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Q0031.会社の機関を変更する際の留意点は何ですか?
当社は、約20年前に株式会社を設立した衣料品販売業です。当時は発起人が7名以上必要であったことから、知人などに株式を引き受けてもらいました。また、取締役も3人以上必要であったことから、名義を借りて取締役に就任していただいております。会社法の施行に伴い、会社の機関を再度設計したいと考えております。そのポイントを教えてください。

会社法の施行により、会社機関の設計の自由度が向上しました。取締役1名のみの株式会社も認められております。自社の実態に合った機関設計が望まれます。御社の機関設計では、特に、名義を借りている取締役(名目的取締役)の責任などについても検討する必要があります。

Q00312016年2月19日

テーマ:企業の機関・形態

会社法の施行により、機関設計の自由度が高まりました。非公開会社(すべての株式について譲渡制限のある株式会社)では、取締役が1名のみの機関設計でも、これが認められるようになりました。監査役や代表取締役などの設置は任意となっています。これに対して、公開会社の場合は、取締役会の設置が義務付けられています。

御社の場合、はじめに株式についての譲渡制限があるかどうかを確認することから始めるとよいでしょう。譲渡制限がない場合は、これを設けるか否かについても検討しましょう。将来的に株式を上場するのか、しないのかなどを検討してください。一般的に、株式の譲渡制限を設けた方が株式の分散を防止することができ、経営の安定化を図ることが容易となると言えます。この譲渡承認は、

  1. 株主総会の権限事項とする(取締役会設置会社の場合でも)こと
  2. 株主間の譲渡、特定者への譲渡について承認不要とすること

も定款記載により可能となりました(会社法139条1項ただし書き)。

また、取締役には、代表取締役や他の取締役の行動を監視する役割があります。役員などがその職務を行うについて悪意や重大な過失があったときは、当該役員などは、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負うことになっています(会社法429条)。また、役員などが第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合、ほかの役員なども当該損害を賠償する責任について、これらの者は連帯債務者とすることが規定されています(会社法430条)。

取締役として、

  • 株式、新株予約権、社債もしくは新株予約権付社債を引き受ける者の募集をする際に通知しなければならない重要な事項についての虚偽の通知、または当該募集のための当該株式会社の事業そのほかの事項に関する説明に用いた資料についての虚偽の記載もしくは記録
  • 計算書類および事業報告、ならびにこれらの付属明細書ならびに臨時計算書類に記載し、または記録すべき重要な事項についての虚偽の記載または記録
  • 虚偽の登記
  • 虚偽の公告

などの行為が、原則、損害賠償を行うこととなります。

代表取締役が第三者に対して損害を与える場合、事業に従事しない形だけの取締役(名目的取締役)であるからといっても、取締役の責任を免れるわけではありません。過去の判例(最高裁判例)において、名目的取締役も損害賠償責任を負うとされたものがあります。名目的取締役であっても、場合によっては取締役の責任を負うものと考えることが相当であると思います。

別の観点からしますと、役員として業務に従事しない者を取締役として登記をすること自体に問題があると言えます。会社法では「不実の登記」として、故意または過失によって不実の事項を登記した者は、その事項が不実であることをもって善意の第三者に対抗することができないこと(会社法908条第2項)と定められています。

さらに、御社の場合、株主の状況を再度確認する必要があります。会社法によって、少数株主の権利が強化されています。御社に名義だけの株主がいるのであれば、会社として、株式のあり方を検討し、必要であれば買い取ることも視野に入れておくことが望まれます。5年間音信不通の場合は、その株式を取締役会の決議によって競売、買い取りすることが可能です(会社法197条)。御社の実態にあった株主構成が望まれます。

以上の点を考慮して、機関設計を検討されるとよろしいかと思います。

回答者中小企業診断士 山北 浩史

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