経営者のよくあるお悩み一問一答
開店して3年目のケーキ店を経営しています。シフォンケーキが評判で、多少遠方からでもお客さまが来てくれます。でもケーキ店は商圏が狭いため、売上を伸ばすために支店を出すことを検討しています。アドバイスをお願いします。
多店舗展開すると販売量が増えるため、原材料の低価格仕入によりコスト低減が期待できます。反面、各店舗への配送コストなどの管理コストが増大します。メリット・デメリットを見極めることが大事です。
多店舗展開のメリットをあげていきましょう。
ケーキなどの生菓子は鮮度が命です。店舗が増えてお客さまの家からお店が近くなれば、物理的・心理的ハードルが低くなり、購入の可能性・頻度が高まります。
販売量が増えるため、原材料の大量かつ低価格仕入によりコスト低減が期待できます。
店長を任せる人材のマネジメント能力がアップします。
デメリットはどうでしょうか。
新店舗の家賃、設営費、維持費などがかかります。
新店舗のスタッフの人件費がかかります。
商品の配送、スタッフの教育など。
メリット・デメリットを比べてみて、多店舗展開の是非を判断しましょう。
さて、支店を出す場合の具体的な方策を列挙します。あなたのお店の現状に照らし合わせてみてください。
本店との関係性を踏まえて、表1の「商圏の規模に影響を与える要因」を検討してみてください。
要因
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具体例
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競争状態
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近接する商圏の影響力や交通に要する時間と手段など |
人口密度
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都市における人口密度 |
都市の規模
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都市の面積 |
所得・消費支出
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商圏内購買者の所得構成、各種統計による消費支出など |
商業施設の立地条件
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交通の便、近隣店舗との補完性ならびに集積効果による吸引力など |
商圏の魅力
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商品の入手可能性、価格訴求、快適性、駐車の便など |
物理的要因
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山、川、幹線道路、地形 |
心理的要因
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商業施設のイメージ |
製造コストを低減し、品質を均一化するためには、本店の厨房で集中製造するのが無難でしょう。
生菓子なので、鮮度を維持した状態で配送するための仕組みが必要です。効率的な配送のためには、需要予測も必要です。また、支店の立地にも関わる課題です。
本店のお客さんには評判かもしれませんが、新天地では無名です。「あのシフォンケーキが当地で」などのPRが必要です。その地域の生活情報誌があれば、記事広告を打つことも有効でしょう。
デパートなどの食料品売場へのテナント出店を働きかけてみてはいかがでしょうか。ハードルは高いですが、集客面ではメリットが大きいです。
店長候補のスタッフに「のれん分け」をしてみてはいかがでしょうか。リスクヘッジとモチベーションアップの両面が期待できます。
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