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Q0232.会社の借入金を資本金に振り替える資本構成の是正を考えております。どのようなことに注意すべきでしょうか?
産業廃棄物処理業(株式会社)を経営していますが、会社法の施行により、会社の借入金を資本金に振り替える「債務の株式化」(デット・エクィティ・スワップ:DES)が容易になったと聞きました。DESを行うときのポイントについて教えてください。

新たに施行された会社法により、DESの手続きが簡略化されました。これにより、資本構成は是正しやすくなりましたが、株式価値の向上による贈与税の発生などに留意する必要があります。

Q02322016年2月19日

テーマ:事業承継・再生・廃業

産業廃棄物処理業の許可更新時において、債務超過の状況にある場合には、許可行政庁から、中小企業診断士などによる、財産的基礎に関する「診断証明書」の提出を求められるケースがあります。事前にDESの手法を活用し、資本構成を是正することは、意義あることだと思われます。

DES(デット・エクィティ・スワップ)とは、債務の株式化を図る手法のことです。中小オーナー企業の場合、オーナー社長が会社に対して貸付(会社から見ると「借入」)を行っているケースが多くみられます。DESは、この借入金(債務)を資本に振り替える(負債と資本の交換)手法です。負債が減少し、資本が増加することになるわけですから、自己資本比率は高くなります。これによって、資本構成が是正され、金融機関の評価も向上し、資金調達の円滑化が期待できます。

また、DESは、貸付金という債権(財産)を現物出資し、新株を発行するという増資の手続きと考えることができます。

DESの手法は、従来からありましたが、検査役の調査など手続きが煩雑であり、あまり利用されていませんでした。しかし、会社法の施行により、これが容易となりました。

株式会社は、「現物出資財産」(金銭以外の財産の出資)の価額を調査させるため、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをしなければなりません(会社法207条)。ただし、現物出資財産の価額が相当であることについて弁護士、弁護士法人、公認会計士、監査法人、税理士または税理士法人の証明(現物出資財産が不動産である場合にあっては、当該証明および不動産鑑定士の鑑定評価)を受けた場合や、すでに弁済期限が到来している債権で、債権の評価額が帳簿価額を超えない場合には、検査役の調査が不要となっています(会社法207条第9項)。

なお、登記の申請時には、債権の存在を証する書面が添付書類となります。登記所で確認を行ってから進めるようにしてください。

DESによって資本金が増加することになりますと、住民税の均等割の増加、各種会費の増加などに留意する必要があります。また、平成18年度の税制改正により、債権の評価は券面額ではなく、時価による評価となりました。これにより、債務消滅益が発生するケースもありますので、注意が必要です。さらに、株式の価値が向上するため、既存の株主に対して、贈与税が発生するおそれもあります。

DESは、企業再生・再建手法として使われることが期待できます。しかし、これが合理的な再建計画に基づかない場合には、出資者からの過剰支援による経済的利益の供与(寄付金認定)問題が発生することが懸念されます。

DESの手法は、相続対策に活用することも可能です。同族会社の被相続人が会社に貸付を行っている場合、会社に対する貸付金は相続財産の一つとなります。会社が債務超過の状況にある場合、相続財産としての株式には価値はありませんが、貸付金に対しては相続税が発生することになります。DESを活用することによって、株式と貸付金の相続財産を圧縮することで、相続税対策を行うことが可能となります。

DESには、税金に関連するテーマが多くありますので、手続きを進める前に、税理士などの専門家に相談されるとよいでしょう。

回答者中小企業診断士 山北 浩史

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