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Q0204.社債を発行しようと思いますが、留意すべき点を教えてください。
金型製造業を営んでいます。ここ数年、売上が増加しているため、老朽化が進んでいる設備の買い換えを検討しています。しかし、金融機関に長期借入を申し込んだところ、すべて断られてしまいました。このため、社債による資金調達を検討していますが、社債の発行にあたっては、どのような点に留意すればよいのでしょうか。

中小企業が資金調達をしやすい社債は、少人数私募債です。少人数私募債の発行にあたっては、いくつかある発行条件をクリアし、事業計画や募集要項などを取り決めておく必要があります。成功の鍵の一つは、社債購入者と信頼関係を築くことだと思われます。

Q02042016年2月19日

テーマ:資金調達

【中小企業が利用しやすい社債とは?】

社債とは、企業が、主に中長期の資金を調達する際に発行する債権のことです。企業が直接、投資家から資金調達する直接金融であり、貸借対照表上は負債に位置付けられます。また、銀行借入と違い、社債発行企業がある程度自由に返済方法を決められます(最終期限に一括償還することも可能です)。

社債は、購入者をどのように募集するかによって、「公募債」と「私募債」に分かれます。私募債は「プロ私募債」と「少人数私募債」とに分かれます(表1)。

表1 公募債と私募債の比較
公募債 プロ私募債 少人数私募債
社債の購入者 多数の者 適格機関投資家のみ 50名未満、縁故者や会社に関連する者に限定
発行する金額 制限なし 制限なし 1億円未満
届出の必要性 有価証券届出書(または有価証券通知書)を提出 不要 不要
決算等の開示の必要性 有価証券報告書を提出 不要 不要
その他の規制 格付けの取得が求められる なし なし

出典:中小企業白書2003年版より編集・加筆

中小企業が利用しやすい社債として少人数私募債がありますが、理由を以下に説明します。

少人数私募債は、少人数の縁故者や取引先を対象として発行する社債のことで、通常の社債に比べて(1)手続の簡素化、(2)無担保で発行可能などのメリットがあります。これまで、有限会社などでは、少人数私募債を利用できませんでしたが、新会社法ですべての会社に活用の道が開かれました。これにより、少人数私募債は、中小企業の直接金融の手段として、よりいっそう活用の幅が広がっています。

【少人数私募債を発行するにあたって】

少人数私募債は、商法や証券取引法の面倒な手続きをしなくてもすむ社債です。発行条件を、以下に説明します。

(1)発行条件

少人数私募債を発行するためには、1)社債権者が50名未満、2)社債権者に適格機関投資家(プロの投資家)がいない、3)社債総額を最低券面額で除した数が50未満(たとえば、最低券面額が100万円の場合には、社債総額が5,000万円未満)などの発行条件を満たすことが必要です。社債を発行するにあたっては、事前に事業計画を立て、募集要項を取り決めておきましょう。

(2)事前に取り決めておくべき事柄

a.事業計画

社債による資金調達の目的と用途を明確にしましょう。借入から償還までの利益計画や返済計画などを立てましょう。また、利益獲得のための仕組み(ビジネスモデル)も明確にしましょう。

b.募集要項

主に以下のような事柄などを決めておきましょう。

  • 社債の募集総額
  • 社債の一口の金額
  • 社債の利率
  • 社債の償還期間と償還方法
  • 社債利息の支払方法
  • 中途換金(解約)の方法
  • 社債の第三者譲渡の方法および譲渡制限

【少人数私募債による資金調達を成功させるには】

少人数私募債による資金調達を成功させる鍵の一つは、社債購入者(縁故者や会社に関連する者)と信頼関係を築くことだと思われます。社債購入者と信頼関係を築くための方法について、以下に例をあげます。

(1)積極的な情報開示を行うこと

事業計画や財務諸表などの自社情報を積極的に開示しましょう。社債発行時に説明会を開いたり、社債発行後も決算終了時や利息の支払い時に、報告会などを開催しましょう。

(2)社債の管理を徹底すること

少人数私募債は、社債管理会社の設置や官公庁への届け出が必要ないため、社債発行会社が社債券の管理を行います。社債原簿(社債台帳)を作成し、利払いや償還などを厳格に管理しましょう。

(3)適切な社債利率を設定すること

利率は、社債購入者と社債発行者とが納得できる値を設定しましょう。また、高い利率を設定すると、会社の経営状態が悪いのではないかと疑われることがあります。

(4)社債の償還に備えて、資金繰りを計画的に行うこと

社債の償還時には大きなキャッシュアウトが発生します。キャッシュが不足しないよう、資金繰りを計画的に行いましょう。

(5)償還日に償還できないことが予想された場合は、早期に社債購入者に連絡すること

社債権者集会などを開催し、状況や償還できなくなった理由などを説明しましょう。今後、償還 できる見込みがあれば、新たな事業計画などを説明し、社債を再発行できるよう説得しましょう。

回答者中小企業診断士 岩佐 光輝 (中小企業診断士 遠藤康浩加筆)

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