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人事制度と労務管理
- Q590.労働契約法と労働基準法はどのように違うのですか?
- 労働法の基本は労働基準法にあると思いますが、平成20年に施行された労働契約法とはどのように違うのでしょうか? 今後の人事管理においてどのような点に留意していかなければいけないのかについて教えてください。
A.労働基準法と労働契約法では、法律の適用方法、法律違反への処置、定義などさまざまな相違点があります。労使間のトラブルを回避するには、労働条件を労使双方で確認し、合意している根拠を残すことが大切です。
日本の労働市場では、就業形態が多様化、成果主義の浸透などを受け、労働条件も個別に決定する傾向にあります。労働契約法は、最近の労働紛争の流れが、集団的な関係から個別労働関係へと移行していることを背景に施行されたものです。現在の個別労働関係における労使トラブルは、不当解雇などの民事上のトラブルが多く、労働契約法はいままで判例を参考に判断されていたものを明文化したものとなっています。
そもそもの労働契約は、当事者間の合意があれば、成立するものです。しかし、労働契約は、「労働者」と「使用者」との間に成立するものであり、対等の立場で契約することが難しいことから、労働条件の最低基準を定めるものとして、昭和22年に労働基準法が制定されました。
労働基準法と労働契約法を比較すると、以下のような違いがあります。労働基準法は、強行法規として罰則により取り締まる性質をもちます。一方、労働契約法は、任意法規であり、罰則はなく、労使トラブルについては、労働審判などを利用し解決にあたります。
両者では、労働者、使用者の概念も異なります。請負や委任で労務提供する者は、労働基準法では労働者に含まれませんが、労働契約法では労働者として扱うこととなっています。一方、使用者の概念は、労働契約法では、労働者と労働契約を締結する者を使用者としていますが、労働基準法では、人事部長など一定の管理監督者も使用者としています。労働基準法における使用者の概念が広くなっているのは、実態として労働者を指揮命令するものを取り締まり対象とするためであると思われます。
労務管理上の留意点として、労働基準法上では「労働者」とはされない請負関係で働く者も、労働契約法により保護対象となることから、経営者は、自社の従業員以外の関係についても留意していく必要があります。
また、契約は合意を原則としていますので、労働契約の内容は、書面により確認し、労使それぞれが書面を保管するというような合意しているという根拠を残していくこともトラブルを回避するために大切なことです。
労働契約法に罰則はありませんが、労働条件についてはトラブルとならぬよう真摯な態度で決定していくことが必要です。
- 関連情報
- <労働契約のポイント>(PDFファイル)(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/kantoku/dl/080218-1a.pdf - 回答者
- 中小企業診断士 大塚 昌子
2010年12月13日更新
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