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企業再生と廃業

Q702.リスケジュールについて教えてください。
当社は従業員35人の製造業です。5年前に土地を取得して工場を新設しましたが、最近の景気悪化で売上が減少し、資金繰りが厳しくなっています。コンサルタントに相談したところ、「リスケジュールを検討してみてはどうか」と言われましたが、リスケジュールとはどのようなものですか、教えてください。

A.リスケジュールは、リスケとも呼ばれ、金融機関からの借入金の返済条件変更のことをいいます。中小企業金融円滑化法施行にともない、リスケジュールの環境は以前と比較するとやりやすくなっていますが、経営改善計画のともなわないリスケジュールはお勧めできません。

【リスケジュールを取り巻く環境】

リスケジュール(略称:リスケ)は、借入金の返済が困難になったとき、「一定期間だけ約定返済額を減額する」など返済条件変更のことをいいます。新規融資を受けられない場合、資金繰りを改善させるための選択肢の1つです。

平成21年12月4日に、中小企業金融円滑化法(「中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律」、平成23年3月までの時限立法)が施行(平成25年3月に終了)され、また、金融検査マニュアル別冊(中小企業融資編)の改訂が公表され、即日適用となりました。この改訂によって、企業が条件変更を申し出た際に経営改善計画書を作成していなくても、1年以内に計画書を策定すると見込まれる場合、不良債権に区分しなくても良いということになりました。

平成22年4月16日には、経済産業省が社団法人リース事業協会(現・公益社団法人リース事業協会)に対し、中小企業からのリースの支払猶予の申込みがあった場合には、柔軟かつ適切な対応を行うよう要請しています。

このような環境変化を受けて、銀行やリース会社は中小企業からのリスケジュールの申し出を安易に無視するわけにはいかなくなってきているため、リスケジュールの相談・申し出は、以前と比べてしやすくなっているといえます。

【リスケジュールのメリット・デメリット】

1.メリット

約定返済額の減額は、新規融資を獲得したことと同じような効果があり、資金繰りが楽になる効果があります。そのため、条件の悪い高金利の借入を増やさずにすみます。

2.デメリット

金融庁は金融機関に対して、「貸付条件の変更等の履歴があることのみを理由として新規融資を拒絶することがないよう」に検査・監督をしますが、現実問題として返済原資が明確にできないリスケジュール中の企業は、新規の融資を受けにくくなります。

【リスケジュールの留意点】

金融検査マニュアル別冊(中小企業融資編)の改訂によって、「経営改善計画書がなくてもリスケジュールはできるようになった」と先述しましたが、金融機関から求められなくても、(1)経営改善計画書、(2)資金繰り表は必ず作成してください。返済計画がないのに条件変更しても問題の先送り(延命策)に過ぎず、再度債務不履行に陥る可能性が高くなります。

事業が窮境状況に陥り、資金繰りが悪化したということには、必ず原因があります。その原因を取りのぞいて解決しない限り、経営危機は継続しているということです。

また、経営改善計画の「改善」の内容も良く考えてください。現在の延長線上では何も改善できないことは、リスケジュールの申込みの時点で明らかです。貴社の強みを活かした経営革新ともいえるような抜本的な改革が必要になります。

平成26年6月27日の金融庁の発表によると、平成21年12月4日から平成26年3月31日までの間に行った貸付条件の変更等の状況は、全業態の合計では5,529,573件の申込みに対して、実行件数/(実行件数+謝絶件数)が97.6%(実行率(1))、実行件数/申込み件数が94.2%(実行率(2))となっています。

表1 貸し付け条件の変更などの状況

表1 貸し付け条件の変更などの状況

新規融資が困難な場合、返済原資の当てもなく高金利の資金に手をだす前に、金融機関にリスケジュールの相談をしましょう。経営改善計画や資金繰り計画でお悩みの場合は、中小企業診断士などの専門家の活用をお勧めします。

関連情報
<「金融検査マニュアル・監督指針」の一部改正、「銀行法施行規則等の一部を改正する内閣府令」等の公表について>(金融庁)
http://www.fsa.go.jp/news/24/ginkou/20130329-6.html
回答者
中小企業診断士 石井 浩一

2016年3月22日更新


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