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Q0242.損益計算書の見方と活用について教えてください。
小売業の経営者です。当社では決算用に損益計算書を作成していますが、経営改善にはほとんど活用していません。損益計算書を用いた経営分析の方法と経営改善への活用方法を教えてください。

損益計算書を用いて、収益性分析を行うことにより、企業の抱える経営上の問題点・課題を抽出し、経営改善に向けた対策を検討することができます。

Q02422016年2月19日

テーマ:会計

【損益計算書(P/L:Profit and Loss Statement)の構造】

損益計算書は、一会計期間における企業の経営成績を表す資料です。経営成績とは、具体的には、収益と費用とを対比して、その差額として利益(あるいは損失)がいくらになったかを数値で示したものです。

損益計算書は5つの利益(売上総利益・営業利益・経常利益・税引前当期利益・当期利益)を段階的に示すことによって、企業の収益力を評価する構造になっています。(図1

図1 損益計算書の構造
 
−)
売上高
売上原価
←営業活動の成果(収益)
←売上高に見合う原価
 
売上総利益
←(粗利益)
−)
販売費・一般管理費
←販売活動・管理活動に伴い発生する費用
 
営業利益

←本業(営業活動)による利益

+)
−)
営業外収益
営業外費用
←受取利息、配当金など
←支払利息など
 
経常利益
財務取引などを含めた企業活動全般による利益
+)
−)
特別利益
特別損失
←通常の企業活動以外で発生した臨時の損益
  (固定資産売却益・廃却損、災害による損失)
 
税引前当期純利益
 
−)
法人税等
 
 
当期純利益
←最終利益

【損益計算書を用いた分析と経営改善への活用例】

損益計算書を用いて、収益性に関する分析を行うことができます。 まず、損益計算書に示された5つの利益を、売上高で割って利益率に置き換えます。

  1. 売上高総利益率(粗利益率)(%)=売上総利益÷売上高×100
  2. 売上高営業利益率(%)=営業利益÷売上高×100
  3. 売上高経常利益率(%)=経常利益÷売上高×100
  4. 売上高税引前当期純利益率(%)=税引前当期純利益÷売上高×100
  5. 売上高当期純利益率(%)=当期純利益÷売上高×100

売上高に対する利益率を段階的にチェックすることにより、そこから企業の経営上の問題点・課題を抽出し、対策を検討することができます。

損益計算書は、単に自社の一期分を分析するのではなく、

  • 自社の経営成績を時系列にならべて比較し、現状の問題点を探る。
  • 自社の経営成績を同業他社と比較して、劣る点を抽出し、その原因を探るとよいでしょう。

分析結果をもとにした経営改善は、たとえば以下のような方法で行うことができます。

ケース1.売上高総利益率が悪化している(同業他社より劣っている)

  • 販売価格の設定に問題はないか?
    価格競争に巻き込まれて、値崩れしていないかどうかを検証し、必要ならば販売価格の見直しを行います。
  • 商品(製品)の構成は適正か?
    粗利率の低い商品の割合が高くないかどうか、売上商品の構成比率と商品別の粗利率をさらに分析し、商品のラインアップや販売戦略の見直しにつなげます。
  • 仕入価格を引下げられないか?
    仕入方法の見直し(共同仕入など)、仕入先の見直しなど、仕入価格を引下げる方法を検討します。

ケース2.営業利益段階で利益率が悪化している(同業他社より劣っている)

販売部門および管理部門に業務の非効率や経費のムダがないかどうか検討し、組織体制、業務分担の見直しによる業務の効率化、余剰人員の削減、ムダな経費の削減などの対策を行います。

ただし、人員や経費の削減は、事業規模の拡大を阻害する要因にもなるので、事業の拡大を目指すのであれば、人材、資金などの経営資源を、売上高を伸ばすためにより有効に活用する方法を検討するなど、経営方針に沿った対策の選択が必要です。

ケース3.経常利益段階で利益率が悪化している(同業他社より劣っている)

支払利息など、営業外費用が多いケースです。計画的に借入金を返済するなど、財務体質の改善に取り組むことが必要です。

ケース4.税引前当期純利益段階で利益率が悪化している(同業他社より劣っている)

臨時的な特別損失(災害の影響や固定資産の除去損など)が発生しているケースです。それがあくまでも一過性のもので、今後の業績に影響を及ぼすことがないのかどうか、再発のおそれがないのかどうかを確認するとともに、リスクを回避する対策を講じることが必要です。

このように損益計算書は、自社の収益力を把握するとともに、経営上の課題・問題点を抽出するための貴重な資料で、経営改善にも十分活用することができます。

なお、経営改善に有効に活用するためには、信頼性のある損益計算書の作成が前提となります。

回答者中小企業診断士 岡田 弘

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