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Q0271.いつの間にか気がついたら在庫が増えてしまっていることがあるのですが、何が原因なのでしょうか?どのような対応策がありますか?
弊社は消費財のメーカーで、別の販売会社に製品を供給しています。販売会社は地域の小売店に卸し、消費者は小売店で商品を購入します。弊社の商売は順調で、しっかり在庫管理もしているつもりなのですが、気がつくと在庫が増えていて、滞留在庫となったり期末に廃棄せざるを得なくなったりする商品もあります。在庫が増えてしまう理由として、どのような要因があるのでしょうか?また、どのような対応策がありますか?

意図せずに在庫が増えてしまう要因としては、販売会社の在庫数量が把握できていないこと、情報不足に由来する不安心理が増幅することなどがあります。対応策としては、販売実績や在庫情報を共有して、必要以上の生産や仕入を抑制する仕組みをつくること、発注方法や生産計画立案の方法を確立することがあげられます。

Q02712016年2月19日

テーマ:仕入・在庫

【在庫が増える要因】

しっかり管理しているつもりでも、いつの間にか在庫が溜まってしまうといった事態が起こる要因としては、下記の要因が考えられます。

(1)販売会社の在庫数量の未把握

自社の倉庫にある在庫は、倉庫に行けば、あるいは帳簿を見ればすぐに分かります。しかし、一度出荷した商品も、最終顧客に販売されるまでは小売店の店頭や倉庫、販売会社の倉庫に残っています。これは、メーカーである自社から見るとすでに出荷済みで売上が立っているものですが、小売店から見ると実はまだ売れていない「在庫」です。このような在庫を合わせたトータル在庫数量を把握していないと、自社倉庫の在庫が減っただけで新たに生産、または仕入れを行ってしまい、結果的に必要以上の在庫保有につながってしまいます。

(2)情報不足に由来する不安心理の増幅

もう1つの原因は、不安心理の増幅です。例をあげると、ある商品が小売店で1日に10個売れたとします。店長は、「次にまた顧客が買いにきたときに商品がなかったら困る。在庫をもっていれば安心だ」と判断すると、次に同じ商品が売れるかどうかの確信はないものの、仕入先に、多めに15個発注します。販売会社はこの注文を受けて、15個売れたと思い込み、やはり「在庫がないと不安」ということで、メーカーには多めに20個発注します。同様に、メーカーの製造部門では、多めに生産計画を立てて購買部門に提示し、購買部門は仕入先に多めに部品発注をします。このような連鎖で、本来10個しかない実売上が、途中の意思決定者の不安心理により、数倍もの部品原材料在庫に増幅してしまいます(図1)。

このように、消費者側の小さな需要変動が、小売店から販売会社(卸売業者)、メーカー(製造部門・購買部門)、仕入先…、と上流に遡るにしたがって、その変動幅が大きくなってしまうことを「ブルウィップ効果」と呼びます。ブルウィップとは、牛追いが使用する「鞭」のことで、手元を小さく動かすだけで、その先端が大きくしなって波打つように動くことに由来しています。

このブルウィップ効果は、図1に示すように、とくにサプライチェーンの上流に位置するメーカー、そしてその仕入先に大きな影響をもたらします。

図1 不安心理による過剰在庫の仕組み 図1 不安心理による過剰在庫の仕組み

【対応策】

(1)情報の共有

ブルウィップ効果による意図しない在庫の増加を抑制する対策としては、まず何よりも情報の共有化を図ることです。上記の例では、販売実績と既存在庫数量の情報を、小売店を起点に販売会社、メーカー、仕入先で可能な限り共有します。メーカーである貴社としては、それらの情報を販売会社と共有することにより、情報不足と不安心理の双方を回避し、過剰な生産や仕入れ、それによる過剰在庫の発生を抑制します。

具体的には、たとえば需要変動のとくに大きな商品や価格の高い商品に絞り、販売会社がその商品の販売実績と在庫数の情報を小売店から集めます。集めるにあたっては、その頻度(日次や週次など)、伝達手段(FAXや電子メール、または通常の発注書に追記する形など)を取り決め、ルール化します。販売会社はその情報をまとめてメーカーに提供し、メーカーではその情報を参考にして、より実需に近い生産計画を立てるようにします。

留意点は、メーカー側からも供給予定数や納期などを販売会社や小売店に提供し、相手側の販売計画・仕入計画の立案、入庫作業の事前準備などに協力することです。当然ながら、各社は別会社であり、自社の情報を社外に開示することには抵抗感もありますが、相互にとってメリットが生まれる仕組み・ルールをつくり、それを理解して進めることが重要です。

(2)発注方法や生産計画立案方法の確立

情報の共有化を図っても、必要なすべての情報が揃うわけではありません。販売会社におけるメーカーへの発注や、メーカーにおける生産計画・原材料調達計画の立案は、やはり限られた情報をもとに予測を立てて行わなければなりません。もちろん予測が外れることもあります。

仮に予測が外れたとしても、直近の受注が増えたので多めにつくっておこう、そうすれば安心だといった考え方ではなく、少なくとも過去の実績やその傾向など既存の情報を分析して、一定の根拠に基づいた発注数量の決定方法、生産計画の立案方法を採用することが重要です。

そしてその方法を継続し、確立することも重要です。仮に計算の根拠が誤っていて、やはり在庫が増えてしまうことがあれば、その根拠を見直して改善し、次第に精度を高めていくようにします。経験を蓄積して、次に活かすことがポイントであり、その都度担当者の勘だけで発注していては、改善すべき点も見えてこないことになります。

回答者中小企業診断士 大塚 真太郎

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