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企業再生と廃業

Q632.会社の再建のために資金を借りることはできますか?
当社は民事再生法の適用を受けて自主再建に取り組んでいる食品加工業者です。先日、社長仲間から民事再生法の適用を受けている中小企業が利用できる融資があると聞きましたが、どのような融資なのでしょうか。教えてください。

A.民事再生などの法的再生や自主再建に取り組まれている中小企業を支援する融資制度として、事業再生支援資金と企業再生・事業承継支援資金があります。これらの支援資金は、要件を満たせば、経営者本人の個人保証を免除または猶予してもらうことも可能です。

民事再生などの法的再生や自主再建に取り組まれている中小企業を支援する融資制度として、株式会社日本政策金融公庫(以下、日本公庫)が行っている事業再生支援資金と企業再生・事業承継支援資金の2種類をご紹介します。

これらの支援資金は、会社再建のために必要な設備資金や長期運転資金として活用することができます。しかしながら、法的再生や自主再建に取り組まれている中小企業であれば誰でも支援を受けられるというものではありませんので、注意が必要です。

【事業再生支援資金】

この支援資金の貸付限度額は、設備資金7億2,000万円(うち長期運転資金2億5,000万円)で、支援の対象となる方は、

  1. 民事再生法の規定による再生手続開始の申立てなどを行った方であって、認可決定前のもののうち、一定の要件を満たす方
  2. 民事再生法等に基づく再生計画などの認可等を受けた方および私的整理に関するガイドラインに沿って私的整理を行う方で、一定の要件を満たす方

となっています。

I.に該当する方の場合、貸付期間は1年となっていますが、II.に該当する方の場合は、貸付期間は設備資金が10年以内、長期運転資金が5年以内となっています。このようにI.II.のどちらに該当するかによって貸付期間が異なりますので、皆さんの会社がどちらの項目に該当するのか、事前に確認をしておく必要があります。

【企業再生・事業承継支援資金】

この支援資金の貸付限度額は、中小企業事業と国民生活事業のどちらの部門に申請をするかによって、大きく異なります。中小企業事業の場合、設備資金7億2,000万円(うち運転資金4億8,000万円)で、国民生活事業の場合、設備資金7,200万円(うち運転資金4,800万円)です。どちらの部門の支援が受けられるかは、皆さんが次のどの項目に該当するのかによって異なります。
 中小企業事業の支援を希望される場合はI.III.VII.に該当している必要があります。一方で、国民生活事業の支援を希望される場合は、I.II.IV.VII.に該当していることが条件です。

  1. 経営改善、経営再建などに取り組む必要が生じている方であって、特定の要件を満たす方
  2. 民事再生法に基づく再生計画の認可などを受けた方で、特定の要件を満たす方
  3. 事業再生に取り組む方などから事業の譲渡などにより事業を承継する方
  4. 親族内に後継者が不在であるなどにより事業の継続が困難となっている方から事業の譲渡、株式の譲渡、合併などにより事業を承継する方(新設を含む)
  5. 安定的な経営権の確保により事業の継続を図るため、株主などから自己株式および事業資産の取得などを行う法人
  6. 安定的な経営権の確保により事業の継続を図るために、事業用資産の取得などを行う後継者(中小企業者)
  7. 中小企業経営円滑化法第12条第1項の規程に基づき認定を受けた中小企業の代表者

企業再生・事業承継支援資金が事業再生支援資金と大きく違う点は、民事再生などの法的再生や自主再建に取り組まれている中小企業だけでなく、事業承継を行っている中小企業も利用できる点です。後継者の不在などにより事業の継続が困難となっている企業から事業の譲渡を受けた方や合併などにより事業を承継する方も利用できますので、設備資金や運転資金の工面にお困りのようでしたら、ご検討されてみてはいかがでしょうか。

なお、事業再生支援資金および企業再生・事業承継支援資金ともに、対象となる方の詳細に関しては、日本公庫のホームページに詳細が記載されていますので、そちらを参照してください。

今回ご紹介した、事業再生支援資金と企業再生・事業承継支援資金は、ともに日本公庫で取り扱っていますが、事業再生支援資金は日本公庫の中小企業事業、企業再生・事業承継支援資金は日本公庫の中小企業事業国民生活事業といったように、支援部門が異なりますので、相談の際には注意が必要です。

また、これらの支援資金はすべて融資です。事業を継続しながら返済が必要となるものですので、皆さんの事業にとって本当に融資が必要なのか、必要だとしたらどのくらいの融資が必要なのかなど、事業計画や返済計画を十分に検討してから窓口に相談に行かれることをおすすめします。

関連情報
<中小企業施策利用ガイドブック>(中小企業庁)
http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/g_book/index.html
<株式会社日本政策金融公庫>
http://www.jfc.go.jp/
<沖縄振興開発金融公庫>
http://www.okinawakouko.go.jp/index.html
<Q585.政府系金融機関の再編について教えてください。>(J-Net21)
http://j-net21.smrj.go.jp/well/qa/entry/585.html
回答者
中小企業診断士 大石 幸紀
大幸経営有限会社 取締役)

2009年10月29日更新


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