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Q0059.新事業を企画していますが、支援する制度があったら教えてください。
当社は年商7億、従業員7名の廃棄物処理業です。平成17年4月より個人情報保護法が施行されたことを契機に、機密書類の処理についての問い合わせが多くなり、新事業として機密書類処理の専門部門を立ち上げ、機密書類出張裁断サービスを展開することにしました。ついては、新事業を契機に自社の経営革新を図りたいと思います。そのための公的支援制度があったら教えてください。

中小企業の経営革新を支援する公的支援制度として、新事業活動促進法の経営革新支援が第一にあげられます。この法律に規定する経営革新計画を作成するだけでも効果があり、さらに、計画の承認を得ると低利融資などの支援措置もあります。また、専門家派遣制度を活用することで、第三者の助言を活用するのもよいでしょう。

Q00592016年2月25日

テーマ:事業拡大・多角化

御社は、個人情報保護法という外部の環境変化をビジネスチャンスととらえ、機密書類出張裁断サービスという新事業を考えています。環境の変化に対応できる企業が生き残っていけます。よって、この新事業を契機に経営革新を行うことは、たいへんすばらしい決断かと思います。

さて、このような経営革新を行う企業を支援する支援策として、第1にあげられるのが、「中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律」(以下、「新事業活動促進法」という)による経営革新支援です。以下に説明します。

【新事業活動促進法による経営革新支援とは?】

新事業活動促進法は、平成17年4月に成立した法律で、中小企業の底上げにつながる施策として多くの中小企業に利用されております。特に「経営革新支援」は補助金申請にも活用することが多い中期計画を策定できることが大きなメリットです。低利融資制度、投資支援、販路開拓支援、特許料の減免措置など幅広い支援メニューとなっています。ただし、これらの支援措置を受けるには、前段階として新事業活動促進法に基づく経営革新計画の承認を取得する必要があります。窓口は原則として本社登記のある都道府県となっています。

【経営革新計画作成のポイント】

1.目標を定める

たとえば、今回の新サービスにともなって、設備投資をする場合を考えます。この場合、その設備投資は何が目的かを考えてください。そして次に、今回の設備投資によりこれまでと違って何ができるのかを考えてください。たとえば、新サービスを提供することで高い利益率が見込め、新たな顧客開拓につながるのであれば、「高収益体質の実現」と「新規顧客開拓」を図る経営革新計画を達成する一手段として、今回の設備投資を位置付けることができるでしょう。つまり、設備投資の先にある全社的な影響、経営目標を明確にする必要があるということです。

2.経営革新計画の達成目標と達成手段を具体的に考える

目標を明確に定めることができたら、後はその達成目標と達成手段を具体的に計画します。とくに重要なのは、計画書に記入した数値(付加価値額と経常利益のもととなる売上、費用)の根拠を具体的にあげ、達成の確実性が高い計画であることを説明することが必要です。なお、新事業活動促進法の場合は、2つの基準を満たすことが必要です。

(1)付加価値額

付加価値額(営業利益、人件費、減価償却費の合計)または1人あたりの付加価値額が5年計画であれば15%以上、4年計画であれば12%以上、3年計画であれば9%以上、計画期間開始時と比べて、計画期間終了時が伸びていることが必要です。詳細は、関連情報をご参照ください。

(2)経常利益

経常利益が5年計画であれば5%以上、4年計画であれば4%以上、3年計画であれば3%以上、計画期間開始時と比べて、計画期間終了時が伸びていることが必要です。詳細は、関連情報をご参照ください。

【新事業活動促進法の経営革新計画の承認ポイント】

承認ポイントを理解するには、法に定める「新事業活動」とは何かを知らなくてはいけません。新事業活動促進法では、下記の4つの活動を規定しています。

  1. 新商品の開発または生産
  2. 新役務の開発または提供
  3. 商品の新たな生産または販売の方式の導入
  4. 役務の新たな提供の方式の導入その他の新たな事業活動

