品目を絞り込む必要があります。

そうはいっても、当初計画した生産数量・仕入数量を下方に抑制することは勇気のいる判断です。そのため、在庫責任を負う部門を社内で明確化し、その部門が責任をもって判断するような体制とすることが重要です。場合によっては、経営トップの判断・指示が必要になります。

2.現場レベルでの商品管理の徹底

倉庫ではもちろん、少量の在庫をもつ営業拠点や店舗など、現場レベルでの商品管理を徹底します。仕入や売上の状況を常に把握しつつ、棚卸の実施頻度も増やします。仮に売上の減少傾向や在庫の停滞傾向がわかれば、生産・仕入の責任部門に逐次報告するといったルールをつくり、上記のアクションにつなげます。

これもすべての商品について対応することが困難な場合は、対象品目を絞り込みます。バックヤードをもつ店舗では、管理を怠るとバックヤードの在庫が不動化して埋もれてしまうことにもなりかねないので、店内と合わせて、整理・整頓と在庫の正確な把握に努めます。

図1 生産計画のイメージ図

図1 生産計画のイメージ図

在庫のもち方は、その企業の全社的な在庫保有方針や営業方針などにも左右されるものであり、減らすことが一概によいとは言えません。しかし、いずれであっても、生産・仕入の数量を柔軟に見直せる仕組みと現場レベルでの商品管理の徹底は、共通して取り組むべき方策であると言えます。

回答者中小企業診断士 大塚 真太郎

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