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[会社法]M&A
- Q525.キャッシュアウト・マージャーとはどのようなものですか。
- 当社は製造業ですが、今後、技術力強化のため、他社との合併を検討中です。そこで、キャッシュアウト・マージャーという方法が有効であると聞きました。そこで、キャッシュアウト・マージャーについて教えてください。
A.会社法の施行によって、吸収合併における合併の対価が柔軟となり、存続する会社の株式以外の財産、たとえば現金でもよいということになりました。このような手法を、キャッシュアウト・マージャー(交付金合併)と呼びます。
会社法施行以前は、貴社(ここではA社として考えます)が他社(ここではB社として考えます)を吸収合併しようとした場合には、A社の株式をB社の既存株主に合併比率に応じて交付する必要がありました。そのため、合併後のA社の株主構成が変更されることが避けられませんでした。結果として、経営がスムーズに行えるような株主構成をしておきたい場合などに、問題が残りました。
どうしてもB社の株主を合併後の株主構成に加えないようにしようとすると、合併比率などを調整して多額な合併交付金を支払う方法や、B社の株主に合併に反対してもらって、株式買取請求をしてもらう方法しかありませんでした(ただし、これらの方法も法的に問題があるのではないかと議論されていました。)。
これに対し、会社法では、吸収合併における合併の対価が柔軟になり、A社の株式以外の財産、つまり現金でも、またはA社に親会社がある場合には、A社の親会社(ここではC社として考えます)の株式でもよいということになりました。結果として、A社としては、吸収されて消滅するB社の株主に、A社の株式ではなく現金を支払うことで、B社の株主をすべて追い出すことが可能となります。
この株式の代わりに現金を支払う手法を、キャッシュアウト・マージャーと呼びます。
会社法施行前と施行後のキャッシュアウト・マージャーを活用した場合を図示すると、図1のとおりです。

ここで、C社の株式を対価として合併をする場合、消滅するB社の株主はC社の株主になります。このように、存続会社の親会社の株式を対価とする合併のことを、三角合併と呼びます。A社・B社・C社の3社が関係しているからです。
また、会社法では、吸収合併、吸収分割、株式交換に際しては、新株や自己株式に代えて金銭そのほかの財産を交付することが可能となりました。反対に、新設合併、新設分割および株式移転は、対価柔軟化の対象とはなっていません。
会社法では、合併対価として金銭のみの交付も認められています。そのため、A社における株主総会の特別決議(臨時総会でも可能です)を条件に、B社の株主に対して、A社株主の代わりに金銭を交付することが可能となり、合併後のA社の株主構成からB社の株主を排除することが可能となりました。付け加えますと、金銭以外にも、社債、新株予約権、新株予約権付社債、そのほかの財産とすることも可能となりました。
吸収合併後の株主構成を考慮すると、キャッシュアウト・マージャーは有効な手法であるといえます。
- 関連情報
- <よく分かる中小企業のための新会社法33問33答「合併等の対価の柔軟化」>(中小企業庁)
http://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/kaisya/kaisyahou33/kaisyahou32.htm - 回答者
- 中小企業診断士 松林 伯尚
2008年8月15日更新
