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Q0213.「取得請求権付株式」と「取得条項付株式」の活用は、どのようにすればよいのでしょうか?
新しい会社法には「取得請求権付株式」や「取得条項付株式」の規定が設けられたようですが、事業承継に活用することはできますか。

「取得請求権付株式」と「取得条項付株式」では、言葉は似ていますが大きく意味が異なります。このうち「取得条項付株式」を活用することで、後継者候補が複数存在する場合でも、最終後継者が決まる以前から、株式の相続準備を進めることができます。

Q02132016年2月19日

テーマ:事業承継・再生・廃業

【取得請求権付株式と取得条項付株式の違い】

「取得請求権付株式」と「取得条項付株式」は、会社が株主の保有する株式を買い取ることを定めている点は同じですが、買い取りを請求する主体が逆になります(図1)。

図1 取得請求権付株式と取得条項付株式の違い
図1 取得請求権付株式と取得条項付株式の違い

【取得請求権付株式とは】

取得請求権付株式とは、株主が会社に対して保有する株式の買い取りを請求できる権利がついた株式のことです。会社が取得請求権付株式を発行する場合は、あらかじめ定款で株主が会社に対して取得請求することができる期間や、株式の買い取りと引き換えに交付する対価について定める必要があります。対価は金銭のほか、社債や新株予約権、新株予約権付社債、ほかの種類株式などの中から定めることができます。

株式の会社による買い取りを保証することで、株主は将来の制約なく会社に出資できるというメリットがあります。また会社は、資金調達を容易に行えるようになるというメリットがあります。ただし、事業承継への活用は難しいと思われます。

【取得条項付株式とは】

取得条項付株式とは、一定の事由が生じたことを条件として、株主の同意なしに会社が強制的に取得することができる条項が設けられている株式のことです。一定の事由とは、株式の公開、新株の発行に加え「会社が定める日の到来」など、定款で幅広く定めることができます。この取得条項付株式は、事業承継のスムーズな推進に活用できます。

株式を強制的に取得する場合、その対価として金銭や社債、新株予約権、新株予約権付社債、ほかの種類株式など何を交付するか、あらかじめ定款で定めておくことが必要です。このうち、ほかの種類株式を交付することを選択した場合、以下のようなパターンで、一定の事由が発生したときに、株主が保有する株式の種類を転換することが可能となります。

  1. 「議決権制限株式」を強制的に「普通株式」に転換する
  2. 「普通株式」を強制的に「議決権制限株式」に転換する

「議決権制限株式」とは、株主総会において議決権を行使できない株式である「無議決権株式」や、決議事項の一部に限り議決権を行使できる「議決権一部制限株式」などのことです。

会社側から見ると、前記Iは一定の事由が発生した場合に、特定の株主の議決権を行使できるようにすることができますし、IIは一定の事由が発生した場合に、特定の株主の議決権を行使させないようにすることができます。

【取得条項付株式の事業承継への活用】

たとえば、A社長は後継者に長男B氏と次男C氏のどちらがふさわしいか現段階では決めかねているとします。しかし、相続税対策としてはいまのうちから2名に所有する株式を譲渡したいと考えています。その場合は、A社長の所有する普通株式を議決権制限株式に転換したうえで、取得条項付株式としてB氏とC氏に譲渡します。そして、将来B氏が後継者に決まった場合、B氏の保有する議決権制限株式を普通株式に転換し、C氏の議決権制限株式はそのまま転換しないことで、B氏の会社支配権の確保を図ることができます。

なお、すでに発行している普通株式を議決権制限株式および取得条項付株式に変換するには、株主全員の同意が必要ですので、ご注意ください。

回答者中小企業診断士 大石 幸紀

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