御社の場合、廃棄物処理業界の中でも機密書類出張裁断サービスという新しいサービスの提供をお考えですので、承認対象となるかどうか、一度担当窓口に相談する価値があるでしょう。

さて、具体的に経営革新計画を作成してみましょう。なお、ここで言う経営革新計画とは、御社のビジネスプランであることは当然として、新事業活動促進法の経営革新計画の承認申請書の内容となるものを言います。したがって、経営革新計画の承認申請書の様式に従って説明しますので、ダウンロードしてお手元にお持ちください。詳しくは、中小企業庁の「今すぐやる経営革新」というリーフレットをご参照ください。ここでは、そのリーフレットの補足をします。

(1)経営革新計画(申請書の別表)

こちらに経営革新の目標や、経営革新の内容と既存事業との相違点などを記入します。当然、御社の経営革新計画の詳細を述べる中心部分ですので、具体的、個別的、数値的に述べてください。逆説的な言い方をすれば、申請企業名を変えても通用しそうな抽象的、一般的な内容ではよくないということです。なお、ここではスペースの関係からすべてを記述することができない場合が多くあると思いますので、その際は別紙資料として御社のビジネスプランを添付してください。

(2)実施計画と実績(申請書の別表)

経営革新計画の実施スケジュールです。ここで、特許料軽減措置を希望している方は必ず特許の取得について触れてください。この欄で評価基準とありますが、これは実施項目が計画どおり進んでいるか否かをチェックするための基準とお考えください。なるべく数値で示すことができる基準を考えるとよいでしょう。

(3)経営計画および資金計画(申請書の別表)

新事業の予想売上高、予想コストなどを記入します。低利融資をご希望の方は、必ず資金調達額欄に借入予定額を記入してください。この金額がこの法律で定める低利融資の限度額となります。なお、ここで数字だけ先行して考える方がいますが、それは避けましょう。まず、売上高なら具体的な売り先が想定できて、そこからいくらの売上が新事業で見込めるかを積み上げて記入しましょう。

また、この際、資金計画も同時に作成して、借入金の返済計画も立案して別紙資料として提出するとよいでしょう。事業の確実性のアピールになり、承認後に融資希望先の銀行に返済計画を説明する際にポイントとなります。

(4)設備投資計画および運転資金計画(申請書の別表)

ここで記入する金額は申請書の別表で記入した設備投資額欄および運転資金欄と一致させてください。また、設備投資額を借入で調達する場合や設備投資減税を利用する場合は、資金調達額欄や減価償却費欄と矛盾がないようにしてください。

(5)関係機関への連絡希望について

これは承認機関(原則は都道府県)が、いわばサービスで承認書類を関係機関へ送付してくれるものなので、とくに借入希望先などには送付を希望するとよいでしょう。また、これをきっかけに関係機関からさまざまなお得な情報が届くことがあります。

図1 経営革新計画策定フロー

図1 経営革新計画策定フロー

【専門家派遣制度の活用を図る】

経営革新を図るには、第三者の客観的な意見を聞くことも重要なポイントとなります。とくに、経営革新計画を作成するときには、中小企業診断士など第三者に相談しながら進めると精度の高い計画ができることでしょう。また、中小企業支援センターや商工会・商工会議所(シニアアドバイザー事業)では、経営革新計画の作成支援をしておりますので、ぜひご活用されるとよいでしょう。

また、実際に御社に専門家を派遣して、経営のアドバイスをする制度が、都道府県等中小企業支援センターにはあります。これを「専門家派遣制度」と言って、必要経費の1/3を自己負担すればよい制度です。窓口で具体的な相談をすれば、きっと御社に合った専門家が紹介されることでしょう。

以上の支援策を活用することで、経営革新に向けて全社一丸となって取り組む体制を構築して、経営革新を果たしてください。

回答者中小企業診断士 七田 亘

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