本文とサイドメニューへジャンプするためのナビゲーションスキップです。

トップページ  >  経営をよくする  >  ビジネスQ&A

特集一覧 中小企業に役立つ記事や施策をトピックスごとにまとめています。

Q0084.事業承継準備における会社に対する貸付金の取り扱いについて教えてください。
私は酒類卸売業を経営するオーナー社長です。現在、会社に対して5,000万円の貸付金がありますが、事業承継の準備を進めるうえで、そのままにしておいても問題はないのでしょうか。

あなたの会社に対する貸付金は、あなたの相続人に対して相続税が課税されます。この役員借入金は、資本金に振り替えるデット・エクイティ・スワップを活用することで、相続税評価額を引き下げられる可能性があります。ただし、実施によって思わぬ税負担が発生する場合もありますので、注意が必要です。

Q00842016年2月19日

テーマ:事業承継・再生・廃業

【役員貸付金は相続税の対象に】

長年の会社経営において、オーナー社長が自社に貸し付けを行い、そのまま返済を受けないで貸借対照表に役員借入金として計上されている場合があります(図1)。

この貸付金は、相続の際に相続税の対象となりますので、事業承継準備を進める際には、整理することをお勧めします。

図1 貸付金と株式所有の違い

図1 貸付金と株式所有の違い

所有している株式の一株あたりの相続税評価額は、会社の財務状況によって大きく変わります。会社が債務超過の状態にあれば、0円と評価される場合もあります。

一方、5,000万円の貸付金は、会社の財務状況にかかわらず5,000万円の相続財産として評価されます。つまり、あなたの財産を相続する方には、この貸付金も5,000万円の財産として相続税が課されてしまうのです。

【借入金を資本金に振り替えるデット・エクイティ・スワップ】

株式の1株あたりの相続税評価額が低い場合は、役員借入金を資本金に振り替えることで、あなたの相続財産の相続税評価額が下がる可能性があります。借入金のような債務を資本金に振り替えることをデット・エクイティ・スワップ(D・E・S)といいます(図2)。

あなたの会社が債務超過状態にある場合に、デット・エクイティ・スワップを実施すれば、貸付金にかかるはずであった相続税が0になるケースもあるでしょう。

また、デット・エクイティ・スワップを実施すると、あなたの会社の負債が減少して純資産が増加しますので、財務体質改善も同時に図ることができます。

図2 デット・エクイティ・スワップ

図2 デット・エクイティ・スワップ

このデット・エクイティ・スワップは、現物出資の取り扱いとなります。会社法成立前は、現物出資は少額の場合で、税理士や公認会計士の証明を受けた場合以外は、原則として裁判所が選任した検査役による調査が必要でした。

会社法では、原則は従来どおり裁判所選任の検査役による調査が必要ですが、次の要件を満たす場合については、税理士などの証明も必要とせずに、現物出資が行えるようになりました。

  1. 金銭債権であること
  2. 弁済期(支払期日)が到来していること
  3. 現物出資財産の価額が、その債権にかかる負債の帳簿価格を超えないこと

【思わぬ税負担に注意が必要】

デット・エクイティ・スワップによって資本金が1億円を超えた場合、中小企業に対する優遇税制策が受けられなくなったり、外形標準課税が課せられたりしますので注意が必要です。法人住民税の均等割負担が増えることも考えられます。

また、会社法の施行に伴いデット・エクイティ・スワップによる債権の受入価額を税務上、時価で見ることになりました。そのため、会社側に債務消滅益が発生し、思わぬ法人税が課税される場合もあります。

上記のように、デット・エクイティ・スワップは、その会社によってメリット、デメリットが異なりますので、税理士に相談のうえ、実施されることをお勧めします。

回答者中小企業診断士 大石 幸紀

関連情報

同テーマの記事を見る 3つのコンテンツから検索ができます!

無料相談のお問い合わせ

電話で無料相談
頑張る中小企業「経営相談ホットライン」
TEL:0570-009111

メールでの相談無料
メール相談

このページの先頭へ

このページの先頭へ