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Q792.海外展示会への出展と契約書の作成についてアドバイスをお願いします。
特殊照明機器の製造・卸売業です。照明機器分野においても国内市場の縮小は顕著であり、製品輸出を検討せざるを得ない状況で、まずは米国展示会への出展を考えています。同業者からは、出展するのであれば必ず契約書を持参するようにと言われていますが、海外の企業との契約書となると、皆目見当がつきません。そこで、海外の展示会をどのようにとらえ、また、どのような契約書を作成していったら良いか、アドバイスをお願いします。

A.「必ず契約書を持参するように」とあるのは、あらかじめ作成した表面約款と裏面約款が記載されたスポット販売契約書を持参するという意味です。以下に日本と海外との展示会の違いや「海外では信義則は通じない」ことなど、契約書作成の留意点を説明します。

【日本の展示会と海外の展示会の違い】

日本における展示会は商談機能を備えているものの、後日営業担当者があらためて顧客を訪問し、商談の詳細を詰めることが多く、展示会は商談の場というよりも製品発表の場であったり、顧客との情報交換の場であったりすることが多いものです。
 一方海外では、出展者はその年の販売予定量を当該展示会で売り捌こうとしており、大抵は展示スペースの奥に商談スペースを広く取り、経営幹部から営業担当者まで総出で待機し、各月の製造ラインを顧客ごとに割り当てると言われています。
 したがって、この相違点を十分踏まえて海外の展示会に出展することが肝要です。

【海外における契約書の意味】

海外における契約書とは、契約当事者が恐れていることが起きないように詳細まで規定していくものです。過去に発生したクレームに関しては、現時点の契約書で再発防止策が網羅されていないといけませんし、これから起きてほしくないことがあれば、事前の防止策が規定されていなければなりません。

【海外では信義則は通じない】

国内販売での契約書に記載する条件は、海外企業との間の契約書において転載されるべきですが、信義則(民法第一条第2項)は原則として通じません。同項には、「権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない。」と定められ、その結果、大抵の契約書には、「ここに定めない事項は、誠意を持って協議し、慣習に従うものとする。」という文言が契約書の最後に挿入されています。この結果、売り手と買い手がこの信義則に頼ることとなり、契約書の条文で本来規定すべきものまで省略してしまいがちです。

しかしこの考え方は、海外では原則として通じません。海外では契約に書かれていることがすべてであり、書かれていないものに契約履行の根拠を求めることはしません。なぜならば、仮に「誠意を持って協議し、慣習に従う」と海外企業との契約書に謳ったとしても、「誠意」や「慣習」が明確に定義されていない以上、意味をなさないからです。海外の契約書では両者の合意事項をできるだけ詳細に規定し、これにより契約の履行を確保するようにします。納品や検収、クレーム提起、所有権や危険の移転、さらには紛争解決等、一つずつ拾い出し、海外企業との契約書に追記していきます。

【契約書の構成】

契約書は通常、一枚の紙の表(表面約款)と裏(裏面約款)で構成されています。表面約款には船積みごとに作成されるインボイスとほぼ同じ内容のものが記載され、裏面約款には、どの船積みにも共通する一般的な条項が記載されます。メール等のやり取りで合意に達するのは、通常表面約款に記載事項である数量・品質・単価・船積み時期等であり、通常裏面約款までは合意されません。

【契約書作成の留意点】

契約事項は、どのように書くこともできますが、当然のことながら売り手にあまりにも有利であれば買い手の同意は得られないでしょう。したがって、常識の範囲で妥当なものであって、かつ出来るだけどの買い手にも受け入れやすいものを目指すことになります。一方、売り手として譲れない点もあると思われますので、この両者のバランスをどう取っていくかが重要です。

具体的には、まずその時点で最善と思われるものを作成し、買主に送付して、反応を見ることにします。その反応が貴社にとって納得ができ、かつ汎用性があるものであれば、それにしたがって契約書を修正するようにします。大手企業はどこも独自のスポット取引契約書を持っていますが、以上のような経緯により形成されてきたものです。

回答者
中小企業診断士 林 隆男

2016年2月19日更新

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