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Q0011.ISO22000について教えてください。
当社は、食品製造業ですが、取引先のスーパーからISO22000の取得について打診されています。HACCPは導入しているのですが、それでは不十分でしょうか?

ISO22000は、製造現場を中心としたHACCPシステムにはない、組織全体で食品の安全・安心を追求するシステムが構築されるというメリットがあります。しかし、これまでの営業実績と認証取得に要する費用対効果を考慮して、導入を検討してみてください。

Q00112016年2月24日

テーマ:企業統制・リスク管理

ISO22000はISO(国際標準化機構)が作成する新しい食品安全マネジメントシステム規格です。HACCPはCodex(FAO/WHO合同食品規格委員会)が作成した食品安全システム構築のための指針です。このため、ISO22000は、食品安全ハザードのリスク分析の手法をHACCPから取り入れ、マネジメントシステムの考え方をISO9001から取り入れたシステムです。

なお、ISO22000の認証を取得すると大きなメリットとして次のことが期待できます。

(1)構築された食品安全マネジメントシステムを運用することにより、食品安全上の問題を予防し、問題が発生しても速やかに対処できるような体制をつくる。

(2)認証取得を公表することにより、取引先や一般消費者、消費者団体に対して、水準以上の管理体制が整っていることを示せる。

これら以外に、法令遵守の徹底、顧客要求事項の明確化による顧客満足の向上、食品安全方針宣言による組織体制の改善などがあげられます。

ISO22000は、PDCAサイクルによる管理を徹底して行うため、これまで甘さがあった管理方法などの見直しができることがあげられます。たとえば、クレームが発生した場合、通常は回収した製品からクレーム原因などを分析し、対策を講じてこれを報告書として消費者に届けることで終了しますが、ISO22000を導入すると、この対策が有効であったか、一定期間後に社内で会議を開いて確認し、有効でない場合はさらに改善策を講じて、管理レベルをあげることができます。

また、これらの会議などについても必ず議事録を作成し、ISOの基準に基づいた書類管理方法に基づいて保管し、あとでその経緯を確認できるようになります。

このように、これまで実施してきたことを全社的なレベルで、徹底して行えるため、単に製造現場を中心とした従来のHACCPシステムにはない、組織全体で食品の安全・安心を追求するシステムが構築されるというメリットがあると言えるでしょう。

当然、費用が発生します。審査費用はISO9001と同様、従業員数により異なり、さらに製品数、事業所数、危害の多さなどによっても異なります。また、取得に際して外部コンサルタントによる指導を受ける場合は、別途費用が発生します。

すでに、御社が取引先から食品の衛生管理に関して実績があり、高い評価を得ている場合は、新たにISO22000を取得しても衛生管理レベルに大きな変化はないと思いますが、衛生管理について先進的な取り組みを行っていることの訴求、全社的な意識改革を目的として導入するのであれば、その効果は大きいと思います。

公益財団法人日本適合性認定協会(JAB)の資料によれば、わが国でISO22000の認証を受けている組織は、平成27年12月25日現在649件とされています。

取引先のニーズを再確認して、御社にとって必要かどうか将来性も含め検討することをお勧めします。

回答者中小企業診断士 大寺 規夫

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