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人事制度と労務管理
- Q568.就業規則を変更する場合の留意点を教えてください。
- 2008年3月より労働契約法が施行され、就業規則の変更が難しくなったと聞きました。今後、退職金制度などを見直す場合、どのようなことに留意すればよいのでしょうか。
A.労働条件の不利益変更を行う場合、原則として、労使間の合意が必要となります。ただし、変更内容に合理性がある場合には、就業規則の変更により行うことができるとされています。労使間での真摯な交渉を行うとともに、複合的な見直しを図ることが重要です。
就業規則は、常時使用する労働者が10人以上の場合に、使用者に作成が義務付けられているもので、就業に関する規律や賃金、労働時間、休日、休暇などの労働条件を定めています。就業規則は、いわば会社における憲法のようなもので、会社で働く従業員の労働条件を集約したものです。
従業員ごとの労働条件は、個別の労働契約により定められるものですが、入社時に合理的な内容の就業規則があり、それを周知させた場合には、労働契約の内容は就業規則の定めによるとされています。まず、規範として効力のある就業規則とするには、内容が合理的であることと、周知することが必要です。周知していることを明らかにする方法として、入社時に説明会を開く、就業規則を配布するなどの方法が考えられます。
このようにして決めた労働条件を変更するにはどのようにすればよいのでしょうか。原則的には、使用者・労働者間の合意が必要となります。たとえば、財政上の理由により退職金制度の見直しを行い、従業員にとって不利益な変更をやむを得ず行う場合には、対象者全員の合意が原則として必要になるということです。しかし、不利益変更について全員の合意をとることは現実的に困難です。不利益変更については、その変更内容に合理性がある場合、合意がなくても就業規則の変更により行うことができるとされています。従来は、判例に基づき判断されていましたが、労働契約法が施行されたことにより明文化され、ルールが明確になりました。
不利益変更の内容については、次の通りです。
- 変更後の就業規則を労働者に周知させたこと
- 就業規則の変更が以下の事情に照らして合理的なものであること
- 労働者の受ける不利益の程度
- 労働条件の変更の必要性
- 変更後の就業規則の内容の相当性
- 労働組合などとの交渉の状況など
ただし、上記の場合でも、個別の労働契約において、変更されない労働条件として使用者と労働者の間で合意がある場合には、就業規則で変更されることはありません。また、変更された就業規則が、法令または労働協約に反する場合には、法令または労働協約の適用を受ける従業員の労働契約については、適用されないこととなっています。
労働条件の不利益変更では、労使間でいかに真摯に話し合ったかという過程が重要です。たとえば、変更内容については、退職金制度の見直しと同時に、定年、再雇用制度の見直しも行うなど、複合的に見直しを図り、合理性のあるものとしていくことが求められます。
- 関連情報
- 労働契約法についての情報
<労働契約法のポイント> (PDFファイル)(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/roudoukeiyaku01/dl/08.pdf - 回答者
- 中小企業診断士 大塚 昌子
2010年12月13日更新
人事制度と労務管理
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