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Q0048.経営ビジョンや企業戦略を従業員に徹底するにはどうすればよいでしょうか?
地場食品スーパーを展開しています。近年、郊外型のホームセンターやショッピングモールが脚光を浴びているので、郊外店を出店すべきだという社内の声が大きいのですが、経営者としては地元のお客さまの利便性を第一に考えて、新規出店は見送ってきました。そのためか、従業員のモラルが低下してきて、最近は待遇にも不満がでています。業務効率の面での競争力を高めるために、組織全体の結束力を強化したいのですが、どうすればよいでしょうか。

企業が個性と強みを発揮するためには、経営ビジョンと戦略を全従業員が共有する必要があります。そして(1)お客さまの視点、(2)業務プロセス改善による対応の視点、(3)そのための人材育成と変革の視点、(4)業績チェックのための財務的視点から、改革を進めましょう。

Q00482016年2月24日

テーマ:経営ビジョン・相談

スーパー業界にも淘汰の波が押し寄せ、もはや価格と利便性だけでは競争優位を得られない時代となりました。現代の産業界では、ライバル企業を同じ土俵で追いかけるのではなく、個性と強みをもったオンリーワンを目指すことが大切だと言われています。

しかし、個性と強みを本当に発揮するためには、経営ビジョンと戦略を全従業員が共有し、一丸となって経営風土を創っていくものでなくてはなりません。現場でお客さまに接するのは末端の従業員の一人ひとりだからです。また、厳しい環境の中、人材という限られた経営資源を最大限に活用することが求められています。

では、理想的な組織づくりを行うためには、どこから手をつけたらよいでしょうか。

第1ステップは「経営ビジョンの明確化」で、非常に重要なステップです。貴社の場合、「地元の皆様の豊かで健康な食生活を何よりも大事にすることによって当チェーンのファンを増やし適正な対価を得る」ことなどでしょうか。

決定のプロセスの一例として、まず競合店と比較した場合の自店の相対的な「a.強み(Strength)」と「b.弱み(Weakness)」をあげてみましょう。また自店を取り巻く環境についても、売上を伸ばすうえでのプラスポイントを「c.機会(Opportunity)」、マイナスポイントを「d.脅威(Threat)」として加味します(このa~dの4象限を「SWOT分析表」と呼びます)。そして、「強み」と「弱み」から自社が現在できることを洗い出すとともに、「機会」と「脅威」といった外部環境との関連を分析し、変化に耐え得る理想像を構築するのです。ただし、将来の環境変化に対しては、柔軟性をもつことも大事です。

このステップでは、社員に主体性をもたせるためにできるだけ多くの社員に参画させることをお勧めします。

第2ステップは「戦略目標の設定と重要な成功要因の洗い出し」です。つまり、理想像としてのビジョンと戦略を中長期・短期の両面から具体的な目標に置き換え、その目標を実現するためには何が重要な要因なのかを分析するわけです。これを各組織の階層ごとに検討し、経営トップから従業員一人ひとりに至るまで周知徹底させます。

典型的な重要な成功要因洗い出しの切り口としては、次の4つが一般的に使われています。

(1)お客さまの視点
(2)業務プロセス改善による対応の視点
(3)そのための人材育成と変革の視点
(4)業績チェックのための財務的視点

第3ステップは、戦略目標と重要な成功要因を全社に浸透させるために、第2ステップでの洗い出しに基づいて行う「業績評価指標の設定」です。設定にあたっては、評価を受ける部門の従業員を必ず参画させることが重要です。

それでは、上述の4つの切り口に沿って例示しましょう。

(1)お客さまの視点から経営ビジョンを具体化すると、たとえば戦略目標は「地域市場シェアトップ」、重要な成功要因は「CSの向上と顧客の固定化」などになるのではないでしょうか。その場合の業績評価指標は、「会員獲得数」、「苦情件数」、「顧客評価点」、「売場面積当たり売上高」などを軸にして決定していくと連動が見込まれます。

(2)業務プロセス改善による対応の視点からは、たとえば戦略目標は「顧客滞留時間の極大化」などとした場合、成功要因は「最適な品揃え」、「店舗レイアウト」などでしょう。これに連動する業績評価指標は、たとえば「POSデータ反映率」、「新商品売上寄与度」、「店内回遊状況調査」などがあげられます。

(3)人材育成と変革の視点からの戦略目標を「従業員の総プロフェッショナル化」、成功要因は「モチベーションとコンピタンス(つまりやる気と能力を引き出すこと)」などとした場合、業績評価指標は「従業員満足度」、「従業員一人あたり生産性」、「戦略的業務装備率(1人で複数の役割を担えること)」などとなるでしょう。

(4)財務的視点は、ここでは省略しますが、これらのさまざまな戦略目標が達成されたときに事業の成長と適正な利益が確保されるようチェックすることを軸に、業績評価指標を設定します。

以上に概要を示した手法は、「バランス・スコアカード」と呼ばれる手法です。実際の導入と運用にあたっては、社長をはじめとするプロジェクトチームまたは「戦略検討委員会」などのような組織によって効果をモニターし、環境に合わせる必要があります。

図1 バランス・スコアカード

図1 バランス・スコアカード

全社員が戦略レベルの理解をもち、責任と権限を与えられている企業には底力があります。それは、どの階層からでも改善提案や新規企画が出てくるからなのです。

回答者中小企業診断士 岩佐 大

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