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経営ビジョン

Q645.自社の状況を分析する方法を教えてください。
長年、大手メーカーの下請けとして電子部品の組み立てを行ってきました。今後は、下請けから脱していくことを考えています。そのため、まずは自社の状況を把握することからはじめたいと思っています。具体的な分析手法があれば教えてください。

A.自社の状況を正しく把握するためには、外部環境、内部環境の両方を分析する必要があります。そのために、(1)「PEST分析」、(2)「バリューチェーン分析」、(3)「VRIO分析」という手法を活用することができます。なお、「PEST分析」が外部環境分析、「バリューチェーン分析」と「VRIO分析」が、内部環境分析にあたります。

【PEST分析(外部環境分析)】

PEST分析は、企業を取り巻く外部環境をもっとも大きな視点で分析する手法です。具体的には、「政治(Politics)」、「経済(Economy)」、「社会(Society)」、「技術(Technology)」などの視点で分析を行います。

  • 政治…法律の規制、政府や官公庁の動向
  • 経済…景気、物価、消費の動向、為替、金利の動向、産業構造の変化
  • 社会…人口構成、出生率の動向、ライフスタイル、価値観の変化、トレンドの動向
  • 技術…技術革新の動向、特許の動向

業界へ対する新たな法規制など、自社ではどうすることもできず、かつ、業界全体を大きく揺るがす要因になりうるのが外部環境の特徴です。そのため、幅広い視野で、注意深く調査・分析する必要があります。

【バリューチェーン分析(内部環境分析)】

バリューチェーン分析とは、企業の活動を「主活動」と「支援活動」に分け、自社内の強み・弱みを把握していく手法です。個別にみると、バラバラなことも多い企業活動を図1のように分解してとらえることによって、自社の強み・弱みを把握しやすくなります。それぞれの要素において、他社と比べて優れている点、劣っている点を考えてみましょう。その際、『「主活動:製造」における「成功要因:精密加工、品質管理」』など、それぞれの要素の成功要因を考えてみることがポイントです。

バリューチェーン分析による企業の活動把握

【VRIO分析(内部環境分析)】

VRIO分析は、競争優位性をもたらす企業の内部資源を分析する代表的な手法です。具体的には、「経済価値(Value)」、「希少性(Rarity)」、「模倣困難性(Inimitability)」、「組織(Organization)」の4つの視点で、自社の経営資源の競争優位性を考えます。その際、「経済価値」、「希少性」、「模倣困難性」の3つすべてに当てはまるものが、持続的競争優位性をもった経営資源ということができます。そして、その持続的経営資源を有効活用できる組織(仕組み)になっているかが、ポイントになります。

  • 経済価値…経営目標達成に有効な経営資源
  • 希少性…その経営資源を保有しているのは、ごく少数の限られた企業
  • 模倣困難性…競合他社が容易にまねできない経営資源
  • 組織…その経営資源を十分活かすことができる組織(仕組み)
VRIO分析の例

自社の状況(外部環境・内部環境)を把握する代表的な手法のポイントを紹介しましたが、分析の際には、単に表面的な項目を羅列するのではなく、自社や自社を取り巻く関係者への影響度が高い項目は何か、各要素がなぜ自社に影響を与えるのか、またどのように与えるのかといった点を深く考えることが大切です。

関連情報
<Q050.経営の経験が浅いため会社の方向性を決められず困っています。どうしたらよいですか?>(J-Net21)
http://j-net21.smrj.go.jp/well/qa/entry/050.html
回答者
中小企業診断士 横田 透

2009年12月15日更新


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