本文とサイドメニューへジャンプするためのナビゲーションスキップです。

トップページ  >  経営をよくする  >  ビジネスQ&A

特集一覧 中小企業に役立つ記事や施策をトピックスごとにまとめています。

Q0029.従来と今回の会社法の組織再編における変更点を教えてください。
当社(株式会社)は、製造業、不動産賃貸業と複数の事業を経営しております。また、当社には子会社があり、将来的には組織再編を行う予定です。会社法の施行により、組織再編の仕組みが変更となったと聞きましたが、変更点を教えてください。

子会社の定義が変更となりました。また、吸収合併や吸収分割などにおける対価について、金銭などでも認められ、これが柔軟化されました。

Q00292016年2月19日

テーマ:事業承継・再生・廃業

御社には子会社がありますので、子会社の定義について再確認する必要があると思われます。子会社とは、「会社がその総株主の議決権の過半数を有する株式会社、その他の当該会社がその経営を支配している法人として法務省令で定めるもの(財務および事業の方針の決定を支配している場合における当該他の会社)」をいいます(会社法2条第3項、会社法施行規則3条第1項)。

会社法では、「営業」の言葉が「事業」に変更されています。したがって、「営業報告書」は「事業報告」となり、「営業譲渡」は「事業譲渡」へと変更となりました。これは、会社法の準用が多く見られる保険業法において、「営業」の文言を使わないことが理由となっています。これによって、保険業法では、『会社法上の「営業」を「事業」に読み替える』の注釈が不要となりました。

事業譲渡では、株主総会の決議が不要となる要件が緩和されました。事業の全部を譲渡する場合、原則として、株主総会の特別決議が必要となります(会社法467条第1項)。しかし、譲受会社が支払う財産が、その会社の純資産の1/5を超えない場合は、株主総会の承認手続きが不要となりました(会社法468条第2項)。

また、事業の重要な一部を譲り渡す場合、譲受会社が譲渡する資産が、その会社の純資産の1/5を超えない場合は、株主総会の承認手続きが不要となりました(会社法468条第2項)。これによって、手続きが簡略化されました。これを「簡易事業譲渡」と呼んでいます。

会社分割では従来、「人的分割」(分割対価である株式を株主に交付)と「物的分割」(分割対価である株式を会社に交付)がありましたが、この区分がなくなり「物的分割」のみとなりました。また従来、対価は原則として、「株式」だけでしたが、新設分割の場合には、その対価は、社債、新株予約権、新株予約権付社債でもよいことになりました。吸収分割の場合では、親会社の株式、社債などでもよいことになりました。

合併では、吸収合併の場合、対価の柔軟化により、消滅会社(被吸収会社)の株主に対して、その対価として株主に現金を交付することができることになりました。これによって、その株主との縁を切ることができます。これを「キャッシュ・アウト・マージャー」と呼んでいます。また、対価として、現金ではなく、親会社の株式を交付する場合があります。親会社の株式で合併を行う方法を「三角合併」と呼んでいます。

従来は、債務超過会社との合併は認められておりませんでしたが、会社法ではこれが可能となりました(会社法795条第2項)。消滅会社から負債を承継し、この金額が存続会社の資産の額を上回る場合(つまり、「差損」が発生する場合)であっても、吸収合併ができることになりました。相続税の節税対策の手法としても活用することができるものと思われます。

なお、差損が発生する場合の組織再編、すなわち、組織再編によって存続会社、承継会社、完全親会社となる会社に差損が発生する場合、差損が生じることについて株主総会において説明し、承認を受けることが求められます(会社法795条第1項)。

以上、会社法の施行により、企業買収の方法が充実化しました。これは、大きな変更点であると思われます。また、組織再編税制などの問題がありますので、税理士、公認会計士などの専門家に相談しながら進めることをお勧めします。

回答者中小企業診断士 山北 浩史

関連情報

同テーマの記事を見る 3つのコンテンツから検索ができます!

無料相談のお問い合わせ

電話で無料相談
頑張る中小企業「経営相談ホットライン」
TEL:0570-009111

メールでの相談無料
メール相談

このページの先頭へ

このページの先頭へ