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店舗管理

Q972.大手小売りチェーンの出店に対抗するにはどうすれば良いですか?
地方の幹線道路沿いで酒屋をやっていますが、100メートルほど先に全国チェーンのショッピングモールができます。駐車場も大きく、もちろんお酒も販売すると思います。私の店舗は30坪ほどの店で駐車場は5台分だけです。廃業も考えていますが、地元のお客さんがいるのでまだ頑張りたいと思います。どうしたら売上を落とさないようにできるでしょうか?

A.大型のチェーン店と同じ土俵で戦うと厳しい状況になります。彼らは規模の経済の論理で、安く大量に販売する調達力と交渉力を持っています。それには、価格ではなく価値を提供するという発想が必要になってきます。

相談者のような酒屋さんは全国にたくさんあり、廃業したりコンビニエンスストアに転換したりしているところも多く見受けられます。

【同じ土俵に乗らない】

フランチャイズなどの方法ではなく、独自に店舗を展開していきたいという場合のお話をしたいと思います。

こういう場合のポイントは、同じ土俵に乗らないということがポイントになります。大型店は酒売り場という売場を構成して、大量に安く販売するというマス販売の考え方であり、マスで売らなければ利益が出ない仕組みになっています。

また、大型店は大量に売るということから、品揃えを世に知られた売れる商品を大量陳列して売っています。そうしないと棚の売り上げ効率が落ちてしまうからです。

さらに、大型店が利益を出すには従業員一人あたりの売上という概念もあり、人をなるべく少なく、さらに正社員は少なくという考えをとっているために、専門知識や接客などが必要ないように、売り場にものを言わせるというインストア・マーチャンダイジングという手法を取り入れています。

ここに小規模単独店の生き残りのヒントが隠されています。同じ土俵に乗らないということは、「売れているお酒を安く効率的に売る」という量販店と比較できないような店舗をつくっていくということです。

【お店を酒屋からライフスタイル提案型のコンセプト・ショップに転換する】

同じ土俵に乗らない第一のポイントとして、今までの単なる酒屋さんというコンセプトから脱することです。そして、ライフスタイルを切り取ったコンセプト・ショップを作りましょう。

例えば、相談者のお店を「至福の時間を楽しむお店」というようなコンセプトで括って、すべての販売活動をそのコンセプトに合わせていきます。できればお店の外観からショーウィンドウもそのコンセプトに合ったものにします。そして、お酒の品揃えは売れるお酒ではなく、至福の時間を楽しむというコンセプトで品揃えします。お酒ではなく、そのコンセプトを「売っていく」のです。

さらに、ここからがポイントになりますが、お酒以外の商品もコンセプトに合わせ品揃えをします。至福の時間を楽しめる「器」だったり、「スナック」だったり、「雑貨」であったり、銘酒が生まれた地域の「本」を扱うこともできます。コンセプトを「至福の時間を楽しむお店」にしてしまえば、お酒だけにこだわる必要がなくなります。

今までの酒屋というハードな店舗コンセプトから、ライフスタイルというソフトな店舗コンセプトにすることで、大型店と単純に比較されることなく、大型店では満足できない潜在的なニーズを開拓していけます。

【フレンドリーサービスと専門知識の二本立てが、価格ではなく価値を求める客層を集めます】

そして、このようなライフスタイル型のコンセプト・ショップに転換したら、小型店ならではの小回りと、質の充実を徹底していきます。お客様をマスとしてではなく個人として扱い、フレンドリーな会話と専門知識でコミュニケーションを図ります。

お客様自身のニーズを聞き、それに合うような提案をしていくことと、お客様の個人的なイベントや家族などのイベントを会話の中から把握しておいて、サプライズなプレゼントをするようにできれば、大型店では味わえない価値を提供することになります。大型店は、お客様をマスとしてしか対応できません。しかし、小規模店なら、○○さん、□□さん、という対応ができるのです。

このライフスタイル提案型店舗コンセプトと、フレンドリーでかつ専門的な人的コミュニケーションが、小規模店でしかできないことなのです。そして、双方向のコミュニケーションを取ることが重要です。要望や苦情は金言です。

要望を言いやすいお店が、来店頻度をあげていきます。その金言をお店に反映させていくことで、店員とお客様でお店を成長させていくという考え方が重要です。このような関係性を持ったお客様は、実は、お店の営業員となってクチコミをしてくれるのです。それこそ、あたかも自分のお店のように。ここまでやれば、有料の広告宣伝費は少なく済んでしまいます。

以上の2つを実現することは、知識や会話能力などの新たな能力が要求されますが、大型店は販売データを基に、科学的に売上と利益を出そうと必死になっています。これに対抗するためには、小規模店といえども知恵を絞り、汗をかきながら違う土俵で頑張ることでしか、お客様に満足を与えることはできません。

回答者
中小企業診断士 深瀬 雅之

2016年2月19日更新

店舗管理


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